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アサガオの観察とダンナ父
今や高3になった息子も、小学校1年生の時代があった。
夏休みの宿題として出されているものはイロイロあったが、その中の1つに、『アサガオのお世話と観察』というのがあった。
日本全国の小1がやったであろう、アサガオの世話。まぁ、世話自体は、毎日水やりくらいでそんなに大変じゃないし、観察も、絵日記タイプの用紙を2枚ぐらいがノルマだったので、息子には「葉っぱが大きくなった頃と花が咲いた頃に1枚ずつ描いたら?」と言っておいて、私は、ほったらかしでした。
学校から夏休み前に持って帰って来た時点で、ツボミがチラホラ見えてるぐらい。1日1、2輪ぐらい咲いていくのかなぁという感じ。これは、息子だけではなくお友達もみんなそんなふうでした。だから、普通だと思いました。
ところが、そうは思わない人が。
ダンナ父は、息子がアサガオを持って帰ってきた時から、「勢いがねぇなぁ」「しょぼくれてんなぁ」「これじゃ花が咲いてもいくらもねぇ(←ちょっとしかない)」とブーブー言いまくり。
いや、別にいいんだってば。小学生の学習なんだから!
勢いがなかろうが、しょぼくれてようが、大切なのは、子どもが自分で世話をすることやありのままを観察日記に書くことなんですよ!
って、心の中で叫んだんだけどさ。
強く言えない事情がありまして。
その年、お盆に私の実家に帰省する予定がありまして。つまり、帰省する、4、5日の間、ダンナ父と母にアサガオの世話をお願いしなくてはならなかった。なので、下手に反論して、ヘソを曲げられて「じゃ、やらない!」と言われたら、ヒジョーに困るなと思ったのです。
お盆の時のアサガオの世話を丁重にお願いしたら、ダンナ父は二つ返事でオッケー。そして、嬉しそうにこう言いました。
「ちょっとアサガオに栄養やってもいいかい?」
あぁ。やっぱりそうくるよね。
お盆の時の世話を頼まれる→アサガオの世話をする権利獲得→アサガオを元気にしよう
ってな図式が、ダンナ父の頭には広がっているようでした。もちろん、断ったりはしませんでしたよ。私って、いい嫁(笑)
それから毎日、息子に水やりを急かすダンナ父の姿がありました。水やりだけは、息子の学習を取り上げないように、一生懸命やらせて、あとは、ダンナ父がほとんど世話してました。
その結果。
1週間後には、葉が生き生きとして、ツボミが倍増!
そこから、毎日たくさんの花を咲かせるようになります。
さすがっすね、ダンナ父。
おかげで、息子は花がいっぱい咲いた観察日記をかけました。よかったよかった!
で、終わらないのが、ダンナ父。
夏休みも、あと3日ぐらいになった頃、私にペラッと1枚の紙を渡してきました。そこには、夏休みの初日からの日付と数字がズラーッと書かれていました。
「最初から今日までのアサガオの花の数つけといたから。(息子名)にうまくまとめさせて、自由研究で出しっちゃえ。」
え! えーーーーー?
ビックリして、返す言葉もありませんでした。
「どうせ何もしてないんだんべ」
はいそのとおりです。
ダンナ父、あなたにはかないません。
世話をするからにはと、一生懸命数まで数えてくれるなんて!
その紙を元にして、『アサガオの花のかずひょう』なるものを作って夏休み明けに提出させましたよ。
しかも、その提出物、後に学年の代表として、理科作品展に出されたりしてしまうのですよ。
息子は、無邪気に喜んでましたけど、私の心には、罪悪感が残りました(苦笑)
ダンナ父が亡くなって、3年が過ぎますが、夏休みになるといつも、熱心に咲かせてくれたアサガオとそれを誇らしげに見ているダンナ父を思い出します。