検査第一弾終了。
病院入り
昨日は午後から自分の通院の日だった。
たくさんの検査を受けるので、2日に分けて行うのだが、昨日はその第一弾。
検査のみで診察はない。
病院に着くなり、一番会いたくない人に出くわすという不幸。
過去の私のストレスの原因の主犯格人物。
かかりつけの病院がかつての職場。
働いていた時からいろんな科を受診しているので、転院するのも億劫でそのままにしている。
乳がんを見つけていただき、複数回手術をしていただいた先生方にも恩義がある。
というのも転院しない理由のひとつだ。
時に神様はいじわるをする。
結構な数の職員がいる中で、会いたくない人に真っ先に会うなんて。
前回来た時も、4番目に会いたくない人から声をかけられるという試練を与えられた。
今回はぶっちぎりの第一位の人間。
声はかけられなかった(会っても無視されるのでその心配はない)が、いきなり視界に入ってきたものだから『ギョッ』とした。
でも今の私は大丈夫。
取り乱すこともなく、『ふふん』という感じで私の視界からその人物を削除した。
向こうは気づいていない。
まだそれだけが救いだった。
私を彼女の視界に入れることさえ嫌だったから。
『神様め』と思いながら、採血のために臨床検査室へと向かった。
検査① 血液検査
採血は食前に済ませたかった。
お昼ご飯を食べず、他の検査の予約時間よりかなり早めに到着していた。
血液検査は基本3ヶ月ごとにしており、診察のたびに血を抜かれている。
年に一度の総点検1日目である昨日は、採血の他にもマンモグラフィー・骨塩定量・胸腹部CT・乳腺エコーの予約が入っていた。
乳がんの手術をしたのが2019年の2月。
乳房全摘術の時、リンパ節への転移を調べるため〝センチネルリンパ節生検〟という検査をする。
センチネルリンパ節とは、リンパ管に入ったがん細胞が最初にたどり着く腋窩リンパ節のことで、このリンパ節にがんが転移していないかどうかを手術中に調べる〝術中迅速診断〟というものをするのだ。
私の場合、運良くリンパ節には転移が見られなかったのだが、リンパ節を触っていることから、リンパ浮腫の心配がゼロではないとのこと。
念のため、手術した側の腕での血圧測定や採血は避けた方がよいと言われている。
健側である左腕の血管から、スピッツ4本分の血を抜かれたあと、1時間ほど時間の余裕があるのを確認し、ひとりランチをしに病院の外へ出る。
ひとりランチへ
病院の近くに、お気に入りの小さなカフェがある。
働いていた時は入ったこともなかったのだが、病院を辞めてから通院の帰りに寄ってみると、なかなか雰囲気もよく、コーヒーも美味しいしランチメニューもいくつかありとても美味しく、晴れて私のお気に入りのお店となった。
こんなご時世だし、混んでいたらやめようと思っていたが、奥におひとりいらっしゃっただけだったので、久しぶりに入ってみることにした。
扉に一番近い席に座り、パスタランチを注文。
乳がんの再発・転移を調べる、年に一度の全身検査。
毎年毎年、こればかりは未だに慣れず、緊張しない時はない。
私の中にいた〝がん細胞〟は、とても顔つきの悪いもので、再発・転移の可能性が高いと判断されている。
〝がんの顔つき〟とは、病理学的悪性度(グレード)のこと。
病理医ががんの原発病巣の組織切片を顕微鏡で観察して、悪性度を判断するのだ(グレード分類という)。
私はそのグレードが悪く、早期発見のステージ1であったにも関わらず、「手術をしたから完治、問題なし!」とはいかず、この先ずっと再発や転移に怯えながら生きていかないといけないと理解した時はさすがにつらかった。
もしかすると、乳がんと告知された時よりも、この病理検査の結果を知らされた時の方が何倍もショックだったかも知れない。
そんな私にとって、この日のこのランチタイムはとても貴重なもののように思えた。
そう、心を整えるという意味で…。
そんなことをひとり考えていたら、店員さんが最初のサラダを持ってきてくれた。
色鮮やかな赤かぶが、なんとチョウチョさんの形に♪
なんてことのない事だが、出てきた瞬間ほっこり。
口角が上がり、心が和む。
そして次にメインのパスタが運ばれてきた。
本日のパスタは、少し珍しい『里芋とブロッコリーのパスタ』。
ホクホクの里芋が意外とパスタにあって美味しい。
金時豆もいい感じ。
今度おうちでもしてみようかな♪
ふわふわのパンとたっぷりのコーヒーがついていて、お腹いっぱい大満足。
マスクを上げ下げしながらの食事も随分と慣れたものだなと思う。
食べ終わったところでちょうど1時間。
いざ出陣!
まずは放射線科でマンモグラフィーと骨塩定量だ。
検査② マンモグラフィー
〝マンモグラフィー〟は健側の乳房を調べる。
私は右側の乳房を全て切除しており、新しいオッパイの中身は広背筋。
かなり大きめの筋肉を折り畳んで詰めた感じ?
と聞いている(見た訳ではないので…)!
