スリル・ミー、田代私になりきってみた
私はプリンスロードコンサートの再放送を見てから、スリル・ミーの魅力に取り憑かれている。コンサートでは新納私と伊礼彼でスリル・ミーを熱唱。たちまちその濃密さの虜となった。
しかし、ストーリーを知らなかったため、Googleで検索。するとすると、なんてことだろう。田代万里生さんが演じているではないか!そして、伊礼彼とのペアでCDも出ていた。曲と曲の間のセリフがないのは残念だが、今すぐにスリル・ミーの世界に入り込むには十分だ。ものを買うという行為に対して熟慮する私にしては珍しく、即決で購入した。
結論から申し上げよう。本当に本当にどこをとっても素晴らしかった。ピアノと二人の演者だけで紡がれる物語は、心をとらえて離さない。この作品の魅力はまた、別の機会に記事を書きたいと思う。実際に観劇したわけではないため、考察は短絡的なものになってしまうかもしれない。それがわかっていても、じっくり語りたいのである。
とにかく私は、何度も何度も繰り返し聞いた。ああ、観劇に行きたい。そうでなくとも、もっとこの作品の世界に浸りたい。そんな欲も日に日に募っていった。
ある日、はたと気がついた。スリル・ミーのキーアイテム、タイプライターなら持ち合わせがあるではないかと。私は、以前の記事で書いた通り、視覚障害を持っている。それも、重度のもので、点字を日常的に使用する程度の。そんな私がしょうがくせいのときに使っていた、パーキンス・ブレイラーがタイプライターとして機能するはずだ。なんと言っても、パーキンスは点字タイプライターと呼ばれているのだから。
早速、戸棚の奥からパーキンスを取り出し、埃を払ってから紙をセットし、スリル・ミーを再生した。演者に合わせて点字ではあるが、同じ内容をタイプしていく。これが、予想以上に楽しかった。格好だけの真似事のつもりが、その感情まで味わうことができた。
今度はどうやってこの作品を体感しようか。研究の日々はまだまだ続く。
#スリル・ミー #タイプライター #田代万里生