るろ剣を観て

アニバーサリーイベント荒れてんな…と思って思考整理のために書いています。だいぶ衝動的に書いてるので支離滅裂だったりしてもご容赦ください。あと全然見やすくないです。


私は剣薫のオタクで抜巴も好きなんだけど(The Beginningも楽しみ)、今回の映画はやっぱりモヤモヤする部分がある。

まずThe Finalの良かった点を挙げるなら、
・縁
・アクション
この2つは外せないと思う。新田真剣佑さんは本当に素晴らしかったし、アクションも長いけど見応えのある、邦画の中では一番と言えるかもしれないくらい素晴らしかった。

では何がモヤモヤするのか。
そもそも私は漫画の実写化というものに対してあまり良いイメージがないのだが、るろ剣は全て観てるくらいには良く出来た作品だと思っている。もともと原作が好きで特に剣心と薫の関係性が大好きだったのだが、剣薫は公式なだけあって、緋村剣心という人間がどう過去と向き合い生きるのかっていう物語の主題に大きく関わってくる2つ目の主題のようなものだと思っている。そして、剣薫が成立するためには巴さんの存在が不可欠なわけで… 追憶編(抜巴)は本当に傑作だと思うし、巴さんの存在が剣心に大きく影響して、さらには未来の剣薫に繋がっていくためのキーとなっていると考えているので、The Beginningで追憶編をしっかりやってくれるのは本当に嬉しい。そもそも原作と実写は作っている人が違う以上、どこかしら違うものになるのは当たり前だと思っているので、実写にあたってキスシーンがあろうとそれ以上のシーンがあろうと全く気にならないし、追憶編を一言ラブストーリーで片付けられるかはやや疑問だが、有村架純さんの巴と佐藤健さんの剣心のビジュアルだけでも、すごいものが観られる…!!と思った。
そうして迎えたThe Final。上で述べたように素晴らしいアクションや縁を筆頭にキャストの皆さんの演技は期待を裏切らなかった。

でも!!!!原作における人誅編の中でも山場である薫の死(偽装)からの剣心生き地獄とか、弥彦の出番は省かないでほしかった!!!あそこがないと、最終的に剣心が薫と未来を生きていくことを選ぶのが説得力に欠けると思う。実写映画の方は剣心の心の変化・成長ではなく、縁と向き合うことに重点を置くつもりであることは理解できるが、流石にあそこを省くとこれ人誅編…???となり、ダイジェストを観ていたかのような気分になってしまった。つまり、剣心にとって薫はどんな存在なの???という困惑が消化不良を生んでいたのだと思う。まあそもそも薫はメインヒロインなわけですしあんなに剣薫の出番削ること自体どうかと思わないでもない。
そこにThe Beginningだ。こちらのヒロインは巴であるし、ある程度ラブストーリーとして描かれるのも承知、むしろ歓迎するのだが、そのつらい追憶編を経て薫と出会い剣心は答えを得るという一連の流れが大切なのに、剣心にとっての薫というものをほとんど描写せずに抜薫だけ提示されてもその後の剣心にとっての救いが見えてこない。The Beginningで巴との出会い・別れを描くのであれば、薫との出会い・幸福・答えをも描き切らなければ完結しないように思えて仕方なくなってしまった。The Beginningのエピローグとかで場面が人誅編後になって剣路と薫と剣心がいて… とかないかな。ないよね…

でも10年間これだけの熱意を持って実写してもらえたことは幸せなことだったし、監督やキャスト、スタッフの方々には心から感謝したい。制作する方々と私(たち)の解釈がズレるのは他人である以上当たり前で、今回はそのズレが少し大きかったってこと。私は和月先生の描いた原作が好きで、でも実写版は原作ではない。言い換えるなら原作以外は全て原作ではなく二次創作!みたいな。だから実写版は実写版を作った人たちの一解釈というか、また別のるろ剣なんだと思って楽しみたいと思った。

10年間本当にありがとうございました。


補足
Twitterとかで一部の剣薫好きの方々と抜巴好きの方々がヘイトぶつけ合ったり、中にはキャストの方々への攻撃的な発言をしたりしてるみたいですが、両者納得いかない点がいろいろあるのはわかるけれどそういうの界隈としてもマナー悪いのでやめましょ。自分の好きな解釈(原作が好き!という思いであったとしても)を実写がしてくれない!あの人たちおかしい!酷い!っていうのってどうかと思います。剣薫も抜巴も和月先生の生み出された素敵な作品要素ってことで尊重し合ってほしいし、実写は実写として本当に熱意を持って作ってくださったことに最低限の敬意は払ってほしいです…

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