『やんなっちゃう』～女の恋愛事情を凝縮

『やんなっちゃう』は、歌手・声優の、
椎名へきるさんの3rdアルバム『No Make Girl』に収録されている。

舞台は、高校だろうか、友達と同じ男子を
好きになった、曲の主人公の心情が綴られている。

これが、生々しい。

出だしはこうだ。

女の子って嘘つくのよ おしゃべりなの
全然ダメとか甘えて いい点取る

椎名へきる/やんなっちゃう

これだけで、女性は頷けると思う。

気になる彼が、前髪を切りすぎたことを
指摘してくれた、しかし振り向くと、
ライバルの美人がこちらを見ている。

そして翌日、ライバルの美人は、
彼と、主人公の知らないバンドの話で
盛り上がっていた。

仲間に入れない、美人は友達だけど、
親友ではない。

やんなっちゃうよね あの子カンペキやだわ
しょうがないけど 邪魔しないで欲しいの
子供と違って 手を繋ぐ相手は
ひとりだけだわ そうよ 私だけ
残酷でも

椎名へきる/やんなっちゃう

ここに、女性の恋愛事情が、凝縮されている。

親友の好きな人なら、取らない。

しかし、ただの友達なら、手加減しない。

邪魔しないで欲しい。
『彼氏』になってもらうために。

誰もが1度は通る、恋愛の道。

相手は美人、自分が勝つ勝率は？
方法は？

分からない、だけど、彼が好き。

だから、せめて邪魔しないで欲しい。

そんな気持ちになったことはないだろうか。

好きな人の、好きな物をリサーチして、
共通の話題を持とうとしたり、
小さな変化も見逃さないようにしたり。

この曲は、結局、どうなったのか、
結末は書いていない。

しかし、この歌詞を、男性が書いたところにセンスを感じるし、
曲調も、この頃にしてはロック寄りで、
今の中高生にピッタリだと思う。

デジタル配信もされているので、
ぜひ聞いて頂きたい。

歳を重ねた方も、当時を思い出して、
思わず頷いてしまうはずだ。