2023年11月1日(水)GRアワー🌏タカトモ編集長に伺う「25歳のただの片づけ好きが世界のこんまりになるまで」part②🌏ゲストを深掘り共和国🌏グローバル共和国 100
2023年11月1日(水)GRアワー🌏タカトモ編集長に伺う「25歳のただの片づけ好きが世界のこんまりになるまで」part②🌏ゲスト深掘り 約53人
ゲスト:高橋朋宏さん、モデレーター:Yoshie Sakagamiさん、サブモデレーター:加藤まみさん、今井カツノリさん、議事録:沼尻淑子
【こんまりさんの本が売れていくまで】
2010年12月27日発売日だったが、テレビ番組「王様のブランチ」に出演が決定したので発売日を早めた。テレビ番組放映日には東京の書店にスタッフが持参して数千冊を置いてもらった。今までテレビ業界で初めて本を出す人の出演番組はなかった。こんまりさんは2019年1月に“王様のブランチに出演する“という目標を紙に書いていた。奇跡としか言いようがない。本の発売直後から飛ぶように売れた。「NHKおはよう日本」に出演依頼も来て12月に出演した。発売日1週間前にはテレビメディアでの宣伝を終えていた。こんまりさんの場合はインタビューを受けて出演すればいいではなく、収録前に家を1軒片付けなくてはならなかった。こんまりメソッドは衣類、本、書類、小物、思い出品の順番で片づけていく。1日かけて朝早くから夜遅くまで片づけをやっていく内容をドキュメントで撮影してから出演した。テレビ局では片づけする姿が絵になってPR効果が大きかった。発売日34日目にして10万部突破していた。『体温を上げると健康になる』は発売から60日目で70万部いった。こんまりさんの本は100万部いくと思った。発売前からこの本は“100万部にするから“とスタートしている。2010年3月11日に東日本大震災が起こって、誰も書店に行かなくなった。広告を打てなく、売上も止まっていた。ゴールデンウィークになり、新聞広告をやっとドカンと出来た。サンマーク出版史上歴史に残る広告だった。あっというまに重版が毎日決まった。1週間以内に10万部、重版を決めて30万部になった。
【テレビ番組「金スマ」に出演して】
電車広告に掲載したら、テレビ番組「金スマ」に出演して欲しいと言われた。35万部いった。「金スマ」2011年9月30日に初出演。テレビ出演までにどれくらい売れているかで打つべき手が変わっていく。金スマに全てをかけた方がいいと判断した。他も依頼が来ていたが断って、他のバラエティ系は出ない方がいいと判断。情熱大陸も断った。「その代わり金スマで沢山取り上げてください」という交渉をテレビ局とした。金スマは45分のテレビ番組。金スマを放送するや否やすごいことが起こった。電話が鳴り止まない、10月は飛ぶように売れた。放送後、売り上げがどんどん伸びていった。実際、「金スマ」は週の頭にならないと放映日がなかなか決まらなかった。金スマ用に10万部、20万部重版していっていた。作っているものは売らないとならないので、新聞広告もした。放送日にはこんまりさんの本の売り上げが100万部突破になっていた。「俺は芸能プロダクションの悪徳社長だ」と言っていた。メディアの交渉に全力を注いだ。その後、こんまりさんは金スマに10回以上出演している。タレント以外で10回以上出演しているのは彼女だけ。その後情熱大陸から再オファーがあって2014年に情熱大陸に出演した。9ヶ月で100万部いった。
【海外出版について】
台湾、中国、韓国からも出版依頼が来た。以前編集担当した『病気にならない生き方』『体温を上げると健康になる』はドイツで出版されていた。普通は欧米で出版されることはないがルートがあった。日本でミリオンセラーになったので海外でも出版出来た。でもドイツでは全く売れていなかった。「ドイツで売れないのはおかしい、原因がある」と思っていた。ドイツの翻訳者が良くないという結論に至った。翻訳後に本のページ数が薄くなっていた。翻訳者が編集して大事な所が削られていた。こんまりさんの本は『心を上手に透視する方法』という本を海外出版している出版社にお願いすることにした。相性が良さそうだと思った。出版担当者と連絡を取って出してもらった。ドイツのシュピーゲル紙のベストランキングにこんまりさんの本が載った。ヨーロッパでベストセラーになったという実績が出来た。アメリカでは出版はエージェントを通してやっていく。僕と出版社の担当者3人ぐらいでアメリカの出版担当者に会いにいった。面白い本なので全訳となった。一流の方に訳をやって頂いた。訳が名文だった。“ときめく“をどういうふうに訳すか?喜びを爆発させる“Spark Joy“がアメリカ人にヒットした。こんまりさんが“ときめく“という言葉を大事にしているのがわかった。Amazonで調べたら“ときめく“という言葉を本にしているビジネス書や実用書がなかった。サムシングニューだった。海外でもヒットした。訳者は“ときめく“を10パターン考えてくれた。アメリカに本を持っていく時、ドイツで売れたという実績が役立った。欧米出版社に持っていく時に説得力があった。