オリジナル短編小説 ー運命ー
作:金崎たぷ
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世の中に、運というものが本当に存在するのであれば、私は『男運』がないと思う。
五〇年間生きてきて、碌な男と知り合ってこなかった。
結婚は一度。もともと押しに弱いのもあって、惰性で結婚し、愛のない生活を営んだ結果不倫されて離婚。
私に残されたのは、家事を怠けて埃の積もった夫名義の分譲マンションと、夫と瓜二つの顔をして屁理屈ばかりこねる高校生の娘だった。
思い返せば私の男運の悪さは幼少期から始まっている。
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4,026字
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