2023年10月18日(水)タカトモ編集長に伺う「25歳のただの片付け好きが世界のこんまりになるまで」GRアワーゲストを深掘り共和国🌏グローバル共和国 99

2023年10月18日(水)GRアワー🌏タカトモ編集長に伺う「25歳のただの片付け好きが世界のこんまりになるまで」ゲスト深掘り 約50人
ゲスト:高橋朋宏さん、モデレーター:加藤まみさん、サブモデレーター:Yoshie Sakagamiさん、議事録:沼尻淑子

【本に親しむきっかけを与えてくれた幼少期】
文字を覚えたのが幼稚園前。両親が親の介護で祖父母と一緒に暮らしていた。家にお風呂がなかったので銭湯に連れて行ってもらった。銭湯の帰りに本屋さんで好きなものを買っていいと言われて手に取ったものが『魚と貝』という図鑑だった。図鑑を読みたいために字を覚えた。ひろがなを読めれば読める本だった。毎日図鑑を見ていたら、親が子ども向けのカラー百科事典を購入してくれた。最近地元に行ってみたら書店がまだあって感動した。小学校で友達が日本昔話の本を手渡してくれて本を読むようになった。物語は面白いと思った。小学2、3年の頃従兄弟が読み終えた本を20冊ぐらい持って帰ってきて読んだ。怪盗ルパンなどの本があった。“813の謎“というタイトルを今でも覚えている。当時は読むのが遅くて何日もかかって読み終えた。読み終えた時に感動した。すごく面白くて興奮した。家にある本は読み尽くしていた。市役所に行った時に「日本国憲法」の小冊子が置いてあった。毎日憲法を読んでいた。小学校で憲法を作ろうとしたこともあった。中学生の頃は家にあった新聞3紙、“産経新聞、日本経済新聞、大阪新聞“を毎日読んでいた。近藤麻理恵さんは小学校最初の係で整理整頓係だったと本に書いてあるが、自分は図書係だった。小学校の原体験は何か将来に繋がっているのかもしれない。

【編集の仕事に関わるまで】
高校では年間10冊小説を読んでいた。大学では演劇をやっていた。野田秀樹さんの芝居、唐十郎さんの劇などをやっていた。大学院フェスティバルでは女形役をやって、主演男優賞を獲ったこともある。どの仕事をやってものめり込む体質だと思う。就職先はPHP研究所に入社した。在職者は300人で、同期が30人。6年9ヶ月勤務した。最初、出版社だと知らなくて受けた。面接で部署を聞かれたので「大学で1年間休学をして海外放浪していた経験があるので、海外部門に行きたい」と言ったら、 2年間海外営業の仕事をすることになった。当時、好きになった女性が大学院に行くと言ったので、会社を辞めると辞表を出した。そしたら東京から京都に呼ばれて、上司から「編集の仕事が向いているかもしれないから編集の仕事をやってから辞めたら」と言われて半年間やって辞めるつもりだった。その後彼女と別れてしまったので、編集の仕事を続けることになり4年半、雑誌の編集をした。最初は文章が書けなかった。作文が大嫌いだったが、苦手分野をしなければならなかった。その前の営業の仕事は向いていた。営業の仕事は目標達成出来ていたので定時に帰宅出来たが、編集の仕事は毎日残業しても仕事をこなせなかった。編集者の仕事は後天的に身につけたもの。人の文章を直すことが出来なかった。インタビュー原稿が上司から添削されて真っ赤になって戻ってきた。添削後に素晴らしいものになっていった。上司の赤字で覚えていった。雑誌の編集者はすごい人に出会える。ダライラマのインタビューもした。いろんな方をインタビューする中で船井幸雄先生にもインタビューをした。船井先生を大好きになった。当時作りたい雑誌のイメージがあった。船井総合研究所、植木宣隆編集長に会いにいって転職した。1996年に雑誌「evah」の編集長になり、創刊号は20万部完売した。編集者歴4年で異例の編集長だった。雑誌は大コケした。マネジメントが全然出来ていなかった。部下は皆、年上の人たちでコントロールが出来ていなかった。総スカンを食らって半ばうつ状態、ノイローゼ気味になった。その後、副編集長に降格して、挫折感や敗北感を味わったが肩の荷が降りてうつ病にならずに済んだ。雑誌は休刊になって、会社に数億円という赤字を作ってしまった。当時のサンマーク出版のオーナーが会社に残れと言ってくれた。赤字を作ったものを返してから辞めようと思った。本が売れない時期が2年間あって苦しんだ。癒しが欲しくて家を買って庭でガーデニングをして2年間持ち堪えた。36歳の時に妊娠した妻を見て、妊娠中のお母さんが読む絵本『お腹の赤ちゃんとお話ししようよ』という本を作ったら12万部売れた。

