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SHINE SHOW 観劇

8月18日から日比谷のシアタークリエで上演しているSHINE SHOWを観劇したので、忘れないうちにその感想を取りとめなく記します。ちょっとネタバレあります。

この劇は、のど自慢として曲を歌う場面はありますが、いわゆるミュージカル、音楽劇ではありません。主演は、宝塚出身で現在はミュージカルにもたくさん出演されている朝夏まなとさん、共演であっきーこと、中川晃教さんが出演しています。その他、私は存じ上げないのですが若手の方や、アガリクスエンターテイメントの方々など様々なフィールドの役者さんが出演されています。

物語は、都心のテナントビルの恒例のど自慢大会で繰り広げられる、朝夏さん演じる運営スタッフと、思惑だらけの出場者たちのドタバタを描くバックステージものシチュエーションコメディ。出場者達の様々な事情や思惑に、笑みがほころんだり、ホロリとしたり、ちょっとグッとくる場面も散りばめられており、観ていて全く飽きません。そして、皆さん芸達者な方ばかり。次々に登場シーンは入れ替わるのですが、ゴチャつき感もなく、スムーズな芝居展開。コメディらしく、間合い、テンポも良く、会社で働く人々の日常の悲喜こもごもが、のど自慢大会に集約され、発散、浄化されてゆくカタルシス。

会社員による、のど自慢大会らしく、業務の合間の出場で時間通りに出場者が来ないとか、予定外の出来事で進行に支障をきたすとか、朝夏さんがそれに翻弄されながらも、キッチリ会の進行を仕切る、デキる女を颯爽と演じられカッコよかったです。

朝夏さんに限らず、登場人物のキャラが立っており、誰もがこの大会の当事者であリ、主役である、劇のテーマにも通じるコンセプトが、ひとつひとつの演技からちゃんと伝わってくるのが良かったです。

また、皆さん魅力的なキャラなのですが、その中でも木内健人さん演じる鐘巻さんが面白かった。被害妄想的な思考に囚われ自分をどんどん見失ってゆく様を、あえてオーバーな表情や動きでコミカルに演じ、とってもチャーミングでした。

こうして観劇をしていると、規模ほど小さいですが、私も勤務先の各種イベント企画、進行に駆り出され、似たような役回りを引き受けることが多いので、どうにも既視感が…。どこかで見たことのある光景やら心当たりのあるブッコミ案件を前に、「あーわかる、こうゆうことあるよねえ。」とか「みんな当然のように参加だけしてさあ。こっちの苦労なんか知らないだろ!」と、ぶつける先のない怒りがふつふつと湧き上がる始末。

もう1回、観る予定なのですが、2回目は、果たしてこの些末なイライラに耐えられるかどうか…。そうゆう意味ではフィクションでありながら心情的に結構、リアルに迫っていると思います。

さて、気持ちを切り替えて、今回のあっきーです。役どころは、のど自慢大会を一世一代のプロポーズの機会にしようと目論む会社員役。天才とか、神だか天使だか、はたまた音楽の悪魔やスヌーピーなど人外の役が常なので、結婚願望のある会社員役とは至って普通。だけど、いつもにない設定でファンにとってはとっても新鮮。
上品なピンクのスーツに赤いネクタイがとてもお似合いで、恋人の挙動に動揺しまくる姿がとてもキュートでした。あと、最後のストライプのシャツとチノパンのごくごく普通の装いも更に新鮮。その他、ちょいちょい繰り出すアドリブが役柄にピッタリでね、ホントいちいち楽しい。

コメディな演技に終始しながら、劇の終盤に出場曲のスピッツの「楓」を、恋人を思い、心を込めて歌うのですが、これが全然素人のカラオケ風情じゃない!マイクが離れているのに声は通るし、サビの高音も軽々と歌い上げるし。こりゃ恋人にも思いが届いてしまうことでしょうよ、と納得の歌唱なのでした。草野マサムネさんが淡々と歌う独特な世界とはまた異なり、より心情に沿った歌唱でした。どんな歌も自分の世界に引き込む技量というか、唯一無二な感性、表現力…。あっきー、やっぱりあなたはただ者ではない!!

いつもながら感想をひたすら並べるだけになりましたが、夏に相応しい、楽しく爽やかな劇でした。

最後に、提供がホッピーさんなので、観終わったらすっかり私もグイッと一杯飲みたくなりました!!


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