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教室で使っているレッスンノート(3)
みなさん、こんにちは!私たちの教室では、素敵な「ふるるん先生」こと古内奈津子先生のオリジナルレッスンノートを、私たちの教室用にちょっぴりアレンジして使っているんです。このノートは、ピアノの練習方法を楽しく記録したり、生徒のみなさんとのコミュニケーションを深めるための素敵なツールなんですよ。
さあ、このすばらしいノートの魅力と、どんな素敵な効果があるのか、一緒に見ていきましょう!
すべきことをやった自分+自分の努力を可視化
レッスンノートでは、練習の過程「自分がすべきことをやったこと」「自分の努力を認めること」ができ、達成感を得ることができます。
ピアノレッスンでの達成感は、一生懸命の練習した結果です。ピアノは一週間の練習の結果が評価されがちですが、すべての子供が短期間で結果を出せるわけではありません。
だからこそ、子供が練習したことそのものを評価することが重要です。家での練習が認められれば、「私がんばったよ!」と子供は自己評価ができます。達成感は、自分が課題を完了し「自分はがんばった」と感じることから得られます。
自分の努力が残る
レッスンの始まりに大切にしているのは、練習の振り返りの時間です。
実は私も、生徒さんに「できるようになった?」と聞くのをためらっていた時期がありました。でも、そうすることで、かえって生徒さんから自分の成長を喜ぶ機会を奪ってしまっていたんです。
毎日のノートには、生徒さんの思いがたくさん詰まっています。
「練習頑張ったよ!」「たくさん練習したんだよ!」「難しいところ、レッスンでがんばるよ!」「ここは難しくて練習が嫌だったよ…」。一つひとつの言葉に、その日の気持ちが込められています。
私たち大人も同じですよね。誰かに話を聴いてもらえる、理解してもらえる、それだけで心が軽くなる。子どもたちも同じなんです。
一緒にノートを見ながら、練習のことを話す時間。たった1、2分の時間ですが、この時間がとても大切です。生徒さんは自分の頑張りを受け止めてもらえたと感じ、苦手なところも一緒に取り組めると安心します。生徒さんの思いとレッスンの内容が重なると、自然と充実感が生まれてきます。
重要なのは練習ができなかった時。練習ができなくなってきた時
はじめは練習をどんどんできている生徒でも、子どもたちの成長によって、練習ができなくなってくる時期がきます。
すると保護者がそれを受け入れられなくなって、やめていくという事態が起こりました。今でもそのような保護者は多いです。
やりたいことも増えた。ピアノ以外の誘惑がたくさんあります。
だからこそ、出来なかったことがチャンスなのです。
一見否定的にも思えるこの「練習ができなくなる」そのものが、お子さんの成長なんですね。
やりたいことも増えた。ピアノ以外の誘惑がたくさんあります。
だからこそ、出来なかったことがチャンスなのです。
子どもは、自分がそう思う理由を知りません。考えることもありません。
実は感情を聞くのって、とても難しいことなんです。
「どうして練習したくなかったのかな?」
「どうしてレッスンノートに嘘を書いてしまったんだろうね?」
「どうして悲しくなってしまったんだろうね?」
でも不思議なことに、このように寄り添って聴いていくと、子どもたちは自然と自分の中に答えを探し始めるんです。
「どうして私、そう思ったんだろう?」
「なんでそんな気持ちになったのかな?」
そんなふうに、自分の心と向き合い始めます。
最初は「わからない...」と言っていた子が、ある日突然「あのね...」と話し始める。
その瞬間って、本当に宝物のように感じます。
子どもが自分の気持ちに気づき、それを言葉にできた喜び。
私たち大人も、その成長の瞬間に立ち会えることの幸せを感じます。
そうやって少しずつ、子どもたちは自分の気持ちを理解し、表現する力を育んでいく。
それは、ピアノの練習以上に大切な「成長」なのかもしれません。
このような小さなやりとりを毎週重ねることで、レッスンノートは私たちにとってかけがえのないものになっていきます。そして何より、生徒さんが自分の気持ちを素直に表現できる、そんな関係が築けることが嬉しいですね。
レッスン後の振り返りタイム
私は、小学生中学年からはレッスン終了後にも振り返りの時間を設けることにしました。この振り返りによって、生徒が自己評価を行い、自身の進歩を確認する重要な時間になるように考えました。
お子さんが努力をしたものの、私に評価されず、生徒が泣いたり、涙をこらえたりする場面があったからです。
たくさん練習してきたのに、レッスンではうまく演奏できなかった時。
大人でもよくあることと思います。
でも子どもは自分を否定されたように感じてしまう時があります。
レッスンの後の振り返りは、自分のやってきたことと、うまくいかなかったことを客観的に見て、自分の感情を整理しながらレッスンを終えるこを目的としています。
「練習したこととレッスンでの結果が少し違ったね。どう思った?」
と尋ねると、多くのお子さんはすぐには答えられません。
感情は言葉を持たないため、言葉がすぐに出てこないことは当然だと思います。
またすぐに答える必要はありません
でも、感情を言葉にすることで、次に何をすべきかが明確になります。
レッスンの時間も少ないので、言葉が出せない時は「では、家に帰ったら、ここに書いてみてね」と提案することもあります。
なぜ違ったのか、何に注意すべきだったのかを自分で考えるには、まず自分の気持ちを整理することです。気持ちを整理して、初めて次に進められます。
自分で自分の努力を認められた時自己効力感が生まれる
先日、私は高学年の生徒と一緒にレッスンの振り返りを行う機会がありました。
その際、生徒が一生懸命に練習してきた成果を、こんな風に表現しました。
「練習の甲斐があって、間違えずに弾けるようになった!」と、自信に満ちた声で語ったのです。
この一言を聞いた瞬間、私はとても嬉しかったです。
生徒が自分の成果を認め、それを素直に表現できることは、私にとって最高の報酬です。
生徒が自分が行ってきた努力を認めた証でもあります。
指導者の役割は、ただ教えるだけでなく、生徒が自分自身を理解し、自分の進歩を感じることができる環境を提供することです。そのためにも、レッスン後の振り返りは重要な時間だと思っています。
古内奈津子先生のレッスンノートの記事はこちら
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