アニメ うたわれるもの 偽りの仮面 感想
ゲームはプレイ済み。
ネタバレ防止しきれないと思うため、未試聴の方はご注意下さい。
ゲームと違って、重要な部分を絞って制作されているため、ゲームで展開される全ての物語を楽しむことはできない。
その点は留意して視聴すべきだろう。
それを除けば、総合的に見てとても良い出来だと思う。
まず、OPとEDが素晴らしい。
これは見れば分かるので、くどくど書くのもナンセンスだろう。
一点だけ挙げると、原作ゲームファンの心理を心得ていると思った。
本編での最大の違いは、オシュトルに対する描写のレベルだろう。
前期OPでの描き方もそうだし、本編アニメーションでオシュトルの殺陣が登場する機会はとても多い。
少々オーバー気味に強化されているものの、本作でその主要な役目を終えるキャラなので、これは嬉しかった。
仮面の者として、ヴライとオシュトルとの戦いは見所で、ゲームの硬い描き方とは違った、軟らかな美しさと味わいが楽しめた。
その他の点では、殆どがゲームと親和する運びで制作されている。
オシュトルほどではないが、ムネチカの戦闘シーンも増強されていて、特にトゥスクル撤退時の感情のこもった殺陣は素敵だった。
ハクについては、ゲームでもやや頼りない感じが特徴だったが、アニメでも踏襲されており、終盤の一部を除けば、一般的な主人公像とは違う、非ヒーロー的な人物像を持ったハクを楽しめばいいのではないだろうか。
殆んどの人にはどうでもいいだろうが、地味にデコポンポとボコイナンテの出番が増えており、隠れファンとしては面白かった。
入浴シーンがゲーム以上にスペックアップしており、入浴する人物の数、質も強化されている…。
少し残念なのは、ミカヅチの戦闘シーンが殆んど無く、彼のファンにとっては、次回作の活躍に期待する感じになっている。
後は、時間の制約からか、モズヌやチャラフンといったサブキャラに割かれるコマも少ないため、そういったサブ要素を楽しめるのは、やはりゲームだということになるのか。
ネタバレになるが、最終回の演出はゲームと相当異なる挑戦的なものになっている。
クオンに関するイベントがかなり変更されているので、ここは完全に別バージョンと覚悟して視聴したい。
全体を通してだと、後半(13話以降)から大きく作り方が変更される。
前半では仲間との出会いがクローズアップされて、戦闘は殆んどない。
後半では一転して戦闘を中心とした進行に変化し、戦闘シーンの描写も魅力的になっている。
これはゲームと全く同じ特徴であり、アニメでも見事に本作の二面性を表している。
ブルーレイ特典の追加アニメを見ていないため、本編についての感想だけになるが、この作品は単体では半分までとなる二部作でもあるため、本来であれば二人の白皇まで視聴してからまとめるのが筋だろうと思う。
その点で不足する部分があることはご容赦願いたい。
ちなみに、DVDは全て一層であるが、画質・音質ともに良好なので、レンタルでも十分に楽しめる点はありがたかった。