ホンネとタテマエ。

子供の頃、母と二人で近所のごはんやさんに入った。オープンしたてのイタリアンの店だったと思う。食事を済ませたあとに、店主の人が"お味はどうでした?"と聞いてきた。オープンして間もなかったしお客の反応が知りたかったのだろう。母は"美味しかったです"と笑顔で返事をした。そして店を出たあとにすぐに小声で"あんまり美味しくなかったね"とわたしに言ったので、びっくりしたのと、子供ながらにショックだったのを覚えている。

それから時がたち約25年後。 。

母と二人で韓国料理のお店へ行った。

わたしはサムギョプサルが食べたかったのだが、母はチーズダッカルビが食べたい!と言ったのでチーズダッカルビを注文した。わたしは一人でも外食できるけれど、母は一人で外食をする機会は滅多にないから。

出てきたチーズダッカルビは想像以上に甘い!そしてピリっと辛く、やはり甘い...甘すぎる!!!

食べ終わってお会計をしようとしたら、キッチンから料理を作ってくれた女性がわたしたちのところへやってきて、"お味はどうでした?"と聞いてきた。わたしはすかさず"チーズダッカルビ、甘すぎました..."と言った。どうしてあんなに甘いんですか?と聞いたら砂糖が入ってるらしく、料理を注文する際に言ってくれたら砂糖を入れないで甘さを調整できるようだった。

その女性はわたしたちにレジの前に置いてあった籠に入っている飴をくれた。高麗人参の飴、まずそう...食べてみたらほんとにまずがったので、わたしはマズイです..、という顔をしてみたら、女性はからだにいいんですよ、と言った。とても柔和で観音様のようなおばさまだった。

わたしは正直に自分の感想をおばさまに伝えることができてとても満足した。甘すぎる料理にずっと舌がヒリヒリするけど。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?