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THE CHATSUBO PEOPLE

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Chatsuboに出入りする、都市遊泳者たちのつぶやき。街のあちこちで、彼らの眼が風景を鮮やかに切り取る。敷衍された《俳句》としての、140文字のつぶやき、ともう少し長いスケッチ。
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#Vaporwave

美術館は、京都になくても京都のようにして人に魔法をかけてくる。カフェで2000円、ミュージアムショップで5000円使ってもいいと思わせる。概ね女子向けな世界だと思っていたが、今日は一人で2万円分くらい図録や関連グッズを買っている男の人を見かけた。彼の場合は要るから買う的な潔さ。

千葉雅也の『エレクトリック』がカッコいい。

千葉雅也の『エレクトリック』がよかった。 以下は、わたくしアルジズによる、極私的誤読的レヴュー。ネタバレの心配はありません。 作品は、主人公の高校生「達也」の視点によって、宇都宮の街をタルっと切り取っていくわけですが、なぜだか、ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』っぽい神学的語りとして読めてしまう。どこもかしこも、猥雑で笑える場面のはずだけど、なぜか神々しい。 例えば、次のようなところに、わたしは神学っぽいキラキラした感じを受け取ります。 聖書に出てくるような感じの、シ

京都は質量を憧憬している。あるいは〈新蒸気波〉という潮流。

Vehicle社の壺井です。 京都は質量を憧憬しているという、落合陽一氏のnoteがおもしろいので紹介します。 京都は質量への憧憬に満ち溢れている。 確かにそうだ。 京都は形を持たないものの総本山的な場所だ。真言とか、曼荼羅とか、風とか、祈りとか。侘び寂びとか。 そんな非質量的空間である京都にあって、質量への憧憬を一手に引き受けるイコンは、あのギトっと罪深いラーメン、および禍々しく異彩を放つ店の看板! ご存じの通り、京都には質量のない豊饒さがたっぷりある一方で、人々は