世界一周282日目🇪🇬1.28 ルクソール、先生とハトシェプストとハブ神殿
今日はまた活動的な1日。
朝、宿で面白い日本人の先生と出会い、
その後、気になっていた神殿で大感動。
最近、ずっと自分の時間が取れずにいた。
うれしいことでもあるが
宿のテラスでゆっくりしようと思うと
誰かしら既に友達になった人が
話しかけてくれて
話し込むか、新しい人に話しかけられて
これまた話し込むで、
全く落ち着いて考えを整理したり
やりたいことをやったり、
1人でゆっくり過ごす時間がなかった。
そしてわたしは1人のこういう
日記を書いたり、本を読んだり
YouTubeを見たり、ぼーっと
夕焼けを眺めたりする時間が
かなり好きだし必要なのだ。
朝、やっと久しぶりに早起きができて
気に入った屋上の更に1番上で
ゆっくり日記を書くことにした。
この時間が、
至福の時間だった。
静かな朝、
街の喧騒もまだ本格的でなく
少し離れたところから聞こえてくるだけ、
青空に真っ白の干されたシーツが並び、
ゆらめき風の声が聴こえてくる。
久しぶりに1人の時間を味わっていると
日本人の女性がやってきて、
おしゃべりがスタートする。
久しぶりの1人の時間を
ゆっくり味わっていたので、
やっと落ち着くお気に入りの
1人になれる場所を見つけたのに
こんなにもすぐ見つかってしまったか、と
秘密基地が見つかってしまって
何かぽっかりと大好きな場所への想いが
手放されていってしまうような
気持ちになった。
もっと1人でもいたかった気がしたが、
彼女との出会いはそれを上回る
面白さといろんな発見があって
こうして話せて本当によかったと思った。
彼女は特別支援の先生らしく、
経歴が特殊で、新卒で4年ほど
株の営業をしたあと、
ワーホリがしたくて
会社を辞めたタイミングで
コロナが来てしまい行けず、
先生になったとか。
もともと学校が大好きで
先生になりたかったらしく、
先生は免許がありいつでもなれるので
最初は社会人経験をしたという。
で、仕事は大好きだが、
一年ほど休んで世界を旅しているそうで
彼女の考え方や話が面白すぎた。
最初に旅の話を聞いたときに
体力が異常でどうなっているんだ、
と思ったら、学校の先生と聞いて
合点が行く。普段から
最高にハードなトレーニングをしているのだ。
先生なのに、社会人経験があり
休んで世界中を旅して、
定時に上がり、お金をもらうもの、と
割り切り、それでいて仕事が楽しく大好きで、
先生同士の人間関係にも
振り回されず自分のスタイルを
貫いている。
こんな先生がいたら
めちゃくちゃ面白いだろうな、と
うらやましくなった。
なんでこんなに芯が強いのか、
何かブレない強さを感じて
聞くと、オタクをしているという。
通りで、これまた合点がいく。
わたしの大学時代の親友もオタクで
オタクはものすごく忙しく
自分の時間が大切で
他人の残業なんかに
じゃまさせられる暇もなければ
隙もないのを側で見ていた。
毎日が新しく、毎日がものすごく
楽しく、圧倒的に自分の好きに
真っ直ぐ生きているのだ。
目がいつも輝き、ワクワクして
次の発売だ、ライブ情報だ、
いろんなものを待っていて全力で
たのしんでいる。
どんな予定よりもオタク活動が優先なので
とにかくブレない。
わたしは彼らが好きである。
わたしはマイペースな方で
自分のペースで生きてこれたのだが、
社会人になってから
なかなか苦しい時間が多かった。
もちろんいいこともいい人も
たくさんあったのだが、
忙しい店舗で
数人の社員で何十人のパートさんと
アルバイトの学生を回すという業務は
仕事の分担が明確でなく、
聞きやすい人、話しやすい人に
圧倒的に偏りが増える。
パートさんからは相談をされ、
後輩からは質問をされ、
上司からは仕事を押し付けられ、
無限に増え続ける業務で
自分の時間が全く取れなかった。
自分が他の人に回すと
他の人に負担が行くので、
仕事を振るのも苦手だったし
そりゃわたしに聞くしかないよな、
という状況も多かったし、
真面目な性格なので適当なことを言って
間違っていて聞いてくれた人が
さらに困る、なんてこともしたくなかったし
