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幼なじみの透とテスト勉強してぇよ

幼なじみの透とテスト勉強がしたい。

期末テストを控えたある日。隣の家に住む幼なじみの透から、

「ヤバいわ古文」
「テス勉しよう」
「行くから家」

とのメッセージが来たので、俺の家でテスト勉強することに。

ほどなくして、家の呼び鈴が鳴り
「うーす、来たぞー」
と気の抜けた声を出す透を家に入れる。

「何か飲む?何がいい?」
「あー、じゃあおいしいやつ」
「何でもいいってことね」

脳みそを全く使わない会話をした後、各自勉強に取りかかる。

いざ、始めると黙々と取り組む。時たま、

「どんな意味だっけ、"ときめく"って」
「寵愛を受ける、じゃなかった?」
「ふふっ わからん」
「超絶ラブって意味」
「なるほどね」

などと軽く言葉を交わすことはあっても、お互いに集中している。

しかし、しばらくすると

「ちょっときゅうけーい」
「お前それ10分前も同じこと言ってたぞ」
「バレたか」

ってな具合で集中力が切れ、サボり始めてしまった。
結局、寝っ転がりながら漫画を読んで、

「やっぱ志々雄かな 一番強いの」
「いや、比古清十郎を忘れちゃいけない」
「あー、たしかに」

みたいな無駄話をする。
結局だらけて1時間ぐらい過ごしてしまった。

「……そろそろ再開するかあ」
「うん よーし、やるか」

気合いを入れ直すかのような透の伸びを合図に作業再開としゃれこむ。
そこから1~2時間ぐらい経ったあたりで、

「うし、おわり」

透の宣言でお開き。今日はここまで。


それなりにサボり、それなりにマジメに取り組む、2人だけの勉強会。

こんなひとときを過ごせるのなら、伝説のブルースマンのように悪魔に魂を売り渡してもいいし、5千円までなら払います(もっと払えや)。