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緊急保護者会
この記事に続く、娘と私の物語を残しておきます。
いじめられている事が明らかになったのは、中学生になって1か月と1週間経った頃でした。
その内容は、冒頭の記事を読んでいただけると分かります。警察に持っていくかどうするか、まだ迷っている私がどうしたか、を今回の記事にまとめます。
緊急保護者会
私がいじめの実態を聞かされた、数時間後に学校から連絡網がきました。
当時(2013年)はまだ、電話で連絡し合う時代でした。
次の人に伝える時に声が震えた事を今も覚えています。
学年の全員の保護者に、義務として招集がかかりました。
緊急保護者会は娘も私も了承して、実名を発表して担任の撮影した被害の実態もスクリーンに映してのいじめの報告になりました。
家を出る前に、娘と息子に「絶対、誰がやったか突き止めてきてほしい」と言われて向かいました。
いじめの報告が一通り終わった後、校長先生が発言されました。
私は、娘の安全を守りたかっただけだったけれど、校長先生の態度には悲しくなり、怒りが込み上げてきました。
「どこの学校にもあることです。」
というような事を、つらつらとお話されました。
スクリーンに映された椅子の背に書いてある「死ね」「殺す」の文字。
返ってきた給食ナフキンは切り刻まれ、その中央に「殺す」の文字。
どこの学校にもあることなんでしょうか?
は?なんのはなしですか?です。
司会の教頭先生が「どなたかご意見はありませんか?」と仰いました。
そして、このいじめ問題の加害者が誰なのか特定出来ていないため、事実関係をハッキリさせたいという事を加えられました。
私には、娘が小学生になった頃からママ友と言える仲間がグループで6人いました。
その仲間内でいつも言っていたことがあります。
「誰かの子がいじめられたら全力で立ち向かおう」
ママ友と一生の友情を育んでいらっしゃる方も、たくさんいらっしゃると思いますが、私は違いました。
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
無数の無言が、とても嫌な気持ちになりました。
「誰かの子がいじめられたら全力で立ち向かおう」と誓いを立てていたはずのママ友達は、この日は最初から離れた場所に座って居ました。
彼女達を見たけれど、目を合わせることもしてくれませんでした。
私なら、きっと発言したと思いました。
被害者の保護者である私が、挙手しました。
教頭先生は少し驚いた表情をされましたが、どうぞ、と促してくださいました。
「被害者の生徒の親の、葉都 ラブ子です。よろしくお願いします。」
校区内でお店をやっていましたので顔はよく知られている方ですが、私の事を知らない保護者さんもいらっしゃると思い自己紹介しました。
そして、このような事を発言しました。
・校長先生があまりにも他人事で驚いています。
・教育委員会に訴えて終わらせるつもりですか?
・警察に被害届けを出しても良いと仰いましたが、生徒が疑われることにはどうお考えでしょうか?
校長先生は女性で、定年前の最後の1年間を務めていらっしゃる方でした。
充分な経験を積んだ大人の発言とは思えなかったので、失礼を承知で意見させていただきました。
驚いたことに、私の発言への返答は教頭先生がされて、ざわつきました。
ざわつきはするけど、発言しない保護者達。
集まる前に、各保護者に伝えられた事項の中に「いじめへの関与の確認をして来てください。情報の交換をお願いします。」との事もあったので、皆さん意見がないということはないはずなのに。。。
ママ友の誓いなんて、そんなものだったんだな。と諦めて、私は保護者に向けて発言しました。
「私は、娘がこんな殺人予告を毎日されるなか、学校に行かせる気持ちに今後なれません。今月の課外学習もこのままじゃ行かせられません。
殺される危険があるという意味でです。
皆さんのお子さんが、殺す危険があるということを、もっと、危機感を持って考えてもらえませんか。」
こう言っても、静まり返る武道場。
私もだんだん声が荒くなって、ほぼ怒鳴るように泣き喋りになっていたと思います。
まだ、静まり返っている保護者を見ていたら、こんな言葉が自然と出てきました。
「いじめられたうちの娘は、今後しっかり立ち直ります。私が事実をしっかり把握しているからです。
皆さんのお子さんの誰か、このいじめは複数人の、誰かや誰か、我が子かもしれないと思った時、皆さん自分のお子さんを守れますか?
いじめた側の方が、絶対に傷が残るから、絶対に後悔が残るから、ちゃんと聞いて、向き合って、本当に無関係なのか確かめてください。
警察に届けるかどうかは、今後いじめたのが誰か解るか解らないかで決めさせていただきます。」
学校と教育委員会、私達で話し合った結果、娘と私が納得いくまで、加害者が誰なのかを追及することになりました。
この時点では娘は「誰にされたか解らない」と言っていました。
保護者からの情報はGW明けも一つもありません。
そうなると被害届けを出すしかないと教育委員会に促され、行くしかなくなりました。
祈る気持ちでした。
小学生からの付き合いの子ども達です。生徒数が多く他校との統合のない地域だったので、公立だけどエスカレーター式のような校区だったのです。
小学生の頃から、人によってはもっと前の保育園や幼稚園からの付き合いの子ども達です。
被害届け提出後も、どうか、いじめた子たちが名乗ってくれて、解決することを祈りました。
私は本能的に、いじめた子たちの方が、うちの娘よりも心の傷が深く抜けないトゲになると解ってしまっていたのです。
この私の予感は的中してしまいました。
誰がいじめていたのかは、だんだん明るみになりました。
そのグループはあまりにも人数が多かったので、末端の人がどうなったのかは知ることはないと思いますが、リーダー格の子達の事は耳にしました。
拒食症になったり、働けなかったり、精神疾患で苦しい人生を歩んでいます。
みんな家庭環境も良い子たちでした。
シングルマザーは誰も居ませんでした。
裕福な家庭に育ったお子さん達でした。
リーダー格の子の2人は私のママ友でした。
親しい時期があった事が余計に心を痛めます。
ママ友2人に街中でバッタリ会ってしまった事がありますが、私に気付いて話しかけようとしているのを察知して避けました。笑顔では会えません。
顔を見て酷く苦労していることが、わかりました。
私に謝りたいと言っているとも人伝に聞きました。
謝ってほしくありません。
どうしても許せないです。
でも、どうかみんな幸せでありますように、と願います。娘がいじめられたからといって、誰のことも恨みたくはないのです。
でも、許せないのです。
昨日の記事にコメントくださった皆さま、コメントまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます。昨日と今日のこの部分が特に書きにくいものがあり、なかなか着手出来なかったnoteです。
今、もしもいじめで悩んでいる人が読んでくださった時に、何か一欠片でも救いになったら良いなぁと、どうやって大人になっていったかを書き記しておきたいと思います。
そして、世の中からいじめが少しでも無くなる事を願っています。いじめられている人を見たり知ったりしたら寄り添ってあげてほしい。話を聞いてあげてほしい。そう思う人が一人でも増えたら、きっといじめは減っていく。そう信じています。