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文房具

私の子ども時代には、可愛い文房具というのはあまりなかった。田舎だったせいもあるのかも知れない。中学生になった頃に学校の近くにサンリオ商品をメインにした「ファンシーショップ」なるものがオープンし、物珍しさでときどき友人たちと覗きに行ったものだ。でも背伸びしたい年頃には、当時のサンリオ商品はちょっと可愛いすぎた。今はバラエティに富んで様々なキャラクターがいるようだが、当時はほとんどがパステルカラーで、持つのがちょっと気恥ずかしい感じがしたものだ。そんな年頃にとって、ちょうど良い具合にカッコよく可愛い文房具というと「なかよし」や「りぼん」の付録だった。バインダーやファイルボックス、レターセットやノートなど、当時人気の少女漫画家のイラストが描かれた紙製の付録がたまらなく魅力的で、手にするとワクワクしたものだった。
以前にメルカリで昭和時代のりぼんの付録が売りに出されているのを見て、「あー、これ私も持ってたなぁ」などと懐かしさにしみじみしながら眺めてしまった。

大人になると、見た目だけで文房具を選ぶことはなくなった。実用性が何より大事で、とくに仕事に使う事務用品は使い勝手の良さが大切。インクがボタ落ちするようなボールペンでは困る。それでもいつも使っているボールペンのシリーズにイラスト入りのものが店先に並んでいると、つい見てしまうし買ってしまうことも多々ある。そんな感じで購入した付箋やらサインペンやらクリップやらが、抽斗1個分に詰まっている。最近では手紙を書くこともほとんどなくなり、文房具類を使うのは職場が主になってしまっているが、年齢も年齢だし持っているだけでは片付かないので、惜し気もなくどんどんと使って行かねばと思っている。バルタン星人のメモ帳を職場で使っていたら、なぜか社長にウケていた。

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