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その女、清純につき【羽那WING感想】【何もわからん】

ついに待望の鈴木羽那WINGシナリオが公開されました。今までのWINGシナリオと比べると、結構違う点が多く楽しんで読みました。

自分なりに感じたことをまとめましたので、お読みいただけると幸いです。


■羽那のことまるごと知りたいよ、教えてね

WING実装前、情報が小出しにされる度にそのあまりの魅力っぷりでシャニマスユーザーは熱狂していました。あまりにも清楚で私たちの心を鷲づかみにする言動から、

「こんなに清楚なのはおかしい!」
「何か裏があるはず!さながら冬優子のように!」

冬優子「黙りなさい」
との声がツイッター上で相次ぎました。

裏があるかはともかく笑、確かにenza実装前の情報だけでは彼女のキャラクター性はイマイチわかりませんでしたね。

そんな中、満を持して実装された鈴木羽那WING…!「ついに彼女のキャラクター性が明らかになる…!」
と期待に胸を膨らませながらシナリオを読んだのですが、結局、ほとんどわかりませんでした。


■羽那の内面描写はほとんどない

なぜ、彼女のキャラクター性についてわからなかったかというと、羽那の内面描写がほとんどないから。

「どういう思いでアイドルのスカウトを受けたのか?」
「アイドルとしての才能に送られる、周囲からの賞賛の声に対してどう感じているのか?」
といった彼女が何を考えているかの描写が極端に少ないんですね。

あまりに心情描写がないので、ワンピースのルフィを思い出しました。

加えて、大きな葛藤(例えば冬優子WINGのバックレ事件のような)もなかった。葛藤しそれを乗り越える姿にはそのキャラらしさが色濃く表れると思うのですが、それがない。

これはシナリオの出来が悪いという意味では当然なく、ほぼ間違いなくシナリオライター陣が意図しているものだと思います。

内面描写がないため、何を考えているのかがわからない。その結果、羽那のキャラクター性がイマイチつかめないということですね。

それから。シャニPに意見や同意を求めることが多いのも印象的でした。これは、自分の意見に自信が無いことを意味するのか?自分軸が薄いことを意味するのか?色々深読みすることはできますが、結論は出せません。まだ描写が足りないので。もどかしきかな人生。

同時期に実装された郁田はるきは、「私はこうしたい」という気持ちがあって自分軸がしっかりしている子ですし、「私はこう考えている」「私はこれで悩んでいる」と教えてくれる子だったので、羽那と対照的だなと感じました。


■他者から賞賛されるナチュラルボーン・アイドルっぷり

というわけで、(ほぼ間違いなく意図的に)羽那の内面や心情描写はオミットされている。そして、その代わりに描写されているのが、他人から羽那への称賛です。何への賞賛か。

それは、羽那の天性のアイドルとしての素質。言うなれば、“ナチュラルボーン・アイドルっぷり”が称賛されています。

関係者スタッフからの「あの子いいね!」という評価。あるいは、イベントで直接話をしたファンたちの限界化する姿。極めつけが、シャニP。

羽那のアイドルとしての仕事ぶりを見て、「彼女にはアイドルとしての仕事全部楽勝、ってくらいのものすごい才能があるのでは?」と絶大な評価をしていました。(その後、写真撮影の仕事が苦手だったり、緊張しやすいという描写が入るため、本当に完全無欠というこわけではない)

確かに、アイドルとしての彼女はめちゃくちゃ魅力的なんですよ!

握手会行ってこんなこと言われたら膝から崩れ落ちますよね。これぞまさしく神対応。神様は死んだ、って ルカには関係ないでしょ

少し余談になるんですが、羽那ってシャニマスアイドルの中で一番、現実世界の芸能界で売れてる姿が想像しやすいアイドルだと思いませんか?

橋本環奈のようにドラマ映画の主役を務める姿。

街ブラロケで商店街のおばちゃんに「おかあさんこんにちは~!」と気さくに声を抱える姿。

『おしゃれイズム』に出て、天然発言をくりぃむしちゅー上田にうまくイジられてる姿。

…脳内再生、余裕じゃないですか?

■「結局羽那ってどんな人間?」「…わからん!」

話を戻します。羽那WINGでは、「内面描写の欠如」と「アイドルとしての才能への絶大な評価」が見受けられました。この2つから導き出される羽那のキャラクター性とは…?