自分も新しい知識の勉強になるだろう、と
かなり丁寧に対応していたのもある。
そして、質問の意図が分かるので
バスはある?と聞かれて
ない、だけでなく、
代わりに電車やタクシーはあるよ、
だいたい何分でいくらくらい、
まで調べて伝えるタイプなのだ。
自分のことになると
超無計画で適当なのだが、
みんながみんなこの雑さで
大丈夫な訳ではなく、
きちんと知りたい、と、
自分の基準はかなりずれている方だと
自覚しているからこそ
相手に合わせて丁寧にしているのも
あるかもしれない。
彼女は何か聞かれても
1時間後でいいですか?とか
ここまでは教頭先生がやってください、とか
とにかく自分のやることが終わってから
人のことをやっていたとのこと。
店舗業務の緊急性は少し違うところもあるが、
そうやって自分を確保するのは
為になった。
彼女は使い分けも上手で
全部を断るのではなく、
先手でやれることはやっておいたり、
連絡帳のようなものは
ものすごく丁寧に生徒さんに合わせて書いて
親御さんにもこまめに電話をして、
時間がない親御さんには
返事は無記入でもokだけでもいいし、
逆に心配性の方だったり、
相談があれば、いつでもなんでも
相談してくださいね、という
関係作りもしっかりしていたと。
少し天然風に振る舞い、
これがわたし、と受け入れてもらうように
振る舞うことで、
他の詳しい人に投げたり
自分を犠牲にしてまで相手を優先しない、
ということを徹底していた。
わたしもずっと無意識に
そうやって楽に振る舞ってきたのだが、
仕事のときだけは何か違ったようだ、と
再認識した。
また、彼女は毎週水曜日に
友達と夜ごはんを食べたり
遊ぶ時間を作ることで、
週の中日に幸せな時間を作り、
擬似休日のようになり、
あー、明日もまた仕事か、
でも、2日行けば土日だ!と
前向きになれたり、
毎日、今日は仕事終わったら
この映画見よう、これをやろう、と
楽しみを作っているという。
ライフハックである。
社会人時代に
ザ、嫌なお局みたいなことをしている
嫌われてる同期がいたらしく、
こんなに嫌われていても
どうにか生きていけるもんなんだな、
と思って、それから
自分をブラさずに受け入れてもらえるような
強いマインドになったとのこと。
面白い視点だった。
わたしの話もして、
気配り上手で優しくて旅好きだから
多国籍料理のカフェとかやったら
めちゃくちゃ合いそう、と
言ってもらえて、実は将来は
世界中で集めたマグカップで
カフェをやるのが夢の一つ、と話すと
すごくいいね、と言ってもらえたのも
嬉しかった。
そのあと、彼女は朝ごはんを
食べに行き、わたしはもう少しだけ
1人で日記の続きを書いた。
そのあと、SIMカードを
チャージしに行ったのだが、
この対応してくれたスタッフさんも
若い女の子だがものすごくいい人で
丁寧かつ、最後には名前を聞いて
ナイストゥーミーチュー、と
いい一日を、と言ってくれて
いい一日だならとうれしくなった。
こういうちょっとした時でも
人は人を幸せにできるものだ。
そのあと気になっていた
神殿が2つあり、行き方を考えていると
イルセーがちょうどその2つに
行くところだった、とのことで
タクシーをシェアできるし
一緒に行こうと誘われて
一緒に行くことにした。
わたしはローカルバスも好きなのだが、
路線があまりなかったり、
結構捕まえるのが難しく
結局タクシーを捕まえなくては
行けない、ということが多かったし
昨日は嫌なタクシー運転手もいたので
時間も節約できるし彼女は初めから
配車アプリで回る、とのことで
それもそうだな、と行くことにした。
インドライブで呼んだ運転手さんが
宿のお兄さんと知り合いらしく
楽しそうに話していて
17歳くらいに見えるのに
上が少しオープンになる
いい車に乗っていて、
聞くと22歳で大学生らしい、
なかなかいい人で
前の車のデコレーションに
i will descover your smile
と書いてあって、
笑ってイルセーが動画を撮ると
運転手の彼が
前からの方がよく撮れるから、と
撮ってくれたりして
