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二十日大根と花の蜜

先日スーパーで二十日大根を見つけた。

二十日大根といえば、小学一年生のときに生活の授業で栽培したのを思い出す。


「二十日大根は二十日で食べられるようになるんだよ」

と先生に言われて

みんなで「まだ◯日だよ!」「もうすぐ二十日だよ!」などと言いながらベランダのプランターを覗いていた。



そんなことを思い出しつつも、その後収穫して食べた記憶はない。

多分食べたのだろうけど忘れた。



同じく一年生の頃、「たんぽぽの葉っぱはお浸しにして食べられるんだよ」と先生に言われた。

みんなでたんぽぽを探して、葉っぱを摘んで学校へ帰った。

それは食べた記憶がある。


「たんぽぽ食べちゃった!」とすごく嬉しくて、お母さんに報告した。



なぜかそれから、野花は食べられると思ったわたし。

学校帰りは友だちとツツジの花の蜜を吸ったり、ひまわりの種を剥いて食べたりした。もちろん虫には気をつけて。


田舎の子どもだった。

田んぼの畦道をショートカットして登校した。


熊はよく出たし、野良犬が頻繁に校舎に乱入した。



買い食いといえば、商店街のお肉屋さんかセブンだけ。

中学生になると、ひまわりの種を一緒に齧った親友とはパピコを半分こするようになった。


たまに葉っぱを笹舟にして側溝に流したけれど、彼氏の前ではしなかった。




そんなわたしの育った小中学校は、小中一貫校として統合するらしい。

当時は新しい校舎だったけれど、もう子どもも減って校舎も古くなったようだ。

校名が変わるのもさみしい。



スーパーの二十日大根は買った。

どうやって食べようかと調べてみたら、二十日大根とはラディッシュのことだった。

懐かしいと思ったら割とよく食べてた。

同一人物だったらしい。



二十日大根はずっと変わらず二十日大根でいてほしい。

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