わかんね。

そう、わからないんです。キャラクター性を読み取ろうにも、圧倒的に描写が足りないので。

「何でアイドルをやるのか」「周りからの評価についてどう思うのか」などなど、心情がわかれば考察のしようがあるのですが、ない。

他者から才能を称賛・期待されているという事実があるだけで、それが羽那の気持ちに影響を及ぼしたりはしていない。才能を持ったとある少女がいて、周囲は評価し期待をしています、という状況があるだけ。

キャラクター性が提示される代わりに、

・羽那の内面描写がない意図はなんだろうか?
・大きすぎる周囲からの称賛・期待は羽那にどう影響していくのか?
・シャニPがいつもと違う(後述します)

といった今後の展開のキーとなりそうな種をおみやげに持たされた、といった感じでしょうか。

言うなれば羽那WINGは、これから始まる物語の序章としての役割なんでしょう。これはシーズのように長期戦になりそうだ…。

非常に続きが気になる。青キジが黒ひげの仲間になっている理由ぐらい気になる。待ちきれないのでコールドスリープしようかな。


てなわけで、WINGの情報のみではいかなるキャラクター考察も妄想の域を出ないというのが現状。あるいは「こうだったら面白いな」という願望か。

例えば、現状の考察にこういうものがあります。

①内面描写のなさ+シャニPに意見・同意を求める姿から、「彼女には自我がない」と読み取る。
②彼女は天性のアイドルとして人を魅了する。あまりにも見事に。

この2つから、「天性のアイドル気質は、他者を喜ばせるために意識的に作り上げたものなのではないか」とする考察があります。

その背景となる心情が、「人に気に入られるため」なのか「周囲からの期待に応えるため」なのか、はたまた別の何かなのかはわからないが。

人が喜ぶためにはどうするべきかを常に考えているから自分軸が希薄なのでは、といった読み解き。

名付けるなら、「天性の才能=後天的能力説」といった感じでしょうか。確かに、ありえそう。無い話ではない。

しかし、説得力のあるこの説も現状では断定できるものではありません。くどいようになりますが、WINGシナリオでは情報が足りないからです。

ただ、こうした考察あるいは展開の予想をすることは楽しいですそして間違いなく今しかできない楽しみ方。自分なりにあれこれ考えを巡らせてみるのも一興なのではないでしょうか。楽しみましょう。今しかないこの瞬間を。


■私的願望:「清純な少女が濁った世界をどうサバイブしてくか」が見たい

自分なりの考察を書いてみますね。いや、考察と言うより願望かもしれません。こんな話が見たいという願望。

彼女の清純さ。
純粋無垢さ。
アイドルとしての才能。

これらに裏はないでいて欲しい。

本当に純粋無垢な彼女が、芸能界という濁った世界をどのようにサバイブしていくかというお話が見たいなと個人的に思っています。

やらせや圧力、芋果穂のクソスタッフなどなどが渦巻く決して穏やかとは言えない芸能界で、清純さを保ちながらどう活躍していくのか。

大きすぎる周囲からの評価や、人々が見たい物と羽那の実像が異なったときの落胆とどう向き合いどう乗り越えるのか。

ネガティブなことだけではありません。溢れるポテンシャルを活かしてどんな無双っぷりを見せ、どれだけのスターダムを駆け上がっていくのか。そんな話が見てみたいです。

シャニマス流のきめこまやかな質感を持った葛藤・成長を通して、清純なThe アイドルがもがき活躍していく姿が見れたらいいなあ。

当然これもただの願望にすぎません。こうなる保証も根拠もありません。もし私の願望と違う展開が来ても、よだれを垂らしながら喜んで見るでしょう。レベルの高い合格点をオールウェイズ出してくれるシャニマスくんを信用しているので。

今しかできない自分なりの展開予想をしてみました。


■「どうした!?シャニP!?」

話題を変えまして、ここからシャニPの話をしましょう。羽那WINGを読んで、「どうした!?シャニP!?」と思いませんでしたか?何となく今までの彼と違うような感じが私はしました。

