何故こんなに心に刺さるの? 〜『リンディーララ』考察〜
Snow Man4枚目のアルバムRAYS。
収録曲の短いティザーが公開された時点で
スノ担の心を鷲掴みにした名曲
『リンディーララ』
繊細なギターの調べ
異国情緒漂うバラード
切ない歌声
アルバムが発売されてまるごと聴けるようになり、
さらに心をがっちりとらえて離さないこの曲。
なんでここまで心に刺さるのか。
ただのラブソングにはない切なさともどかしさ、
それだけじゃない何か。
愛と献身 秘めた恋心
(太字は歌詞です)
I see you
泣かないで My dear
I'll take you
Driving after 10 pm
訳:「僕は君を見る。泣かないで、愛しい人。
君を連れていくよ、夜10時過ぎのドライブに。」
歌い出し、
「I see you」
ここにこの曲の魅力の全てが詰まっているといっても過言ではない…
てくらい、このひと言が秀逸だと思う。
彼が「彼女」を「見た」
そのとき、
大好きで大切な彼女は泣いていた。
泣かないでと心で呟き
夜10時過ぎのドライブに連れ出す。
どうやって彼女を見たのだろう。
待ち合わせ場所に佇む彼女を車の窓から見た時に
「泣いてる」て気づいたのかもしれない。
もしくは部屋まで迎えに行った時に、暗い部屋で一人で泣いてる姿を見たのか。
はたまた彼女が彼の家に泣きながら押しかけたのか。
とにかく、歌い手の彼は彼女が悲しんでいる姿を「見た」。
ただし、
I saw you(君を見た)
ではなく
あくまでもI see you(現在形)なのが切ない。
彼女のことを
歌い手の彼がいつも「見ている」情景が浮かぶ。
もちろんI hold you でもI kiss you でもない。
心の中では抱きしめたい、キスしたい、
自分が幸せにしたいと思っていたとしても
彼は頑なに一線を超えてくることはない。
なぜなら彼女には恋人がいるから。
いつものように彼女の姿を目に収めた時
泣いていることに気づき
吐息の中に音がかすかに混じるような
切ない声でI see you と呟くのだ。
Just for you 遠くまで
No need to care about tomorrow
想い隠して
訳:「君のためだけに遠くまで行くよ。
明日の心配なんてしなくていいよ。
僕の想いは隠しておく。」
何時まででも付き合う覚悟で
彼は彼女のために車を飛ばそうとしてる。
どこまでも大きくて見返りを求めない、
献身的な愛。
Do you know?
Forever 切ないWe are
彼の愚痴ならたまに聞くから
On your side
訳:「知ってる?僕らって永遠に切ないんだよ。
彼の愚痴ならたまに聞くからさ、君の隣で。」
君には恋人がいるのに
こんなふうに泣いているし
僕は君のことが大好きなのに伝えられなくて切ないし、
別の人を思って泣いてる君を見てもっと切ないし、
二人とも、ずっと切ないままだよね。
それを「知ってる?」
と問いかける。
心の中で聞いたのか、口に出してみたのか。
そこには多分自嘲と少しのイジワルな気持ちもある。
「知るはずないよね」
って。
彼女は恋人を思って泣いているんだから、
隣にいる彼の切なさなんて考える余裕はないのに。
そして、恋人についての愚痴を
「いつでも聞くよ」
とは言わない。
「たまに聞くから」としか。
いつもいつも聞かされていたらきっとおかしくなってしまうよね。
こんなふうに冷静なフリもできないから。
でも
Wonder why I feel
こんなに大事なんてさ All of you
訳:「でも、君のすべてがこんなに大事なんだ。
自分でも不思議なくらい。」
あるよね、大好きな人が弱ってるとき
「なんとかしてあげたい、元気付けたい」
っていう自分の想いの強さに自分で驚いて
「いつのまにこんなに好きになってたんだろう…」
て思うこと。
恋人を思って泣いてる姿まで愛おしくて
自分で不思議に思ってしまったんだね。
'Cause I love you
幸せになってほしいリンディーララ
Sorry 嘘をついたこと
Love you...
曖昧な言葉の奥はリンディーララ
君がほしい Keeping in my heart
訳:「愛しているから
幸せになってほしい、リンディーララ。
ごめんね、嘘をついたこと。
愛してるんだ。
曖昧な言葉の奥に、君がほしいって気持ちをずっと隠してる。」
サビで一気に溢れ出る正直な気持ち。
彼女には言えない切なくて熱い想い。
愛してるから
恋人と幸せになってほしい。
「嘘をついてごめん。」
どんな嘘をついたのかな。
曖昧な言葉ってなんだろう。
「きっと彼とうまくいく」とか
「二人で幸せになって」とか
そんな言葉?
