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数学的に「浮気は悪」を否定する

世間的には浮気することは悪いことだと言われている。けど僕はそうは思わない。僕はただただ、浮気しないことでより良いパートナーを探すチャンスを逃しているのがもったいないと思っている。だからこそ僕は、世間の風潮に流されて「浮気は悪」 と盲信している人たちに異議を唱えたい。全人類に対して浮気することを推奨したいわけじゃないけど、浮気した方が自分の人生を幸せにできるんじゃない?っていうサジェスト。(もちろん不倫はダメです。なぜなら法律がダメと言っているから。)

今回は「効率的により良いパートナーを見つけるためには浮気する方が良い」ということを、数字を使いながら話してみようと思う。一言で言えば「浮気しないことは機会損失だよね」だけなんだけど、それを丁寧に描写してみる。それとついでに、浮気をしない範囲でより良いパートナーを見つけるための方法も紹介する。もちろんこっちも数字を使いながら。


機会損失の話

まず、1人の人間が結婚するまでに恋愛市場にいる期間を「20歳から30歳までの10年間」と仮定しよう。そして簡単のために、恋愛するサイクルを「1年半1人の異性と付き合って、別れた後に次の相手と付き合うまでに半年」とする。その場合、 恋愛市場にいる10年間で深い関係を築ける相手は5人となる。たったの5人。いくらなんでもこれは少なすぎる。

なぜなら、異性はこの世に35億もいるんだから。というブルゾンちえみみたいな話はもちろん現実的ではない。そもそも外国にいる人間と知り合うことは困難だし、恋愛対象となる相手の年齢を考慮していないから「35億」という数字を比較対象にするのはかなりズルをしている。

ブルゾンちえみ with B

もう少し現実的な数字を考えてみよう。仮に恋愛対象を「プラスマイナス3歳」の年齢層に絞った場合、同い年を含めて7学年分が対象になる。日本の人口は1学年あたり約100万人でその半分が異性だとすると、1学年あたりの異性の数は約50万人だ。7学年分なら約350万人。350万人が現実的に恋愛対象になる数と言える。

とはいえ、日本全国の人間と知り合うことすらもかなり難しいから、もう一歩進んで、現実的・物理的に知り合うことができそうな人間の数を考えてみる。東京に住んでいる人の場合。東京には日本の人口の約10%が集中しているから、35万人が「手の届く」恋愛対象と言える。実際、マッチングアプリが流行っている今の時代、東京に住んでいる人同士であれば、誰とでも会おうと思えば会えるでしょ?(もちろんこれも相手もアプリをやっていることが前提になるけど。)

35万人。僕らには恋愛対象となる相手が35万人もいる。 僕らは35万通りの可能性をもっている。最初の方に提示した「たったの5人」と1年半ずつ付き合ってしまうことで、これらの可能性を捨ててしまっているのは勿体無いことこの上ない。もちろんこれは「一度に付き合うのは1人まで」浮気をしないことを前提としている。浮気することを良しとしてしまえば、直ちにこの機会損失は回避される。

ついでに。最初の方に「1年半付き合って、別れてから次の半年間で新しい恋人を探す」みたいなことを言ったと思うけど、それに対して「フリーである半年の期間に、35万人の中からベストな人間を探せばいいんじゃないの?」と言う人がいるかもしれないから補足。

この場合、さっきと同じように「20歳から30歳が自分が恋愛市場にいる期間」とすると、自分がフリーな期間(35万人の中から恋人を探せる期間)が、半年×5 = 2年半のみとなる。本来なら10年の期間があったところが2年半に減ってしまう。

いずれにしても「浮気をしてはいけない」というルールがあると、より良い相手を探す際に数多のチャンスを逃すことになってしまう。 法律で定められたわけでもない謎のルールのせいで、世の中の人たちはなんて勿体無いことをしてるんだろうね。いいじゃん浮気くらい。結婚してないんだったらさ。ねぇ?

秘書問題(結婚問題)の話

ここまで読んでも、なお浮気は嫌だって人へ。「理論的にベストな相手を見つける方法」を示した「秘書問題」という数学的な理論を紹介しよう。これは「複数の候補がいる中から『最も良い1人』を選びたいときに、どのタイミングで選択を決めるべきかを考える問題」だ。

これだけじゃ説明のための情報が足りないから、もう少し補足。例えば、秘書を雇うときに100人の候補者がいるとする。採用の際には、1人ずつ面接をしていきその場で「採用するかしないか」を即決しなければならない。そして、過去の候補者に戻ることはできない。この状況で「最適な戦略」がどうなるかを数学的に考えるのが「秘書問題」だ。最適な結婚相手を探す際の理論としても使われるため「結婚問題」と呼んだり「お見合い問題」と呼んだりすることもある。

(ちなみに「即決しないといけない」と「過去の候補者に戻れない」という条件が「秘書問題」のミソだったりする。ここで「100人全員を面接してから最終決定すればいいじゃん」と言うのはナンセンス。結婚相手を探す時に、前に別れた相手とヨリを戻すことはそう簡単にはできないでしょ?)

サムネと同じ画像

この秘書問題の最適解は、最初の37%の候補者を無条件でスルーして、その後に現れる中で「これまでで1番良い」と思った人を選ぶというもの。この37%という数字は数学的な計算から導き出されており、この方法を使うと最も良い候補を選べる確率が最大化される。

ちなみにこの時の確率は約37%。残りの63%の確率で「最初にスルーしてしまった37%にベストだった人がいる」もしくは「『これまでで1番良い人』を選んだとしても、その後の人が実はベストだった」ということが起こってしまう。

数学的に最適な方法を駆使してもなお、ベストな相手を見つけられるのはたったの約37%。100人全員と面接すれば簡単にベストな人を見つけられるのにね。 ちなみに、ここで言う「100人全員と面接する」というのは「100人と同時進行で恋愛する」に相当するわけで、要するに、良い人を見つけるには同時進行でいろんな人と会ってみる方が良いって話。

約37%云々って話の数学的な導出を知りたい人は、こちらのサイトがわかりやすいから見てみてください。テキストベースで理解したい人は「高校数学の美しい物語」を、動画で解説してほしい人はヨビノリさんの動画をどうぞ。

こんなふうに、つらつらと「浮気礼賛!」みたいな話を書いてみたけど、僕は浮気を肯定したいわけではない。というのも、(この世界に「浮気はダメ」という"常識"が蔓延しているせいで)浮気されることで悲しむ人間が一定数いるのは間違いないからだ。僕はできる限り誰かを悲しませることはしたくないから、僕が恋愛をする時には「彼氏/彼女」という関係性にならないようにしている。

僕の理想は「セフレ以上恋人未満」。全人類、結婚まではこのスタンスで恋愛をすれば良いのに、と個人的には思っている。過去記事で「結婚しないのに付き合う意味がわからない」という話を書いているから、興味がある人こちらもぜひ。最後までこの長文(約3000文字)を読んだ人なら好きな内容のはず。

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