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ロシアの愛国教育（１）ロシアの開拓者

じゅん

（1,075 文字）
2022年12月現在、ロシア連邦には主に三つのロシア愛国教育組織があると見られています
ソ連時代に起源のある「ロシアの開拓者」、2016年に始まった「ユナルミヤ」、そしてこの戦争の最中に始まった「ビッグチェンジ」です

ロシアの開拓者

「ロシアの開拓者」は、ソ連時代（1922~）に開始された、子供警察部隊（共産党の正式な組織で、起源は英国のボーイスカウト活動にあると考えられています）です
入隊年齢は9歳~14歳でした
「ロシアの開拓者」は子供の教育制度としてのボーイスカウト活動にとどまらず、ソ連体制内での密告機能を果たしました
反共産主義的な両親を密告したという裁判の公式記録が残っています
赤いネクタイと、白いブラウスの制服
合言葉は 「《Будь готов!》　準備はいいか！ 」「《Всегда готов!》　いつでも！」でした

1930年代前半は、反共産主義思想の市民を密告する活動がメインだったように思われます
 パヴリク・モロゾフという少年は父親を密告し、法廷で父親を批判したという記録が残っています
彼の父親は死刑になっています
 「大祖国戦争」においては、偵察任務、パルチザン、軍艦のキャビン・ボーイや、介護兵に従事していました
軍事的功績により、数万人のメンバーが勲章を授与されています
自爆したり、戦って殺害されたりした４人の開拓者は、「ソビエト連邦の英雄（最高の称号）」を受けています
彼らの物語は、今でも「英雄譚」として紹介されています

しかし、 大祖国戦争の終戦後は、無償の勤労奉仕活動で古紙や金属くずの収集、緑地の植栽、そして農村地域での小さな家畜（ウサギ、鳥）の飼育に従事するのが主な活動内容となりました

1970年代には構成員は2300万人を越えましたが、形式的には、自主的な入学とされていました
一般教育学校と寄宿学校で運営されていたとなっていて、「開拓者」となった子供たちは９歳から家庭を離れた生活をしていたと思われます

現在、ロシア連邦共産党は、構成員は約１６万人（2016年）の支持者を有するロシアの野党です
ロシア共産党は85の地域組織、2,350の地方組織、14,151の主要支部、の組織を持ちます
そして、人数は不明ですが、その下部組織として「ロシアの開拓者」は存在しているようです


2022年5月、ロシア全土で「ロシアの開拓者創設１００周年記念」がお祝いされました

（つづく）
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じゅん
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