理由は2つあると思ってて。まず1つ目が、スカウトの仕方が今までと違うという点。

SNSでバズった動画(しかも本人ではなく友達による投稿)から魅力を感じ、DMでアポを取った後、岡山まで遠征に出かけたんですよ彼は。

アイドルはオーディションか現地調達が基本だった彼にしては、今回の行動は突飛なもののように見受けられます。

これは私の勝手な思い込みなのかも知れませんが、シャニPには「直接話をしてティンときた人を勧誘する」というこだわりがあると思っていたんですね。

スカウトにしろオーディションにしろ、直接話をして人柄や雰囲気、バイブスを感じた上で惹かれるものがあったらアイドルに誘うという流れを今までは踏んでいた。

直接話す⇒魅力を感じる⇒スカウト(オーディションなら合格)という流れ。

ところが今回の羽那は
(動画を見て)魅力を感じる⇒スカウトを前提に直接話すという真逆の流れ。

違和感を感じた原因はこれです。

シャニPがスカウトをするときに重要視しているのって、アイドルとしての素質だけではないと思うんです。素質というのは、ルックスが良い歌がうまいダンスができるとかのこと。

そうした素質だけではなく、人柄や雰囲気、言語化できない引きつけられる感覚、アイマスの言葉でいうところの「ティンときた」という感覚も重要視してると思っていて。それらは直接話すことでしか感じ取れないものだと思うんです。

でも羽那へのスカウトでは直接会うことなしににティンときてるんですよ。うーん、それだけバズった動画に羽那の魅力が溢れていたということなのか。その動画って歌ってみたとか踊ってみたではないんですよね。それでバズるってどんな動画なんだろうなぁ…。回転寿司の醤油をペロペロしたとか?いやそれじゃあティンとはこないか。まぁこのあたりは動画の詳細がわからない以上、何とも言えませんな。


羽那WINGのシャニPに違和感を感じた理由、
2つ目は、羽那の才能を褒め称えすぎている点。

褒め称えるというより、神格化しているという方が正確…?いや、それは言い過ぎか…?とにかく、弊社タレント自社タレントをここまで褒め称えるシャニPは初めて見ました。

「羽那ならすごいアイドルになれる」と期待しているというより、「羽那ならすごいアイドルになれるに違いない」というさらに上の次元の感情を抱いている感じ。ここまで思っているシャニPは今まで見たことないので、違和感を感じましたね。そんなに羽那が好きになったのか、シャニトラマン。

シャニPがこんなズシッとした感情を抱えている一方で、羽那の心情はわからない。ですので、羽那の心情を無視してシャニPの期待が膨らんでいる印象を与えているんです。これがなんとも言えない不穏な空気を醸し出している気がします。

■大いなるスカウトには大いなる責任が伴う

引き続きシャニPの話。羽那WINGでありながら、シャニPの描写が多く実質シャニPのWINGなのではないかと思える感じでした。肝心の羽那の内面描写が少ない分なおさらその印象が強いです。シャニP担当の方は必見のシナリオです。

シャニPのモノローグにて、今後の羽那やコメティック、ひょっとすると他のアイドルのシナリオにまで波及していきそうな概念が提示されます。

その概念とは、数多の選択があった少女たちを、自らのスカウトによってアイドルにしてしまったことへの責任です。

彼女たちはこれから数多の選択肢から1つを選び取り、自らの人生を生きていくはずだった。しかし、自分がスカウトすることによって他の選択肢は消えてしまった。アイドルになることが彼女たちにとって最良の選択だったのかはわからないのに。

「自分がアイドルにスカウトしたことで、彼女たちの他の選択肢を奪ってしまったのではないか」とシャニPは自問自答しているわけです。

今回のシナリオではその答えは出ていませんし、非常に大きなテーマだと思うので、今後も引き続き語られていくことでしょう。スパイダーマン風に言うなら、「大いなるスカウトには大いなる責任が伴う」といった感じでしょうか。

…と、このようなアイドル個人に向き合うようなことを考えていた一方で、アイドル鈴木羽那のポテンシャルを神格化していたのがシャニPという男。この先、ひと悶着ありそうですな…。


■言ったよね?言ってない?呼んだら会いにに来てくれるって ちなみに283プロでは美少女無罪が適応されますけど

シャニPの話はここまでにして、今までの話と全然関係ないんですが、羽那の行動で気になる点があったので触れます。WING優勝後の「今すぐ会いに来て」は印象的でしたね。

