まっすぐに育っているこれは竹ですか?いいえ果穂です【GRAD感想】
シャニマスの過去シナリオを後追いして、その魅力を再発見するのがこのシリーズ、『ワンダリング・シナリオ・チェイサー』。
今回取り上げるシナリオはコチラ!
『小宮果穂GRAD』!
といったのが、あらすじでございます。
■1人で戦うGRADで見えてくるもの
まず、はじめになんですが、GRADについて少し言わせてください。
個人で戦う経験を通して、
自分自身と向き合うというのがGRADのテーマだと思います。
GRADは個人戦をテーマにしたシナリオです。普段はユニットとして活動するアイドルが、ユニットから離れ個人で活動をする。当然、自分1人だからユニットのときと同じやり方では、通用しない。しゃべるのも自分、歌うのも自分。歓声を浴びるのもブーイングを受けるのも自分1人。
そんな自分1人での活動の中で、アイドルたちは
「自分の強み、武器は何だろう」
「自分のやりたいことは何だろう」
ということに考えをめぐらせます。
さらには、ユニットを離れてソロ活動をしている今だからこそ逆に、
「私に取ってユニットとは何だろう」
「ユニットにとって私は何だろう」
といったことまで考えることでしょう。このような思考は、自分自身と向き合うことに他なりません。
GRADは、アイドルたちが自分自身について考えるシナリオなのです。
それでは、果穂GRADを追いかけていきましょう。
■小六にしてロジカルな考えができる果穂ちゃん
シャニPからの提案で、GRADに出場することになった果穂。
「どんな風に自己PRしたいか?」とシャニPから問いかけられます。このときの果穂ちゃんは、ロジカルに答えを導き出していてすごいんですよ。(シャニPのアシストもありましたが)
自分の経験と照らし合わせて、このときはこうなってるからこうしたらいいと思います!と、論理的に答えを導いていく果穂。地味だけど良い描写です。
「果穂は年齢より大人びている所がある」という印象はこういう細かい描写に由来するのかもしれません。
■偉大なお手本の存在に気がつく
そんな果穂ちゃんのロジカルな思考、カホロジカルな思考から導き出されたPR方法はバラエティ番組に出演すること、特にクイズ番組に出演することでした。
いざ1人でバラエティ番組に出演してみることで、彼女は気がつきます。
自分の中に大きく影響を与えている偉大なお手本の存在に。
その偉大なお手本とはもちろん、放クラメンバーのことです。
1人で番組に出演することになっても、スムーズに楽屋挨拶ができたのは、放クラのみんなが教えてくれたから。
1人で台本読みができるようになったのも、放クラのみんながよく出てくる漢字を教えてくれたから
番組のトークで話したいのは、いつも一緒に楽しく過ごしてる放クラのみんなのこと。
1人で活動していても、小宮果穂と放課後クライマックスガールズは切っても切り離せない関係でした。
1人で動いたからこそ、ユニットが自分にとっていかに大きな存在か気がつけたわけです。
これがまず1つ、彼女にとって大きな気づきであり大きな成長です。
■お姉さんたちの背中を追いかけて
放クラのみんなが自分のお手本となってくれていることに気がついた果穂は、
「自分もみんなみたいになりたい!」
「してもらうだけではなく、あたしからも何かをしてあげたい!返してあげたい!」
と思うようになります。
このシーンは果穂GRADの白眉であり、小宮果穂という人間の魅力が詰まっていると思います。
自分がお姉さんたちにして貰っていることに気がつき、感謝をする。
それだけでは留まらず、自分からも何かをお返ししたいとまで思えるなんて……。
眩しい。眩しすぎるぜ果穂ちゃんよぉ……。
あまりにもまっすぐ健やかに育っているから竹かと思った。
「自分からも何かしてあげたい!」
というまっすぐな言葉を受け、
「すでにできているから大丈夫」
と、現状のままで十分すぎるほどだと伝えた上で、すぐにできることを提案してみせるシャニP。良い腕してるぜ。
(少し余談になりますけど、果穂のこういう部分って、少年漫画に出てくる次世代を担う子どもキャラっぽい。テイストは全然違いますけど、るろうに剣心の弥彦とかそういう感じ。しっかり役に立っているところも含めて弥彦っぽい。性格は真逆ですけども。)
■あたしたちで掴んだ優勝!
見事GRADに優勝した果穂。優勝までのソロ活動を振り返ってみて、
「いっぱい褒めて貰ったけど、それは全部放クラのみんなに教えて貰ったこと。だから、本当に褒めて貰うべきなのは放クラのみんなだ」
とどこまでも謙虚なことを言います。
確かにそういう謙虚な姿勢は素晴らしいし、果穂の良いところではあるんだけど、もうちょっと自分を褒めてあげていいんじゃないか……?と思ってたら、さっすがシャニP。しっかり果穂も誇って良いんだということを、納得できるように伝えてあげます。
どこまでも謙虚な果穂に、胸を張っていいんだよと言ってあげたシャニP。大人として自信を持たせる言葉を送ります。
それに対して、
「あたしたちの中には、プロデューサーさんも含まれてます!」というのが果穂からの返答。
ここでこの言葉が言えるのが、小宮果穂という少女の最大の魅力なのではないでしょうか。
年上の人たちにただ導いてもうらうだけではなく、自らも周りを照らしてくれる光のような存在。それが果穂ちゃんなんだと思います。
偉大なお姉さんたちの存在からの優しさに気がつき、自らもできることをお返ししたい!と成長したのが、果穂GRADでした。
というわけで
過去シナリオを振り返ってみるのも楽しいもんですよ。
果穂GRADぜひ見返してみてください!
↓次のワンダリング・シナリオ・チェイサー