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ロケット、トラック、地獄と炎

二人はじっくり準備したセロハンに寝転んでいる。窓から町が見える。赤い空でケムトレイルが現れている。いつからかな。そういえば、何時だろうかな。
プラスチックとの接触で背中に沿って汗が滴る。もう嫌だなあ。立ち始めるとき、あなたの声が響く。「もう起きるかい?」
「うん、眠れない。」
「もうちょっとここにいて。」あなたの声ほぼ訴えに聞こえる。あなたの顔はまだ眠そうなので、何とかかわいいと思う。
笑顔しかできない。

町の底はどこだろうかな。前回出かけたときは、いつか覚えられない。このパンデミックは終わらなさそう。2020年は昨日のように感じるけど、時間が少し灰になったかのよう。永遠が経った。または、一瞬が経った。瞼の裏に記憶が浮かぶべきが、虚しかない。何もない。外は大騒ぎ、部屋の中は静か。外は混乱。部屋の中はただ二人だけがいる。私達の息。沈黙に沈めて私達の脈拍。外は地獄。二人がいる場所は天国じゃないけど。もう外に行きたくない。生活は無意味になったね。

なじみのない音が聞こえる。あなたが目をこすりながら「何それ?」と聞く。私も知らない。なぜ今朝だけ?うーん、なんだっけ、その音。確かめるように立ち上がって、窓のガラスは大きい音で震える。ガラスに触って手も震え出す。一体何・・・
「おい、やめろ!」と叫ぶ声が聞こえる。あなたの。すぐにあなたのところに振り向ける。その地獄みたいな音を聞けないようにあなたは必死に耳を隠ぺいしている。あなたが動けば動くほど、セロハンのシャカシャカも絶望につながるみたい。
こんなにかわいそうなあなたを見るのは胸が刺されたように痛くなる。
「やめろ。やめろ。お願い。」と繰り返して呟く。
壁も震え出しそう。
もう一度窓に向かって外を見る。
トラック?トラックなの?どうしてトラックはこの中庭に入ってくるんだろう?そして、いくつだろう?
君のところに戻る。吐息をしているあなたを抱きしめる。あなたの身体は柔らかくなった。永遠にこのままでいたい。

「離れないで。」
「どこにも行かないよ。ずっとここにいる。」
「そばにいてくれ。」
「ずっとここにいる。」
この言葉を発声したら、窓から打ち上げるロケットが見える。いつからロケットはその周りにあるかな。そのロケットはどこに向かうのかな。どうしてその打ち上げの音が聞こえなかったのかしら?
あなたは、まるで自分を現実に戻したかったかのように胸に密着で、キスをするために近づく。キスしようね、世界が終わるまで。この世界を忘れさせて。お願いかな?いや。むしろ、私達の運命かもしれない。私達はいつなくなるだろう。最後まで、一緒に生きよう。
世界から隠れよう。

外は人間たちは叫んでいる、吠えている、悲鳴を上げる。外が怖い。もうどこにも行きたくない。ずっと、ずっとここに。そとは悲鳴、涙、不明瞭な雑音、血、罪、絶望だらけ。外にあることをもう知りたくない。もう我慢できない、頭が爆発しそう。私達に何かが起こったら、誰がこの不在に気付くだろうか?その間、すべてが燃えている。

「ねえ、簡単に逃げる方法を見つけよう。」
本当は、そんなものはありはしない。もう逃げられない。また、もうここに戻れない。どこへ行っているところなの?

急に、家が倒れそうになる。私達の時間になったんだろう?あなたを抱きしめているとき、恐れは毒薬のように静脈に這っている。気づかずに、窓からもう町が見えなくなった。紅の空だけ。

どこへ行っているところなのって?
遠い場所へ。

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