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THE CHATSUBO PEOPLE

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Chatsuboに出入りする、都市遊泳者たちのつぶやき。街のあちこちで、彼らの眼が風景を鮮やかに切り取る。敷衍された《俳句》としての、140文字のつぶやき、ともう少し長いスケッチ。
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#草野原々

〈weak yuri〉は私だ。

文芸エージェントのアルジズです。日々、作家さんたちが書いたいろいろな小説を摂取/ 接種しています。 早川書房のnoteにおもしろい対談がありました。 小説家・草野原々が宮澤伊織との対談で、〈weak yuri/ 弱い百合〉という概念について説明しています。 〈weak yuri/ 弱い百合〉という考え方はおもしろい。これを知ってからやっと、草野原々の小説が深くわかるようになった。 ・・・まず、キャラクターの感情が物質化していると想像してみてください。で、キャラがその感情の

アルジズの夏の推薦図書/ Algiz's summer reading

アルジズです。草野原々の『最後にして最初のアイドル』を読みました。 あちこちに振り回される移動の感覚が、非常にスピーディかつ新鮮で、面白かった! 全体の印象は、ピンチョン味に溢れている。 ほかに似ていると感じたのは、「彼だけが、本物の中二病である」と宇野常寛に言わしめた、〈現代の魔法使い〉たる、落合陽一の熱気に浮かされたような語り口。 それから、法華経や、華厳経を連想させる修辞に満ちていて鮮やかだ。 経文の世界では、時空のスケールの想像の及ばなさを強調するときに、とにか