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ラブリラン ビヨンドカメラでのプレゼン、まっちーはさやか不在のピンチをどう切り抜けたか?

新感覚ラブコメディー「ラブリラン」特別編が放送中です。
古川雄輝くんと中村アンちゃんがW主演です。

8話では中村アン扮するさやかも、古川雄輝扮する町田も、「本当の気持ち」だとか、「記憶をなくした理由」だとか、「正しい場所に戻る」だとか、いろいろ考えてしまっていて辛い回です。

元カノ杏子が言うにはまっちー(町田)は、杏子がモデルとして成長できるよう、所属エージェンシーの社長に会いに行き、「別れますからよろしくお願いします」と頭を下げました

私はずっと、杏子は話を美化してるのではないかと勘ぐっていたのですが、8話を見ていて、まっちーは本当に、自分の彼女に対してはとても思いやりがあって、自分が辛くても、彼女のためなら別れを選んだりできる、無私深い愛情を持っているのかも、と思いました。(そんな勝手に良かれと思って別れられたら、彼女はたまったものでないと思うのですが。)

さて、ポテンシャルの高さが取り柄のさやかは、恋愛から逃れるかのように、今回は広島の案件とビヨンドカメラの案件を掛け持ちして、ハムスターのようにくるくると大奮闘。でも、ビヨンドカメラのプレゼン当日貧血で倒れてしまいます。

「あなたがそんなだから亮輔は」とどさくさ紛れに瑞希に八つ当たりまでされてしまうまっちー。(さやかが15年の長きにわたり片思いしてた幼なじみの「亮ちゃん」は亮輔っていうんだ。ふうん、瑞希は呼び捨てなんだ…。)

さやか抜きでまっちーと瑞希がプレゼンをどう乗り切ったか、考えてみました。


「いつものおもろい処女の姉ちゃんは来ないんけ?」
テーブルにつくなり、いつもの変な関西弁で美四度常務が聞いてきた。
「常務!」
同席している小池課長が小さく叫ぶ。
「アウト?」
「アウトです。いくら南さんのことが気に入っているからって、その言い方はセクハラですよ」
小太りでいかにもオタクっぽい美四度常務はさやかが気に入っている。さやかが「30歳処女」というところが、とくにシンパシーを感じるポイントだ。

「申し訳ございません。南は今日体調をくずしまして」
「何やけったいやな。でも代わりにごっつー美人が来たからええわ」
にんまり笑う。瑞希は冷静を装ったものの内心ひょえーだった。

「この方はイラストレーターの青山瑞希さんです。今回のプロジェクトのイメージイラストを担当していただこうと思っています」
「よろしくお願いいたします」
瑞希がにっこりあいさつする。

加藤諒のように、笑うと愛嬌がある人だな、と思った。あの物言いにはちょっとびっくりしたけれど、あれは関西人特有の「つかみ」で、実は仕事のできる人なのかも、と瑞希は思った。

町田はいつものようにクールに進める。
「今回のご提案は、30歳でひっそり片思いしている大人女子の恋を、御社のサービスで後押ししてあげたいというものです」

簡単に言ってしまえば、レジーナ化粧品の企画の横展開だ。リサーチはばっちりだし、レジーナ化粧品での展開実績があるので、町田も説明しやすかった。

途中で、
「でもほんま、30歳で処女なんて、おるんやな」

ボソっと美四度常務。町田、「処女」のところはスルーして進める。

「歳をとった分、よけい恋に臆病になっている女性は多いです。この恋愛下手な女性をビヨンドカメラで後押ししてあげれば、きっと御社製品やサービスの生涯顧客になります」

説得力があった。

「面白そうですね。応援するっていうところがいいですね。ビヨンドカメラで幸せになってもらいたいですね」

小池課長も乗り気だった。

「あんなに垢抜けた感じなのに処女やなんてなあ」

美四度常務はしつこい。ビヨンドカメラの創業者一族に生まれ、このまま問題なければ社長にと推されているこの男の長所のひとつは「粘り強さ」。だが、このしつこさはコミュニケーションにおいては、マイナスとなるときもしばしばあった。

「しょ、しょ、しょーじょーじー、しょーじょーじーのーにーわーは」♪

町田は無表情、それ以外は苦笑い。

「わーたーしー処女A」♪

「処女」ではなく「少女」なのだが、みんな知らないので、だれもツッコめない。

「ショックショックショック、バージンショーック!」♪

もちろんシブがき隊の「処女的衝撃!」は知らない。

「ショックショックショック、バージン…」♪

美四度常務の「ショーック!」と町田がプレゼン資料を机に置く「バンッ」というのが同時だった。

「彼女はもう処女ではないですし、初めての相手はこのおれです」

いつも冷静沈着なのだが、美四度常務のしつこさに調子が狂ってしまった町田。

さっきの瑞希の「あなたがそんなだから発言」のせいで心が乱れたのかもしれない。

…やべー。

そこで美四度常務が。

「いやあ町田くん、ええやないの。だんだん大阪のノリが分かってきたなあ」


「町田さんの機転でうまく話がまとまってよかったです」

「いえ。青山さんこそ、今日はお疲れ様でした」

機転ではなく、思わず吠えた本音だったのだが。

ともかく、さやか不在のピンチを乗り切った町田と瑞希は、ビヨンドカメラのオフィスを出て、駅に向かって歩き出した。ほっとした勢いもあって、自然と会話が進んだ。

「町田さんがこんなに頼もしいとは、新発見です。南さん来られなくて残念でしたけど、南さんが伝えたいこと、全部伝えていて、さすがだと思いました」

「僕と南さんは、仕事に関しては、お互いに信頼し合えるビジネスパートナーなんです。ですからご安心ください」

「私、さっきも話しましたけど、亮輔とは別れたから、心機一転で、新しいことにどんどん挑戦したいと思っているんです。ぜひ、これからもお仕事ご一緒させてくださいね」

「こちらこそよろしくお願いします」

見つめ合う二人。二人の距離が縮まる…。

「じゃあ、行きましょうか」


「え、どこ行っちゃうの? ま、町田くん?…」

うなされてるさやか、目が覚める。

「大丈夫か、さやか」

亮ちゃんがベッドサイドにいる。

「空港で倒れて。病院行ってからずっと起きなかったんだぞ。よっぽど無理してたんだな」

「あ、ビヨンドカメラのプレゼン」

起き上がろうとするのを亮ちゃんに制される。

「無事終わったって。さっき町田くんから電話あった」

ほっとする。ほっとしたらまた眠くなってくるさやか。

「今日はよく休んで。おれ、ここにいるから」

「亮ちゃん、大丈夫だから、帰っていいよ。町田くんもじき帰ってくるし」

そう言いたかったけど、さやかはそのまま眠りに落ちる。

…町田くんはまだ会社かな。

…町田くんに迷惑かけちゃって悪かったな。明日ちゃんと謝らなくちゃ。

…それにしてもいまのは夢? 何かリアルだったな。

…町田くん、瑞希さんとどこへ行ったの?…




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