彼女のためについた嘘、
ほんとは恋人とうまく行って欲しくない、
僕のことを見てって思ってるのに
嘘の言葉で隠したことを
申し訳なく思ってるのかな。
君がいるTo right 時止まる Tonight
プレイリストはSongs you may like
バレない程度に Love
Navigation は入れない主義
君のやりたい事を全てしよう
I'll make you smile
訳:「君がいる右に曲がる。
時が止まったみたいだよ、今夜は。
プレイリストは君が気に入りそうな曲にしたよ。
バレない程度に僕の気持ちも入ってる。
ナビは入れない。君のやりたいことを全てしよう。
きっと君を笑顔にするから。」
右側に彼女。
左ハンドル?
もしくは、彼女が右側で待ってるからそっちに車を寄せた?
次のtonightと韻を踏むためだけのto rightかもしれないけど。
大好きな彼女を助手席に乗せて
「好き」の気持ちはプレイリストの曲に込めて
時が止まったみたいだなんて、
まるで恋人同士のドライブみたいで少し浮かれてるのかな?
でもやっぱり切ない気持ちは消せない。
君を笑顔にするって決めたのに、
その歌声に晴れやかさはない。
だとしても、ため息ついて「レッツゴー」…(・_・;かぁ…
切ないが溢れすぎてる。
It's alright
You and me counting star
知らない方が良くても I'll leave it to you
Don't be worried
I found it
君に似てる星座眩しく Shine
訳:「『大丈夫だよ』『心配しないでいいよ』
そう言いながら、
僕は君と星を数える。
あ、見つけたよ、君に似てる星座。
眩しく輝いてる。
僕の気持ちなんて知らない方が良くても
気づくか気づかないかはもう、君に任せたよ。」
夜10時過ぎに出発して、どこまでドライブしたんだろう。
住んでるところがどういうところかもわからないけど、
二人して星を数えたり、星座が眩しいと感じたりする程度には
標高が高いか空気が綺麗な場所まで遠出したんだね。
星を数え、星座を探しながらも
彼はずっと励ましの言葉をかけ続けてる。
その言葉のどこかに「好き」の気持ちが表れてしまって、彼女が気づくかもしれないけど。
「それでもいいか」
って、星を数えながら彼もそう思ったのかも。
But I love you..
余裕な素振りしてもリンディーララ
Baby 溢れて止まらない
Love you..
もし君に伝えたらリンディーララ
またね なんてさI can't say
訳:「でも君を愛してるから
余裕な素振りをしてても溢れてしまうこの気持ちを
もし君に伝えてしまったら…
もう、『またね』なんて言えなくなってしまうよ。」
星を数えて少し緩んだ気持ち。
それに気づいてすぐに怖くなる。
だめだ、伝えてしまったらこの関係は終わってしまう。
恋人がいるのに
こんな夜中に二人きりのドライブに着いてきてくれる彼女。
余程信用されてるのか、男としてみられてないのか。
彼女の恋人とも知り合いなのかも。
「あいつなら大丈夫」
て思われてるのかも。
だからこそ二人きりで会うことも許されているのに。
それを自分で壊してしまうなんてできない。
この歌詞、違う意味でも解釈できるな
と後で気づいた。
「またね なんてさI can't say」
君に好きと伝えてしまったら、
今日君を「またね」と言って家に帰すことができない
てことかもしれない。
好きと伝えたら後戻りできない。
自分のものにしたくなるに決まってる。
To your home 送る車内は Sudden silence
徐々に俯いてく君
ごめんねSlow down, slow down, slow down やっぱStop, stop, stop, stop, stop the car
このまま帰したくないよ
訳:「君を家に送る車内は突然静かになって
徐々にうつむいていく君。
ごめんね、スピードを落とすよ。
やっぱり車を止めるよ。
このまま帰したくない。」
帰り道
突然静かになる前は
おしゃべりが続いてたのかな。
泣いてた彼女は少し元気になったのかも。
急に喋らなくなったと思って隣を見たら
少しずつうつむいていく彼女。
眠くなって、うとうとしてるのかも。
それとももうすぐ家に着くから、
夜中のお出かけが終わるのが寂しくなって黙っちゃったのか…。
どっちにしろ
このドライブを終わらせたくない彼。
早く家に送り届けた方がいいに決まってるけど
ごめんねと心で謝りながらスピードを落とす。
少しでも長くこの時間が続いてほしい。
ついには車を止めてしまう。
「このまま帰したくないよ」
おっ!
告白するのか⁉️
溢れる思いに耐えられなくなったのか??
'Cause I love you."
