2022年6月1日(水)バリトン増原英也さんに伺うオペラを通して感じる人の声のチカラ🌏ゲストを深堀り共和国🌏グローバル共和国 34

ゲスト:増原英也さん、モデレーター:加藤まみさん、サブモデレーター:Yoshie Sakagamiさん、大森千恵さん、松田映子さん、議事録:沼尻淑子 MAX107/72人

【学生時代、沖縄との関わりについて】
コロナ禍で色々止まってしまったので仕事や人生について考えた。名古屋生まれの、体育系。沖縄の芝居をやった時に名古屋で終わりたくないと思った。沖縄は政治的にも重要な場所と父が考えていた。興味を持ったものを掘り下げてみるタイプで、現地に行ってみないとわからないと思っていた。沖縄に10代で移り住んだ時、米軍基地の近くはドルと円が両方使えた。沖縄は独自文化が盛んで民族舞踊、ラテン音楽の他、基地から発信されるロック、ジャズ、ブルースなどがあった。沖縄の至る所にライブハウスがあった。
サンシン、ギターが出来た。言葉、食べ物、見るもの全てが違った。学生時代は合唱部に入った。沖縄には毎年コンサートに呼んでもらってる。那覇市観光局と繋がって“観光×音楽“の企画でベートーべン第九を歌う8月21日(日)沖縄コンサートする。沖縄を盛り上げるお手伝い。歌を通していろんな人との繋がる。学生時代に歌の大会でチャンピオンになって目に見える形で報酬を頂いた時に“僕に歌をやれ“というお告げに感じられた。琉球大学を卒業した後に、東京芸術大学に入学、大学院にも進んだ。背中を押されているのを感じた。何か一つのことに没頭して打ち込む短期集中型で1年本気で脇目も振らずに自分を抑えて集中した。

【イタリアで学んだこと】
人の声、話し方、音域など、人の魅力は半分くらいは声だと思っている。声楽家は“心技体“に分けて、自分を楽器として成長させなければならない。“音楽を表現する技術、大きな声を出す、歌う“を商品で考えるとそれで十分かもしれない。でも人の声は、その人となり、どう生きてきたかが全て出てしまう。人間力も鍛えないといけないと思う。心を育んで感受性を豊かに。サウンド オブ アート。心がいい歌を歌おうとするとブレなくなっていく。卒業してから上手くなる人もいるので成長のタイミングは人それぞれ。自分を成長させる。考えの違う人とお話をしたり、新しい発見や気づきがある。料理と音楽は一緒かもしれないと思う。イタリアでは“食べる、歌う、愛する“で語れる。イタリアの考え方は面白い。芸大に受かってから、オペラが何故現代に残っているのか?劇場に行って確かめに行った。劇場に行かなければオペラの生の声はわからない。オペラは現場性がとても高い芸術だと思った。イタリア人のオペラを聴いたら、声の出所が違うと思った。差を埋めにイタリアに行った。イタリアでは外国人として存在するので苦労した。コミュニケーションも大事、技術を磨くことも大事で1、2年は大変な思いをした。“響き“が違う。音に対する美学が違う。どういうものを美しいと思うか。彼らが何を聴いて、何に反応しているか。音に対する感覚、そこから生まれる歌や感動。イタリアではお母さんが偉大で時には神様を超える。イタリア人の声には倍音が含まれていて、エネルギーの放出率がすごい。イタリア民族はすごい。声で伝えることを大切にする民族。デジタルの時代になっても会えるなら会って、ハグをして、キスをして、生の感覚を大事にしている。昔から母は偉大である、という考えは変わらない。沖縄ののど自慢で優勝した時にイベントの話が来た。その時沖縄ホテルの年越しのイベントで、あるおばあちゃんから電話がかかってきた。「孫は生まれながらに脳障害を持っている。夏は北海道、冬は沖縄に行って刺激を与えている。その孫が歌を聴いてすごく喜んでいるように感じた」CDがあれば送って欲しいと言われたので夜中スタジオに入って10曲取って送った。ビーフラッツ(B♭)というグループ。人の声はお医者様でも治せない病気を改善させる効果があるかもしれないと思った。毎日が感動。自分の頑張ったことがすべて娘に還元されると思うと身が入る。“オペラ歌手が本気で歌うぞうさん“とか面白いと思う。イタリアでは誰かが歌い出すとみんな歌い出す。歌を“心のビタミン剤“として受け取ってもらえればと思う。

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