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夏の和歌 風そよぐ ならの小川の 夕暮れは /藤原家隆

こんにちは
みやゆうです。

今回も、夏の和歌を鑑賞して参りましょう!

風(かぜ)そよぐ ならの小川(おがわ)の 夕暮(ゆうぐ)れは
みそぎぞ夏(なつ)の しるしなりける

作者は鎌倉時代初期の公卿で歌人の藤原家隆(ふじわらのいえたか)です。

この歌は「百人一首」に収められています。

意味は、

風がそよそよと吹いている楢の小川の夕暮れ
もう秋のようだが、みそぎの行事が、確かに夏であることを物語っているよ


「ならの小川」の「なら」は、「奈良」ではなく、「楢」のことです。

この「楢の小川」は、京都市北区の上賀茂神社の境内を流れている御手洗川(みたらしがわ)のことです。

楢の木はブナ科の落葉樹で、葉は色が濃くて形は菊の葉に似ていると思いました。

「みそぎ」とは「六月祓」のこと。

6月といっても旧暦の6月30日(現在の暦の8月上旬)に行われるもので、夏の行事です。

川の水などで身を清め、1~6月までの穢れを払い落とすのだそうです。

わたしはまだ「楢の小川」に行ったことがないので、画像で見ました。

うっそうと繁る楢の葉が小川の上の太陽をさえぎっていて、清涼感がありました。

夏でも夕方、風がそよそよ吹いていたら、涼しくて、もう秋かしらと思えるほどだったのでしょうね。

母は夏、友だちが家に泊まりに来たとき、「涼しいのはごちそうだから」と部屋をギンギンに冷やしてくれたのを思い出しました。

「みそぎ」行事については、関東人ですのでよくわかりませんでしたが、「ならの小川」の涼感については、四季を知る日本人なら誰もが共感を得るのでは、と思いました。

いかがでしたしょうか?

これからも素敵な歌を、ご一緒に鑑賞して参りましょう!

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