おわかれ
お看取りのKさんが旅立ちました。
お看取りというのは、このままでいくと命が残り少ないと判断された場合、病院へ運ぶことなく最期までホームで過ごす決断をした人をケアすること。
口から水や食べ物が取れなくなっても、点滴や経管栄養などをせず、最期を迎えることになります。
看取りをすることになったKさん
看護ケアでは、毎日腫れた足を洗い、炎症を和らげる薬を塗っていました。
Kさんは
「こういう足の人は他にもいるの?毎日洗うのは大変な仕事ね。」
私が手押ししている処置車を見ては
「こんなに沢山荷物を運んで。あなたも気をつけてね。」
手当ての後には必ず
「ありがとう。」
と声をかけてくれました。
穏やかに逝けてよかった。
98歳の大往生。
だけど、もう居ないのが悲しくて淋しい。
ケアしていたつもりだった私は彼女にケアされていたことに気づく。
命あるかぎり人は人に影響を与える。
だから、生きていることこそに価値があるのだと思います。