車内でそこそこ盛り上がり
たしかにこのステッカーで
既にわたしたちを笑顔にしてくれたと
思うとなかなかやるじゃないか、と思ったり。
イルセーがこれまたいい人すぎて
見習うところがたくさんある。
写真のバシャバシャ撮っている観光客にも
わたしはたまには気を使うがキリがないし
しょうもない写真ばかり撮っている人には
写ってようが気にせず
自分の見たいところをみている。
が、イルセーはきちんとどいてあげたり
待っててあげたりととても親切なのだ。
わたしと回るときも
プレッシャーにならないように
嫌な顔一つせずゆっくり待ってくれていて
少し感想を言い合って、また
それぞれのペースで次に進む、
と言ったことを繰り返した。
まずはハトシェプスト神殿へ。
ハトシェプストは女性初のファラオで
戦ではなく平和な交易と経済発展に
力を入れたとても賢くエジプトの発展に
大きく貢献した人。
交易を大きな偉業として
神殿にもそのときの様子が
メインでリレーフに描かれている。
ソマリアとの交易で
船で行った様子や、
エジプトにいない海の生き物である
魚やその土地の木を持ち帰ってきた
様子も描かれていて
ロマン溢れる感動的なものだった。
お魚天国のリレーフは、
調理法、食べ方、いろんな種類の
魚のことを新しく知って
研究したんだろうな、とか、
いろいろ想像が広がる。
しかも書いてある魚も
特徴を捉えていてかなり正確な
印象があり、イカやエビなんかもいて
とっても面白い。
イカダで未知の世界へ旅に出て、
全く新しい動植物や文化と出会う。
本当の冒険がそこにはある気がして、
ワクワクが止まらない。
どうやって航海したのだろう。
インターネットで
だいたいのことを事前に知れる
現代とは大違いで、
全くの知らない違う土地の文化を
言葉も通じない中
互いにどうやって尊重し合って
交易を始めたのだろう。
本当の多様性や尊重は
何千年からも学ぶことが
たくさんあるように感じた。
神殿の2階にあがる。
このナイル川からの恵みである
緑と、囲む砂山と空は、
きっと当時から変わらない。
何千年も前、この景色を見て祈ったのだ。
人の好奇心は止まらない、
王様や貴族も、お金を持っても
世界の珍しいものを持って来させて
いると思うと、変わらないのかもしれない。
ほこらのような場所があったり、
この穴は何に使ったのかな、なんて考えて
一つ一つのストーリーが
話しかけてくるようだ。
モロッコのアマジールの
紋様の詰まったラグと
何か通じるものがたくさんあった。
ヒエログリフや壁画、
モロッコのラグの紋様は
細かく描いていないからこそ
想像力が掻き立てられ、
また、無限の組み合わせにあって
いくつもの答えのない物語を
想像させる。
次にハブ神殿へ向かう。
まず印象的なことは彫りの深さ。
浮かし彫りでないが、その分
文字や模様の彫りの深さが
他の神殿よりも濃く、
濃淡がはっきりとして美しい。
小鳥の声と砂の岩山
破壊された外門、
爽やかな風が吹き抜ける。
ここのリレーフは
戦が中心で先程の交易と比べて
荒々しい。
馬とに馬車の様子は
現代とそこまで変わらない印象を受けた。
槍に馬に髪を引っ張ったりと
他にはなかったバイオレンスな
様子が面白い。
お墓は宗教儀式、神の迎える様子、
交易と戦、と個性があって全然違うのだ。
戦と交易、対照的である。
イルセーと2人、神殿内の
ベンチに腰掛けて、圧巻としたこの神殿を
ぼんやりと眺めては
信じられない美しさだよね、と
漏らしては、少し話して、
また無言で見入って、
また、どれだけ時間がかかったのだろう、
と当時の情景と悠久の時の流れ、
これだけ昔の人も
こんなにも文明が発展していて
人々は神々との繋がりのが中で幸せそうに見え、
わたしたちは全く発展していないのかも
しれない、当時はより深く、人生や
この世界を考えていたのに対して、
現代のわたしたちはより多く、
よりお金持ちに、より権力を、と
もっともっと多くという
欲望に支配されているように感じる、
なんて話したりした。
夕焼けは逃しながら
ローカルボートに乗って
のんびりと帰った。
イルセーがまたケーキ屋さん行かない?