【近藤麻理恵さんとの出会い】
2000年から書籍編集者になって、2010年に近藤麻理恵さんと出会った。近藤麻理恵さんは土井英司さんの『10年愛される「ベストセラー作家」養成コース』に入っていて、その時のプレゼンの審査員をしていた。近藤麻理恵さんの3分ほどの書籍出版のプレゼンで“片付けは順番が大切、祭り、一気に片付ける、ときめき“などのキーフレーズがポンポン出てきていた。この人はテレビに出る人だなと思った、イメージが浮かんだ。こんまりさんは片付けの変態だと自分で言っていた。こんまりさんは5歳の頃から雑誌“エッセ“を読む子どもだった。16歳に『捨てる技術』を読んで、一気に見違えるように変わって片付けの本を沢山読み始めた。「日本の片付けの本を全て読んだ。世界で誰よりも片付けについて知っているし、片付けは世界で一番」と言っていた。どれだけの人を指導してきたかというサンプルは当時100人ぐらいで大学生の友人の家を片付けて、独立1年のキャリアだったが、それまでにやってきたことがすごかった。自分の中でメソッドが明確だった。でもメソッドがあれば書けるわけではない。最初は『自分のことが好きになる捨て方の技術』という題名だった。“ときめく“が一番大事なことだと自分の中で気づいてなかった。サンプル原稿を書いてもらったが、セミナーのレジュメ、取扱説明書を読んでいるような本だった。「これが正しいのかもしれないけれど伝わらない」という話をした。『病気にならない生き方』と『ズボラ人間の料理術』という2冊の本を渡して、エッセンスを合わせたもの書いて欲しいと言った。『人生がときめく片付けの魔法』の内容は描写が細かい。綿棒を何十本捨てたことや、子どもの頃のことが具体的に書いてある。割と早い段階で書けるようになった。構成はこちらで考えた。“捨て方の技術“ではなく“残したものを大事にしていく“が大事なもの。片付けの定義を変えた。“片付けとは捨てるものを選ぶことではなく、残すものを選ぶこと“これを軸にしようと決めた。“ときめきものを残して、ときめくかないものを手放すこと“。こんまりさんが書いた原稿の4分の1は全カットして内容を足して、構成もし直している。整えて、戻して、出来上がった本。

【著者に期待すること】
著者を書く人に最高の素材を出して欲しいと思っている。断片的なものでもいい。流れは自分が作っていく。料理人として最高のフルコースを出していく。素材でほぼ決まる。どんなに素晴らしい素材でも料理で失敗すればダメ。同じ著者でも出版社で売り上げが変わる。それは編集者の料理の仕方が変わるから。立てた仮説が当たっているか当たっていないかは編集者の責任。著者に必要なこととして、“1つは言葉が立っている“こと。使い古された言葉、世の中に出ている概念だと心に響かない。その人のオリジナルが欲しい。どんなに言葉が正しくても、その言葉を補強する立っている物語がないとならない。具体と抽象の言葉。例えば“愛です“と言っても、具体性が欲しい。著者自身が体験したエピソードはその人しか知らない話。抽象と具体が合わせて面白いものになる。面白いエピソードを入れてくれと言っていた。例えば、こんまりさんが「滝行に行ってきた」と言った。25歳の女性が行ったというのが面白い。滝と片付けで書けないか?とこんまりさんに振った。そのエピソードが本の中にも実際書かれている。こんまりさんとは毎日メールか電話をしていた。本気で書き始めたが7月〜10月、3ヶ月で原稿を完成させた。徹夜して朝までかけて原稿を書いて、朝からまた片付けのレッスンに行っていた。

【近藤麻理恵さんのアメリカ出版の話】
プロモーションもやったけれ本が売れたのは本の内容がすごいから。アメリカでこんまりさんの名前を知っている人は0だけど、初めから売れていった。ニューヨークタイムズの取材も受けた。わけのわからない人を取材しない。ニューヨークタイムズの記者の人が本を読んで感動したから。片付け祭りをした人が記事を書いてくれた。2014年4月にアメリカでの出版が決まって、10月にアメリカで発売された。紙に書くと実現すると信じている。“ある時100万部超える“と書いた。1月にこんまりさんとアメリカに行ってプロモーションをした。アメリカの出版社では呼ばれてもいないのになんで来るの?という感じだった。行く頃には本がものすごく売れた時期だった。こんまりさんが自腹で行きたいと言った。宿泊費は出たが、こんまりさんの往復飛行機代は自腹。自腹を切ったのがアメリカ大成功、1番の勝因だと思う。

【リスナーからの感想】
今井カツノリさん:高橋朋宏さんとは高校の同級生。今までの経緯があって、その上で成り立っていることだというのがお話しを聞いてわかった。次回のお話しも楽しみにしています。

Yoshie Sakagamiさん:こんまりさんの本は私のバイブル。こんまりさんがサンマーク出版を選んだ理由がタカトモさんだったんだとわかりました。出版塾も想いがあってなされていることだと思います。

大川先生:世界のこんまりさんプロデュース、すごいと思います。なぜ世界まで行けたのか、女性の方々も興味あると思います。是非次回もよろしくお願いします。

【ブックオリティ 出版ゼミについて】
無名な方がベストセラー著者になる。世間には知られていないけれど、もしかしたらすごいものを持っているかもしれない、というかたを出版すやすやに届けるゼミ、クオリティ出版ゼミを立ち上げました。本を書いたことがある人から書いたことのない人まで集まってきている熱いコミュニティです。リンクのチェックよろしくお願いします。
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