ビジョンの掲げ方
カメラを始めてからずっと人を撮る仕事をしてきたので、人を見たり人について考えたりすることが好きなわけですが、今回は人の心をつかむビジョンってなんだろう、そもそもビジョンとは何なのかについてお話しようかなと思います。
noteで言葉を並べるのは初めてなので、本題に入る前にお前は誰なんだとならないために軽く自己紹介を。
ラブグラフというカップルや家族のデートにプロのカメラマンが同行して写真を撮ってあげるサービスを運営する会社の代表をしています。
今でこそ代表取締役なんていう堅苦しい肩書きがついてますが、元々は学生カメラマンをずっとしていて写真のスキルもついてきた頃に「人を幸せするようなことがしたいなあ」と思ったことがきっかけで友人カップルの写真を撮影しました。それをSNSやHPに自分の作品としてアップしたところ、公開初日にメディアに取り上げていただいたり、いろんな企業様からコラボのお仕事が舞い込んできたことがきっかけで全国のカップルから依頼が入るようになり、いよいよ一人では対応できなくなったので北海道から沖縄までカメラマンを揃え、2015年に会社を設立しました。
会社ができて二年が経とうとしている今でも、現場で働く人やお客様の気持ちを忘れないために自分でも写真は撮り続けています。
「Love」をコンセプトにこんな感じのカップルや家族の写真を撮っています。
他に撮影した写真はこちらから見れるので時間がある時にでもご覧いただけると嬉しいです。
ビジョンとは何か?
自己紹介はこのあたりで、ここからが本題。ビジョンとは何か。この話をするときはいつも「手段と目的」の話をするようにしています。
ビジョンとコンセプトは「手段と目的」のような関係だと考えています。
コンセプト(手段)を通してビジョン(目的)を達成するのです。
ラブグラフ社には
「幸せな瞬間を、もっと世界に。」というビジョンと
「世界中の愛をカタチに。」というコンセプトがあります。
創業期に、人生の豊かさとはなんだろう?と考えた時に
大きい幸せな出来事が増えるよりも
目の前にある小さな幸せに気づくことができるかどうかが重要なんじゃないかと思いました。
美味しいご飯を食べた時、ふかふかのベッドで寝た時。
幸せを感じる瞬間はなんでも良いのですが、
そんな中でカップルや家族って、長く過ごせば過ごすほど
一緒にいることが当たり前になりがちな存在なのかなと。
そういった本当は幸せなはずなのに幸せと捉えられていない瞬間を
ラブグラフが写真のようなカタチに残すことで
改めて「この人と一緒にいて良かったな」と幸せに感じる瞬間を増やすことができたなら、もしかしたらその人の人生を豊かにできたのかもしれない。
そして、
幸せな瞬間が増えることで人生が豊かになるということも
人が人を愛するという気持ちも世界共通のことなんじゃないかと。
つまりラブグラフ社は「世界中の愛をカタチに。」という手段を通して
「幸せな瞬間を、もっと世界に。」という目的を達成しようね。という会社です。
ビジョンの持つ力とは?
ここまででビジョンとは目的のようなものであるということを書きました。
ではビジョンの持つ力とは具体的にどんなことがあるのか。
僕は大きくこの2つかなと思っています。
・今まで見ていなかった景色を見せる
昔からCMを見ることが好きで、その中でも特に僕が好きなCMを作る東畑幸多さん(@Thahaha)という電通クリエイティブディレクターの方がいます。その東畑さんが名古屋大学で行われたTEDという講演会の中のスピーチで、広告業界で有名な石切場理論からビジョンについて触れていました。
目の前に石を切るという仕事があった時に黙ってただ石を切り続けるだけでは奴隷の労働のように苦しい仕事になってしまう。
しかし例えば「君の切っているその石は教会になるんだよ」と教えてあげると同じ石を切るという仕事でも意味が変わってくる。
例えばさらに「君の切っている石は教会になって、その教会に救いを求め祈りに来る人達がたくさんいるんだよ」と伝えてあげると、同じ石を切るという仕事でも違う意味を持ってくる。
それがいわゆるビジョンであり、ビジョンには今まで見ていなかったゴールを見せる力がある。
この言葉を聞いたのが二年程前になるのですが、それから二年会社を経営してきても、この言葉は本質を説いていると今も思っています。
※他にも素敵な話をたくさんされているのでぜひご覧ください
(この動画を見てあまりに感動したので、学生時代いきなり本人にTwitterでDMを送って会いに行きました)
・心にブレない軸を持たせる
自分がカメラマンから会社の経営者になったと話すと「元々写真が撮りたかったのに、会社の経営っていう全然違うことしてしんどくなったりしない?」と多くの人に聞かれます。
その答えはNoです。今も変わらず楽しいです。
なぜそう言い切れるかというと、ここでもやはりビジョンが明確だったからです。
元々僕は写真が撮りたいからカップルを撮ったわけではなく、人を幸せにしたいという想いからカップルの写真を撮り始めました。
最初は人を幸せにするという目的のために自分自身が写真を撮ることが目的を達成する手段として有効だったわけです。
しかし今は自分が一人で動くよりも、「ラブグラフという組織をより大きくすることが、より多くの人の幸せを生み出す」ので僕は会社を経営しています。つまり手段が変わっただけで目的は変っていないので今もずっと楽しいと言い続けることができるわけです。
共同創業者の村田は僕に「こまげは3年前からずっと同じことを言ってる。誰と話す時も同じ話。正直私はもう聞き飽きたけど、こまげは同じことを言い続ける必要があると思う。」とよく言ってきます。
これだけ世の中が早いスピードで変っていく中で同じ信念を語り続けることはそれだけで価値があるんじゃないかなと、手前味噌ながら思います。
手段と目的を明確にするためにはビジョンが必要
手段と目的という考え方は常に意識しなければならないと思っています。
たとえ人を幸せにするという目的で何かを始めたとしても日々行うことは「手段」の部分になるわけです。
ラブグラフで例えると日々行う手段は「カップルの写真を撮る」ということになります。日々カップルの写真を撮り続けていつの間にかカップルの写真を撮ることが目的化してしまうと「何組のカップルを撮影した」「SNSでたくさん自分の写真が拡散された」というようなところをモチベーションに写真を撮るようになってしまいます。
そうならないためにもカメラマンやその他の働く人に「ラブグラフはカップルの写真を撮る会社ではない。世界中の人の幸せな瞬間を増やす会社だ」という話を定期的にしています。
ビジョンはとりあえず決めて飾るものではなく、
ビジョンを掲げて全ての行動がそのビジョンに繋がっているという共通認識を全員で持つための手段であると僕は思います。
少しでも多くの会社がビジョンドリブンカンパニーになることを願って。
幸せな瞬間を、もっと世界に。
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