とのことでちょっと寄り道して
ケーキ屋さんに行くことに。
その言い方も可愛くて、
ケーキ屋さん、寄っちゃう?
どのみち通らなきゃ
いけない道だしね、ね?と
2日連続で行くところも可愛い。
わたしもケーキ2つと
宿でお世話になったお礼に
クッキーの詰め合わせを一箱買った。
なんとケーキ屋さんで
日本人の今朝会った先生と遭遇。
聞くとたまたま迷子になって
美味しそうなケーキ屋さんあるじゃん、と
入ったという。
なんとラッキーなことだろう、
こんなに安くて美味しくて
ローカルにも人気があり
イルセーなんて2日連続で来るほどの
いい店を引き当てている。
宿に着くと日本人が多すぎて驚いた。
みんなひとり旅の20代らへんの女性で、
今までそんなに日本人にも
合わなかったし、だいたい
メンズだったのに、ここにきて3人も。
イルセーも日本人に囲まれて
驚いていて、わたしもできるだけ
こういうときでも彼女が分かるように
英語で話そうとするのだが、
日本人の英語レベルがバラバラで
結局日本語と英語が混ざった
会話になって、日本語ターンのときは
申し訳なく思った。
そのあとオランダの友達も合流して
すごい人数の20代女ひとり旅が集まって
不思議な光景だった。
わたしたちは買ってきた
お惣菜やらパンやらケーキをシェアして食べた。
先生の彼女の他に、
昨日少しおしゃべりした
学生の初海外一人旅の女の子に
オーストラリアでワーホリをしているという
女の子、いろいろだ。
が、わたしは結構疲れていて
あんまり積極的に会話を回したり
せず、気が抜けて食べていた。
大人数の会話があんまり
好きじゃないのと、
英語と日本語が混ざって
より疲れたのと、一日中
ネットがなく連絡が途絶えていて
返さなきゃいけないのが溜まっていたので
一旦抜けて1人でテラスでいろいろ
やることに。
落ち着けてよかったが
寒過ぎて最低限だけ終わらせて
下に降りてまた会話に合流した。
ひとり旅の女の子は
かなり疲れが溜まっていたのと
ナーバスで、ご飯を食べていないという、
シェアして食べてたものも
ほとんど手をつけずで
食欲がないとのことで、
ホームシックと言っていた。
オーストラリアの子もホームシックと
言っていて、わたしは
ホームシックになったことがないので
あまりわからない感覚だったが
辛そうなのは伝わってくるので
どうにか励ましたり
話を聞いたり、何か力になれたらなぁ、と
思って話を聞いていた。
そのあとは何人か部屋に戻り
新しくトルコ人が来たりと
なんだりかんだり、
わたしはケーキを食べている
途中だったので抜けれず、
やっぱり自分の時間がほしすぎるし、
1人でたまには落ち着いて
ケーキを食べたいなぁ、と
ホームシックならぬ
1人時間シックになっていた。
もともとの知り合いに
新しい人がやってきては、
自己紹介をしてなんやらかんやら、
最近宿がシンプルに新しい人が多くて、
プチ繁忙期なのか
どんどん新しい人がきて
しゃべっては、ありがちな
どこから?どのくらいここいるの?
なんでエジプト?あの街行った?
どこどこ観光地どうだった?の
会話が多くて疲労感が溜まっていた。
この日も誰だったか忘れたが
次の日よかったら
一緒に行こうよ、の誘いがあったが
あまり乗り気になれなかった。
わたしはどこか見たり、
とくに博物館とか美術館とかは
自分のペースで見れる1人が好きだし
どこか行くのも、基本1人が好きなのだ。
わたしも行くから一緒に行こ、が
全然うれしくないことに気がつく。
人に予定を、合わせるのが
プレッシャーで疲れるのだ。
基本、自分の好きな時間に
好きなことをしているのが、
自分の空想の世界にひたれるので
それを含めてその場を味わうのが好きなのだ。
逆に、カフェやその辺のイスで
ゆっくり会話を楽しむのは
めちゃくちゃ好きである。
混ぜたくないのだ。
新しい環境や経験と新しい人を。
どちらかに集中したいのだ。
その人にも興味があるので
ゆっくり語り合う分には
ものすごくうれしい。