幸せになってほしいリンディーララ
Sorry 嘘をついたこと
Love you
曖昧な言葉の奥はリンディーララ
君がほしいKeeping in my heart
訳:「君を愛してるから、幸せになってほしい。
ごめんね、嘘ついてたよ。
愛してるよ、曖昧な言葉の奥には
君が欲しいって言葉が隠れてたんだ。」
直前の「このまま帰したくないよ」
があまりにも決意に満ちた声だったから
このサビの歌詞は最初とは違う意味に響いてしまう。
嘘ついてたことも、君が欲しいって気持ちを隠してたことも、すべて打ち明けたのかもしれない
て、思えてしまう。
でも違うかもしれない。
車を止めたけど
やっぱり何も言えず心に秘めたままなのかも…
自分の強く熱い気持ちを再確認しただけで
やっぱり心に秘め続けることを決意してしまったんだろうな。
最後まで「幸せにしたい」とは
言えないのだから…。
…はぁ、しんど。
ねぇ、リンディー
あんたは彼のことどう思ってんの?
て、聞いてみたいわ。
もう一つの視点
と、ここまでが歌詞の考察。
ここからが本題。
なぜこの曲がこんなにも心に刺さるのか。
これは私がラウ担だからかもしれないけど、
歌い出しの
I see you
で心を全部持って行かれた。
聴いた瞬間、切ない表情で歌うラウールの顔が
鮮明に頭に浮かんだ。
そして直感的に思ったのは
歌い手の彼が大好きな彼女をいつも見つめてるのと同じように、
私も大好きなラウールのことをいつもただ見つめてるし、
見つめるしかできることがない
てことだった。
歌い手の彼と私の唯一の違いは、
「好き」て気持ちを言葉にできない、態度にも表せない彼と違い、
こっちはいくらでも「好きだ好きだ」と言っていい
ていうこと。
でも、その想いは
届いてるようで実際には届いてない。
いくらSNSで愛を伝えても
ファンレターを送っても
彼らにとって私たちは大勢のファンの一人で
私たちが個人的に彼らを幸せにすることはできない。
彼らが伝えてくれる「ありがとう」や「大好き」は
心に沁みる。
でも彼らに個人的に幸せにしてもらうことも、できない。
それは当然のだし仕方のないことだ。
そこに不満を感じるのなら、アイドルのファンなんてやめた方がいい。
でもこの曲を聴いて
「ああ、同じだ」
と思ったら
とてつもなく切なくなって、心の蓋がちょっと開いてしまった。
さらに、サビで何度も出てくる
「幸せになってほしい」
という歌詞。
ファンは大好きな彼らの幸せを望んでる。
もちろん日々の幸せもだし
私は恋愛や結婚に関しても
彼には幸せになってほしいと思ってる。
心から愛せる人と出会って
可愛い子供にも恵まれて
幸せな人生を送ってほしいと願ってる。
それをかなえてくれるのは
私ではない誰かだ。
いつか出会う私ではない誰かと
幸せになってほしい。
言葉にすると切なくて涙が出る。
矛盾してる。
けど仕方ない。
大好きだから。
幸せになってね、でも私の知らないところで
そうしてね。
私はそんな矛盾した熱い想いを抱えながら生きてるんだと思う。
リンディーララが彼女の名前なのかは知らないけど、
彼女はいつもはおしゃべりで
笑顔が素敵なんだろう。
その彼女が泣いてるのを見たときに
自分でも驚くほど、彼女が大切だと知った彼。
わたしたちも、いつも笑顔で元気をくれる彼らが
こんなに切なく悲しい歌を歌ってるのを聴いて
心が動かないわけがない。
そんなところで泣いてないでこっちにおいでよ。
私が幸せにしてあげる
て言いたい。
でも言えないよね。
切ないね。
遠くで輝く君
もう一つ、この曲の切なさを増幅させてるのは
「距離感」だと思う。
曲の冒頭、レコードに針を落としたときみたいな
すこしぶつぶつした音がする。
美しく奏でられるギターの音、
「リンディーララ」という名前。
私たちが知っている日本の日常からは離れた、
とても遠くで起きている出来事
という気がする。
(左ハンドルだしね🚙)
そこで切ない恋に心を焦がしている、
私たちが愛してやまない人の声。
星を数え、彼女に似ている星座が眩しく輝くのを見つめている彼。
彼にとっての彼女が
私たちにとってのSnow Manだとしたら、
私たちから見たSnow Manも
まるで夜空に眩しく輝く星座みたいだよね。
見ることはできても
触ることはできない。
どんなに身近に感じても
そばに行くことはできないんだよね。
そんな、どうしようもない距離が隔てている
私たちと彼らの関係。
心の奥底が言葉にできない切なさで
ギューっとなった。
最後に
アイドルが歌う歌と思えないほど
切なさと色気が溢れるこの曲。
もちろんメンバーの歌い方も素晴らしくて
この人こんな歌い方もできるんだ…
のオンパレード。
そこも色々感じたことはあるけれど、
そういった技術的なことは
詳しくないので
自分だけで反芻しておきます♪
(詳しい方の解説待ってます!)
『リンディーララ』
とにかく美しい楽曲だなぁ…。
何回でもリピートしたくなる。
自分の心の中に
こんな気持ちが残ってたんだなと
思わせてくれる名曲でした。
おわり