祝・卒業
母が実家を卒業してから、ひと月以上が過ぎた。
思いもよらない展開にはなったけれど。
その後、しばらくはいろいろな事情で実家通いが続いたけれど、ひと月が過ぎて、ついに私も実家へ行くことがなくなった。
今後、積み上がったモノの整理や片付けには行かなくてはならないだろうし、時にはきょうだいで集うこともあるかもしれない。
けれど、機能不全が起こりつつあった家族の見守りと、寄り添いのために始まった「実家お泊り」のお勤めは、およそ4年で終わった。
私もいつのまにか「卒業」していた。
おめでとう。
卒業はうれしいけど寂しくて切ないもの。
終わりが見えずにいた時は、言葉にし難い重たさがあったけれど、終わったら終わったで寂しい。終わったから言えるのだけれども。
母やきょうだいに悪態をついて飛び出したこともあった。疲れて行きたくないことも、泊まりたくないこともあった。
それでも通い続けて、泊まらないとわからないことにも気づいた。
ご飯を食べて帰るだけでは、絶対に気づくことができないこと。
小さな変化や、暮らしの中のちょっとしたこと。夜を明かす不安や孤独も。
「寝て起きる」という日常に寄り添えてよかったと今は思う。これからの私のためにも。
卒業の時が来るまで投げ出さずに通い続けることができたのは、自分よりも弱い人たちがそこにいるから、と思っていた。
けれど…振り返ってみると、全然弱くなくて、本当はすごく強かったのかも、とも思う。
私のどこかを支配していた、という意味で。
そう考えると、卒業しても、まだそれは続いているのかもしれなくて、それはトホホではあるのだけれど…
ま、この呪縛を解くのは簡単ではないだろう(笑)
今はそれもいいかな、と思えている。
実家に住むヤモリ。
たまに会えるとうれしかった♪
長い間、ずっと家を守ってくれてありがとう。
また行くよ。