事前のコミュで「夜遅くに『今すぐ会いに来て』って言ったら、来てくれる?」と丁寧なフリがあり、これを回収するかのような展開でした。

いわゆる「試し行動」っぽいニュアンスがほんのりあるような…。

試し行動というのはあれですね。恋人に迷惑をかけるような行為や態度を取って、自分が本当に愛されているかを確認する行為です。

羽那について知る上で、大きな意味が込められている描写のような気がするんですがガッデム!これまたわからない。

WING優勝直後で仕事依頼の電話やメールが続々と舞い込んでいる、M-1優勝コンビのマネージャー並みに慌ただしいシャニPにとって、夜遅くに「会いに来て欲しい」はなかなか骨が折れるお願い。頑張れシャニP。負けるなシャニP。

まあでも、WING優勝した後だからそりゃあねぎらってあげたいし、羽那はあんまりわがままとか言わなそうだし、夜遅くまで働いていたと知ったら「ごめんね」と申し訳なさそうにしていたので無罪!

283プロでは美少女無罪が適応されますので。



■実装前の鈴木羽那をミームとして消費する動きについて

というわけで、以上が羽那WINGの感想でした。
ざっくりまとめると、

・羽那について、まだ全然分からん
・現状の考察は妄想の域を出ない
・シャニPが今までとちょっと違う
・今後の展開をお見逃し無く!

こんな感じですかね。

最後に1つだけ触れておきたいことがあります。

それは、実装前の羽那をミーム的に消費する盛り上がり方について。

羽那がどんな人間なのかの情報がまだまだ足りないうちから、
「天然で異性を虜にする振る舞いをするキャラ」
「いわゆる“Pラブ勢”を牽制しながらシャニPに猛アプローチをするキャラ」
として定義し、ミームにしてきました。

羽那の台詞が断片的にお出しされる度に、
「俺は負けない」
「俺は落ちたりしない」
と盛り上がり、

「異性に思わせぶりな態度をとるも別に好意は抱いていない魔性の女」
「他のPラブ勢を出し抜いてシャニPにアプローチするあざとい女」
としてあれこれ妄想を繰り広げてきました。

私はこのミームの盛り上がりを糾弾したいわけではありません。むしろ逆で、自分自身もこうしたミームで盛り上がっていた側です。

私はシャニマスの「キャラを画一的な属性で消費させない」という姿勢に大きな魅力を感じているので、一連の羽那ミームに対して「まあ、ほどほどに楽しみましょうや」と思っていました。

そう思いつつも一方では、ミームの流れに乗っかるツイートをしましたし、他の人のミームを見てガハハと笑っていました。

そんな中、ついに実装された羽那WINGは、本人の気持ちをよそに周囲の評価と期待が膨れ上がっているシナリオでした。

このシナリオと、羽那についてよくわからないのに勝手なキャラづけでヒートアップしていた自分たちが重なり、めちゃくちゃ居心地の悪い気持ちになりました笑 申し訳ないやら恥ずかしいやらで。

まあシャニマスくんのことなので、こうした居心地の悪さをシャニマスユーザーが感じることは狙い通りなんでしょう。どこまでが狙い通りなのかはわかりませんが。ニクいね。

一応、補足をしておくと、ミーム文化自体が悪では無いと思います。

一部界隈で通じるてっぱんのくだりでキャッキャッするのはとても楽しいことです。学生時代に、自分の友達連中にしか通じない身内ギャグで盛り上がるのと似た質感の楽しさって感じで。

ミームに耽溺してしまうのが良くないのではないでしょうか。

キャラクターを語る中にミームがあるのであって、ミームでキャラクターを語るのではないということは常に頭に入れておきたいです。ミームは用法用量を守って正しくお使いください、ですね。肝に銘じます。

それから、今回の羽那に関しては、キャラの発表から実装までに結構時間があったため仕方がない部分もあった気がします。供給が少なく断片的なのでミームで盛り上がるしかない期間がまあまあ長かった的な。

羽那WINGを読んで居心地の悪さを感じたとしても、反省とかは別にしなくてもいいんじゃないですかね。「気まずいな…」と感じ、ミームについて思考を巡らせるぐらいで十分だと思います。

あ、あと今後の羽那シナリオをしっかり追いかけていくこと。これで十分だと思います。


■最後に

長々と思ったことを書き連ねてきましたが、私の感想は以上になります。

WINGシナリオは羽那の物語のまだ序章といった感じだと思いますので、今後のシナリオを楽しみに待ちましょう!

最後に私が一番好きな羽那の台詞を発表して終わりにしたいと思います。

ここまでお読み頂きありがとうございました!

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