2022年8月17日(水)米国臨床心理士山本真奈美氏に伺う50年遅れた日本のメンタルヘルスの現状と対策 GR大学🏫ゲスト深堀り共和国🌏グローバル共和国 43

ゲスト:山本真奈美さん、モデレーター:加藤まみさん、サブモデレーター:千恵さん、Sakagami Yoshieさん 議事録:沼尻淑子 MAX200/91人

【アメリカの臨床心理士になるまで】
15歳で剣道部。1歳年下の後輩が15歳の時うつ病で自分で命を絶つ選択をした。理解するのが難しかった。異変には気付いていた。彼が亡くなった時に詳しく彼の死について話される機会がなく、その事がなかったかごとくにされたことがショックだった。グリーフ(喪失による悲しみ)を経験していた。みんなが口を閉ざしていてそのことについて話す相手や話す場所がなかった。日本ではカウンセリング、メンタルヘルスがなかった。日本では勉強するのが難しいかもしれないと思い、19歳で調べ始めた。アメリカでは学校にスクールカウンセラーが常駐していた。カルチャーショックだった。心理的サポートを身をもって体験した。サポートの量とオプションが日本と違った。個人カウンセリングを始めとして心に関するコースや教育機会が多かった。悩んでいる人たちが集まってお互い助け合うピアサポートもあった。いろんなシーンでいろんな選択肢があった。“こういうグループがあるよ“という情報や繋がれる機会が多かった。自分に適した心のサポートを得られた。

【日本のメンタルヘルスケアの現状】
日本では心の健康は“それぞれの人が自分で解決するもの“。個人でなんとかしましょうというのが強い感じがする。一般の人が心のサポートを受けていいんだよ、というメッセージが受け取りにくい。心の問題が消化出来ないのは、個人的な努力が足りないなど精神論に行きやすい。心のサポートを受けられる環境が整っていない。心に問題を抱えてしまったり悩みだったり、それが人によってどこに出てくるかは個性による。感情、思考、行動の出方は個性による。体の傷は見えやすいが心は見えない。

【アメリカのメンタルヘルスの現状】
本当に辛くて来られる方もいる。自分と向き合いたいから、と来られる方もいる。お話して内省を手伝ってもらう。心の健康を保つのに専門家に頼る。日本は頼るというのを学習して育っていない。我慢して自分で処理する。助けて、と言う練習が出来てない。頼り頼られる環境が出来れば、ここで感情をシェアしていいんだという安心感に繋がる。アメリカでは小さい頃から感情を話す練習をされている人は感情を表現するのが上手。また、“話していいよ“と言うメッセージをアメリカでは沢山受け取る。コロナ感染者世界一になった時、学校、保険会社、企業、国、地域などあらゆる所から“毎日のように辛かったらカウンセラーに会って下さい“と言うメールが来た。夜にオンライングループを開いたり、親御さんや企業セミナーなどに沢山呼ばれた。社会でメンタルヘルスは啓蒙している。コロナ禍になってオンラインカウンセリングが流行した。コロナは1人で背負える者ではない。みんなが言ってあげられると1人ひとりが楽。

【今後のメンタルヘルス対策について】
環境を変えていく活動が必要。増えれば増えるほど助けてあげられる。どうやったらそのような環境になれるのか、自分を助けてあげられるのか、自分に優しくしてあげられるのか。ご家族、ご友人に向き合ってもらえると楽になっていく。沢山のメンタルヘルスのサポートを受けて、自分自身が心のザワザワがある。自分でも知識を得たりその環境に携わったり関わるといい。精神疾患などは個人で情報を集めにいくのは難しい。例えばこういう場所でお話を聞いてもらえて、私経由で情報を得られることがあるかもしれない。なんとなく、知り合った人をきっかけとして情報に触れてみることから始めてもらえるといいかもしれない。ひとりひとり個性がある。100人いたら100通り。ご自身を理解して助け合い、頼り頼られでいいと思う。

【質問タイム】
Ayako Onoさん:日本、心の問題、相談出来る環境ではないというのを改めて思った。個別カウンセリングは知識ある専門家の方にお繋ぎ出来ればと思っています。
真奈美さん:なんとなくいられる場所を提供出来ればいいと思っています。その場にいる方と繋がって頂いて。いろんな繋がりを通して必要なサポートに辿り着ければいいと思っています。
デグさん:幼馴染が自殺するという出来事があって衝撃だった。自分を責めた。相談出来る場所を広めて欲しいと思う。
じゅんさん:いろんなメンタルのことを受けてきて50年遅れているというのは痛感した。自分でなんとかしなさいと自分に押し付けられること多かった。
山本真奈美さん:頭の片隅にも自分には支えがあると思えたら。
Keiko Kato さん:うつになった時に誰でもうつになることがあると思った。読書会で日本では“親も学校でも人に迷惑をかけないで生きなさいと教わる、インドでは自分も人に迷惑をかけるのだから人の迷惑も許してあげなさいと教わる“という本があり印象的だった。
山本真奈美さん:フレームワークが変わるとみえる世界が変わる。違う感覚、違うものが見えてくることもある。フレームワーク変換を体験出来る場所があればいいと思う。可能性が広がる。
佐原智子さん:グローバル共和国で不登校応援部を立ち上げている。迷惑をかけない教育をしてきている。子どもが不登校になった時に誰にも相談できなかった。今はオンラインで発信している。コラボもお願いしたいと思っている。
山口育子さん:アドラー心理学、子育て応援団している。3年ぐらい躁鬱。御恩返しに子育て共和国、月2回開催している。ママの気持ちが軽くなれば。

【最後に一言】
素敵な場所をありがとうございます。同じように感じていらっしゃる方多い。サポートの仕方は人それぞれ。ゴール目指して、みんなで環境を整えていければいいと思います。

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