イギリス出版社、アメリカ出版社で出版するとヨーロッパ全土にも決まっていった。ドイツのAmazonを見ていて、とにかく本に対するレビューが長かった。読者にこの量のレビューを書かせる力があるんだと思った。紙に書くと実現する。“2014年3月アメリカでミリオンセラーになる“と書いた。アメリカでは2014年10月に出版した。こんまりさんは2014年9月に結婚されている。主賓スピーチで僕が“来月アメリカで出版、世界のこんまりになるから“と言ったことが実現した。アメリカ出版社PR担当のダニエル氏が本の発売前にニューヨークタイムズの方に本を送っていた。アメリカは通常本が書店に並ぶまで2か月かかる。本が並ぶ時にニューヨークタイムズで取り上げてくれた。アメリカ西海岸の出版社のTen Speedは今回のこんまりさんの本で初めてニューヨークタイムズで取り上げられた。会社総がかりで翻訳者も探した。サンマーク出版の会議室で電話会議システムでインタビューを受けた。
【こんまりさんが世界で影響力のある100人に選ばれるまで】
日本でこんまりさんをメディアに紹介していく時、“こんまりさんの部屋を見たい“というのをNGにした。女性の26歳のお部屋を見せると場所が特定されて引っ越さなくてはならなくなる。「金スマ」から何度も言われたがプライベートだからと全部断った。海外のメディアでも同じように一切公開しないと断った。僕は柔軟と頑固な所がある。貫き通したことが良かった。日本の新聞部数は発行部数が多いがニューヨークタイムズは少ない。でもネットで取り上げられると全世界に情報がいってベストセラーになっていく。今現在、こんまりさんの本は1500万部売れている。アメリカのTime紙からサンマーク出版に“世界で最も影響力のある100人“にこんまりさんが選ばれたと連絡あった。アメリカ人でこんまりさんの名前を知っている人は0だった。本がアメリカで出版されて5ヶ月でそのような連絡が来た。片づけた後に“お家が神社のような空間になる“と書いている。2014年の10月にインタビューを受けて、こんまりさんから「アメリカに行ってみたい。アメリカに住みたい」と言われた。場所はサンフランシスコ。調べたらアメリカの出版社のTen Speedがすごく近かった。サンフランシスコにみんなで行こうということになった。こんまりさんは自腹で行った。呼ばれてもいないのに来てもどうなのかな?というようなことがメールから伝わって来た。でもアメリカに行く時にはすごく本が売れていた。いろんなメディアの取材を受けられる状態だった。2015年1月と4月に行った。アメリカの出版社がお金を出してくれてまたアメリカに行くことになった。2016年にも2回アメリカに行った。メディアにも出てアメリカの売れ行きを伸ばしていった。その時は日本で『イラストでときめく片づけの魔法』という4冊目の本を作っていた。サンフランシスコに行った時に同行した4人、こんまりさん、旦那さん、高橋さん、サンマークの方4人にとっての最高の方位だった。
【ブッククオリティのお話】
サンマーク出版にはトータル22年間いた。編集者、担当の本をそれほど作っていなかった。こんまりさんの本のプロデュースで完全燃焼、燃え尽きた。この会社でやるべきことは終わったと思ってしまった。プライベートで仲良くしている心屋仁之助さんのFacebookの投稿を読んでいる時に会社作ってみたいなと思ってしまった。辞めるしかないと思った。重要な決断を一瞬でする。万全の体制を取ってちゃんと準備をしようと思った。その時に引き継いだ方が今、サンマーク出版の代表になっている。会社を辞めようと決意してから2年以上かかった。社長に辞めさせてください、と言ったのが会社を辞める1年前だった。こんまりさんもそうだが、無名の人を発掘してベストセラーにしてきた。それにフォーカス出来ないか?経験を出版社の中ではなく、オープンにしていろんな出版社の人に広められないか。どうやったらベストセラーを作れるか?それは人から聞いた上っ面のものではなくて、著者の在り方、考え方だと思っている。それがあって初めていろんなノウハウが生きてくる。すごい著者の方はみんなそれを持っている。それを伝えていきたい。マインドセットが大事だと思っている。ベストセラーが生まれれば著者も読者も出版社もみんなハッピーになる。
【リスナーの方からの質問、感想】
井原あきこさん:掃除と神社の関係をもっと知りたいです。
高橋朋宏さん:神社に行くと独特の空気感が生まれている。場を整えることで空間を整えることができる。ものにも家にも人間にもエネルギーがある。整えることが最高の居場所になるという。
原さとみさん:海外だと距離が取れるので、大きな吉方が取れたんですね。
守家火奈子さん:在り方、考え方、マインドセットを伝えていく、みんなhappyになる。
【最後に一言】
誰にでもこれをやってみたいということがあると思う。やれていないこともあると思う。一生は一回しかない。やってみたいことはやってみた方がいいと思う。僕にとってそれは会社を作ることだった。
音声はこちら