トニー滝谷(村上春樹)を読んで
率直に言って僕にはあまり理解できませんでした。『孤独』がテーマなのかなってことくらいしか考えれません。未熟ながら今の僕なりの考えを書こうと思います。
トニー滝谷の妻が亡くなった後、彼女の洋服で満たされた一部屋が残ります。彼はアルバイトを雇いその洋服を着せることで、孤独ではないと思い込もうとしますが、そのアルバイトが大量の美しい服を見て泣いたことをきっかけに孤独を受け入れることを決意したのだと思います。彼女が大量の美しい服を見て涙を流したことは、その物自体を評価したものであり、それによりトニーは色眼鏡をかけてその洋服たちを見ていたことに気づいたということではないかと思いました。トニーは妻が死んだことや自らが孤独であるということに向き合っていくことを決意したのです。
僕はこの状況から少し『騎士団長殺し』に出てくる免色さんを思い出しました。免色さんは亡くなった愛人が使用していた服をそのまま残していました。免色さんは時間をかけてゆっくり受け入れるべきものを受け入れようとせずに、部屋をそのままにしていますが…
とりあえず僕がこの話から得た教訓は恋は突然訪れるものってことと、問題に対してはしっかりと自然な形で受け止める必要があるってことです。