息子とこんな話をした
今朝、リビングで
息子とこんな話をした
現代から過去へトリップしたとき
あなたなら何を持っていきますか?
とあるライトノベルに
スマホをもって過去へトリップする話がある
主人公はスマホを駆使して
その時代で大活躍をするのだが
現代国語の授業で
このテーマが掲げられたのだそうだ
ワタシは少し考え
“"電子レンジ“と答えてみた
すると息子は
家はどうするのか?寝るところは?
暮らしていくには
先ず家がなくちゃと言うのだ
「それもそうね、
あなたは何を思い浮かべたの?」
息子は思い付いた順番に並べて話した
車、TV、パソコン
各々の選択した理由と展開を話すが
必ずといっていいほど
良い理由以上に
粗ばかりを切々と語る
ワタシは小澤俊夫先生の講座で教わった
むかしばなしを例に挙げて
物語には現実味が必要なものもあるが
そうでないときがあることを話してみた
しかし、舞台や背景の説明がつかないと
息子の中では物語が成立しないようなのだ
そこで、ワタシは息子に言った
「説得力のある話って、二通りあると思う」
それまで、少々面倒臭そうに
聞いていた息子が
こっちを向くのがわかった
「何?ふたつって。」
「1つは、設定や状況すべての辻褄があって
キチンと説明のつくこと」
「もうひとつは、理屈など気にならないくらい
突き抜けていて魅力的な発想」
「あのね、実はもうひとつあってね
船の設計図って言いたかったんだよ」
しっかりした船の作り方さえわかれば
みんなで船を造って魚も捕れる
世界を行き来できるし
様々な国と交流ができる
領土問題だって争いになる前に
国旗を立てちゃえば揉めずに済むだろう
現代では、絶滅しそうな動物や草花を
世界を旅して守ることができるかもしれない
それから、
船に住むことだってできるでしょ
って、まだ小さいことに囚われているのは
可笑しかったけど
そう言う貴方の発想の豊かさは
是非、友人にも知ってもらいたいと思った
常識とか決まりごととか
小さなことに囚われ過ぎて
自由な発想を自ら勝手に制限して
答えを出せなくて苦しそう
考えれば考えるほど
幼い頃のワタシにそっくりな息子
反抗期も後半に差し掛かり
一旦は頑なだけど
丁寧に話す時間さえあれば
こうして受け容れてくれることもあるから
また今日のように背負った呪縛から
ひとつひとつ丁寧に放ってあげたい
今朝、リビングで
息子とこんな話をした
窓の外には春の風が
少し強い音を立てて吹いていた