詳しく説明すると、背中の筋肉と皮膚を切除し、胸に移植する再建術(=広背筋皮弁法)を受けたのだ。
なのでそちらのニセモノオッパイのほうはマンモはできない。
ニセモノオッパイは皮膚の感覚がほとんどないので、もしこの検査ができるなら、あのえげつない痛みも楽勝なのになぁ〜などと思うのは私だけだろうか。
そして毎回左のホンモノオッパイが容赦なくグイグイとペタンコに挟まれるたび、『うぅぅ〜っ』と声を押し殺しながら痛みに耐え、毎回この検査だけは嫌だなぁと思うのだ。
検査③ 骨塩定量検査
〝骨塩定量〟は骨密度を測る検査。
腰椎と大腿骨近位部(足のつけ根)の骨密度を計測する。
元々私は骨密度が低い。
ちょっとややこしい話をすると、女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、このうちエストロゲンには骨の形成を促したり骨の吸収(古い骨を壊す)を抑える働きがあるとされている。
ところが、40代以降になるとそれまで骨を守っていたエストロゲンの分泌が減少するために、骨密度が低下し、骨の質も劣化するのだ。
私は〝ホルモン療法〟を続けており、女性ホルモンを抑制する薬剤を服用している。
そう、促進ではなく抑制しているのだ。
ただでさえ女性ホルモンが低下しているのに、さらに抑制しているのだからさぁ大変。
そもそもなぜ〝ホルモン療法〟をしなければならないのか。
それは私のようながん細胞(エストロゲン感受性乳がん)は、女性ホルモンのエストロゲンを栄養にして大きくなるからなのだ。
抗ホルモン剤には〝アロマターゼ阻害薬〟と〝抗エストロゲン薬〟の2種類あり、〝アロマターゼ阻害薬〟はアロマターゼから作られるエストロゲンの産生を抑えることによってホルモン依存性の腫瘍を抑える効果が期待され、〝抗エストロゲン薬〟はエストロゲンがエストロゲン受容体へ結合することを妨げることで、乳がんの増殖を抑える薬とされている。
なんのこっちゃ、って感じですよね。
全くもって専門的分野。
はっきりしていることは、これまで骨を守ってくれていたエストロゲン様がただでさえ減少するお年頃なのに、乳がんという悪党が登場したことにより、さらにエストロゲン様を追放しないとやばいことになるよというわけである。
なので骨密度が低下するのは当たり前のことで、骨粗鬆症と診断されればそのお薬も追加となり、ホルモン剤もまた見直すことになる。
検査方法は、台の上に仰向けに寝てその上を機械が行ったり来たり。
寝ているだけで痛くも痒くもない。
しかし音がまぁまぁ大きく、ズン・ズン・ズンと機械が足の方からこちらに向かってくるので、怖がりの人はちょっと嫌な検査かも知れない。
途中シーンと静かになり、しばらくすると急に音を出しながら動き出すので、毎回その時ビクッとなる。
『来るよ来るよ〜』と覚悟していても毎年ビクッとなってしまう私である。
検査④ 単純胸腹部CT
それから次は同じく放射線科で胸腹部CTを撮る。
本来なら造影剤を使用しないといけないのだが、私は既往歴に〝気管支喘息〟があるため造影剤は禁忌となっている。
なので単純CT。
これでどこまで正確に画像が見えるのか、不安がないと言えば嘘になる。
しかし造影剤を使って〝呼吸困難〟や〝アナフィラキシーショック〟を起こしたら命取り。
私がいくら頼んだとしても医師がOKを出さない。
この検査はドラマなどでお馴染みのあの筒状のもの。
仰向けで横になり腕を上げた状態で、その筒の中を行ったり来たり。
アナウンスにあわせて、息を吸ったり止めたりを繰り返す。
かなり顔の間近に機械が来るため、重度の閉所恐怖症の方は断念される方もおられる。
ちょっと宇宙に行ったような気分になるのは私だけだろうか。
検査⑤ 乳腺エコー
最後は生理検査室で乳腺エコー。
これは超音波検査というもので、ただ胸をおっ広げて横になり、技師さんにゼリーをつけられて超音波プローブ(探触子)というものを当てられるだけ。
痛みは全くなし。
ただ技師さんによって力加減が強い時はたまに痛いと感じることもある。
ニセモノオッパイもホンモノオッパイも脇の下も念入りに見てくださる。
この検査を受けている時はかなりドキドキ。
何か写ってないか…技師さんの動きがとても気になる。
同じところを何度も見ていたりすると、勝手に『何か怪しいものが写ってるの?!』などと勘繰ってしまう。
ちょっと嫌な検査だ。
お会計し終了
そんなこんなで検査は全て終了。
お会計は諭吉様が1枚軽く飛んでいく感じ。
『命には変えられない』
お会計をするたび心の中でつぶやいている。
自宅には戻らず、息子宅に帰る。
第二弾は、腹部エコーと骨シンチ。
明日また病院へ行かなければならない。
明日は完全なる絶食での検査。
それに骨シンチの注射がイヤ。
〝骨シンチ〟とは?
詳しくはまた次回の記事にて…♪
最後までお読みいただき有難うございました♪
ではまた。 Tomoka (❛ ∇ ❛✿)