予定通りロックダウンは終わるのか!?
現在、ロックダウン中のフランスですが規制緩和の第2ステップが12月15日に予定されている。この第2ステップでは基本外出禁止だった規制が夜間のみ外出禁止に緩和される予定となっており実質ロックダウンの終了を意味する。しかし第2ステップに進むための条件が政府から示されているのだが現時点の状況ではこの条件を満たせるかが怪しくなってきている。今回はその状況についてお話ししたい。
フランスのコロナ感染状況
下記のグラフを見て頂ければわかるように一時は収束しつつあった感染者数の伸びが最近下がらなくなってきている。実際の数字で言うと最近は1日当たりの感染者数が1万人を下回らない状況となってきており、12月9日時点は14,595名が新規感染者となっている。また重篤患者の数は12月9日時点で3,041名となっている。
オレンジ=感染者数、緑=退院者数、赤=死者数
一日当たりの感染者数
出展=https://www.gouvernement.fr/info-coronavirus/carte-et-donnees
本数字が何を意味しているのかというと、ロックダウン終了となる第2ステップへの移行が当初の予定通り行われない可能性を示唆しているのだ。11月24日にフランス政府から発表された緩和に向けてのマイルストーンでは12月15日に第2回目の緩和の予定であるが条件は1日当たりの感染者数が5千人、その時点で集中治療室にいる重篤患者が2千5百~3千人となっていた。一方で現在のフランスの状況は上述の通り1日当たりの感染者数が1万人を大きく超えており第2ステップへ移行する条件が満たせない可能性が高くなっている。重篤患者については12月9日時点で3,041名と目標にもう一歩の状況まで来ているが感染者の数が増加が基準に満たない状況のためフランス政府もどう対応するかを検討しており本日(12月10日)夕刻に更なるアップデートが実施される予定となっている。
リヨンの街の状況
現在、フランスでは11月28日に第1ステップの規制緩和が行われレストランやバーを除く小売店は再開している。これは小売店が生き残れるようにクリスマス商戦に間に合わせた形になっている。しかしロックダウンは続いており不要な外出は控えるように促されており、外出するには外出証明書の持参が必要になっている。
この状況でリヨンの街がどうなっているのかというと下記の写真の通り買い物客で街の中心の通りや大型のショッピングモールが人でにぎわっている。
(街の繁華街とショッピングモール内の写真)
この写真を見ると恐らく多くの方が「ロックダウン中だろ!」と突っ込みたくなる光景だと思う。しかし実際フランスはまだロックダウン中であり外出には許可書の持参が必須となっている。一方で政府はクリスマス用グッズの買い出しを規制しているわけではないので買い物理由で外出許可書を持参していれば全く問題ないためこの状況となっているのだ。ただ、これだけ人が集まるとマスクをしているとは言え感染リスクは上がっても仕方ないのではないかと思えるし、その結果が上述の統計結果の通り1日の感染者数が1万を下回ってこない理由になっているのだろうと感じている。
今後に関して
今後に関しては既にコメントした通り本日(12月10日)夕刻に第2ステップへの移行をどうするかを政府が発表する予定となっている。実際、今の状況ではおそらく予定通りの緩和という方向にはならないのではないかと想像される。一方でクリスマスをどう過ごすかという点もフランス人には大変重要なポイントとなっており政府がどういった発表をするのかが気になるところである。当初の予定では緩和のステップ2(終日外出禁止➡夜間外出禁止)が12月15日、ステップ3(レストランの再開)が1月20日に予定されていたが現在の感染状況を見ると計画変更が余儀なくされる可能性が高く本日の発表を一つの転換点になりそうな状況である。