夏の和歌 音羽山 こだかく鳴きて /紀貫之
こんにちは
宮川です。
今回も、夏の和歌を鑑賞して参りましょう!
音羽山(おとわやま) こだかく鳴(な)きて 郭公(ほととぎす)
君(きみ)が別(わか)れを 惜(お)しむべらなり
作者は和歌界のスーパースター、平安時代前期から中期にかけての歌人、紀貫之です。
この作品は「古今和歌集」に収められています。
意味は
音羽山の梢高く鳴くほととぎす
あなたとの別れを惜しんでいるよう
音羽山は京都の滋賀県大津市側にある山。
そのあたりでは一番高い山だそうです。
山のこずえで鳴くほととぎすの声はよく響きます。
リズムは、しゃくり上げるような感じです。
少女漫画にありそうですね。
旅立つ恋人を見送る途中、ヒロインの女の子が最後は明るくお別れしよう、とふるまっていると、音羽山の高いほうからほととぎすの声が聞こえてくる。
「鳴いてるね」
「夏だねえ」
とかほほえみあったりして、普通の会話はしている。
でも、心の中では、
「こんなやりとりもできなくなるなあ。山のホトトギスもあなたとの別れを惜しんで鳴いているようだ。あの声は私の心の悲しみの声」
みたいな?
和歌は想像力をふくらませて詠むと楽しいです。
いかがでしたしょうか?
これからも素敵な歌を、ご一緒に鑑賞して参りましょう!