秋の和歌 今来むと いひしばかりに / 素性法師
皆様こんにちは
みやゆうです。
今回も、秋の和歌を鑑賞して参りましょう!
今(いま)来(こ)むと いひしばかりに 長月(ながつき)の
有明(ありあけ)の月(つき)を 待(ま)ち出(い)でつるかな
作者は平安時代前期から中期にかけての歌人・僧侶の素性法師(そせいほうし)です。
この作品は小倉百人一首に収められています。
女性の気持ちで詠まれたものだそうです。
意味は
「すぐに参ります」とあなたが言ったので待っていましたが
長月の夜明けに出る有明の月が出てきてしまいました
「今」は「すぐに」の意味です。
「長月」は陰暦の9月です。太陽暦では10月ごろで、夜が長くなります。
「有明の月」は夜更けに昇ってきて、夜明けまで空に残っている月のこと。
思い人が「すぐ行くよ」と言うので待っていたのに、待てども待てども来なくて、とうとう有明の月が出てきてしまった。
もう今晩は来ないな、待ってたのに…という歌ですね。
待ち人が来なくて悲しみに暮れるのではなくて、どこかカラっとしている感じです。
素性法師は、こういうタイプの女性が好きだったんでしょうか?
そんなことを考えるのも楽しいです。
これからも素敵な歌を、ご一緒に鑑賞して参りましょう!