世界一周270日目🇪🇬1.16 ルクソー、だらしなく進む日々と、確かに積み重なるもの
ぱっとしない日が続く。
ぱっとしないのだが、
悪い訳でもなく、
印象的な会話や心に残ることもある。
ただ、覇気がないというか、
たぶん運動量と比例していて、
会話や考えるだけでは得られない
一日における充実感と満足感があるのだろう。
日記が溜まってしまっていた理由は
何をしているんだ、と思うほど
生産性のない時間を無駄にした
ダイビングのライセンスの追試とその勉強、
宗教や政治、経済や戦争、性や恋愛、
薬物事情や物乞い、現地の暮らしや給料、
などと言った
センシティブでパーソナルな会話が多く、
あったことをそのまま書けず
ここは書かない方がいい、でも
伝えたい、こういうことこそ
価値があって面白く、
オブラートに包んだり
こう表現したり
一部は書かないができるだけ
書けるところは書こうと、
など、一筋縄にいかず
時間がかかるので腰が重くなっていたことが
大きな原因だった。
こういうセンシティブだけど
価値のある内容は、メンバーシップとかにして
全体に公開するのではなく
誤解が少ないように
しっかりと読んで受け止めてくれる人に
届くようにしようかな、と
考えたりする。
今朝起きると頭痛がする。
ひどく深い眠りから覚められないような。
モロッコのときと同じで、
だんだん分かってきた。
朝ごはんのためになんとか起きる。
オイリーで重いが、野菜もあって
美味しくてこれはコスパがよすぎる。
オレンジまであるのだ。
洗濯は一個あたり15円と言われ、
小分けなのはありがたい。
基本は手洗いだが、
ダイビングで海水たっぷりに
なってしまった服やタオルは
一回洗濯機で洗った方がいいだろう、と
思ったのでお願いする。
受付の彼はいつも感じがよく
洗濯物やお金を受け取るときも
両手でしっかりと受け取り、
人柄のよさが溢れ出ているのだ。
そのあとも具合がぱっとせず、
朝ごはんを食べ終わって、
部屋に戻ると眠りにつきたい欲に駆られる。
部屋でぼーっと寝るわけではないが、
インスタやショートを見たりと
時間が過ぎていく。
設定セブンという面白い人達を見つけて
ちょっとしたツボに入りしばしみていた。
東海オンエアみたいな感じがよい。
追試のために勉強して
テストを受けなくてはいけないのだが、
勉強に2時間、テストに2時間は
かかるのが分かっているので
腰が重くやりたくない。
はやく終わらせて解放される方が
よっぽど気持ちがいいのは
頭では分かっているのだが、
目の前のくだらない動画に
逃げているのだ。
そして清掃の人がドアをノックし
ゴミ箱を回収しに来てくれたおかげで
ベッドから出て、勉強してテストを
受ける気になれた。
やっと勉強とテストが終わり、
少し仕事の対応をして
気が付いたら17時すぎと
日は暮れていた。
なんという日だ。
もうすぐ一日が終わろうとしている。
そのあと記事の修正をして、
ご飯でも食べに行こうと下に降りたら、
同じ宿の昨日話した韓国人ダンサーが
ちょうど帰ってきて
夜ご飯を誘ってくれた。
が、イタリアンを食べようと
思ってたんだけどどう?と言われて
うーん、なぜエジプトでイタリアンを
食べたいのか、わたしはローカルご飯が
食べたかったので、
うーん、ちょっと考えるね、と返事。
彼女は旅先で出会った人から
Tシャツにメッセージを書いてもらってて
それも書いてほしい、
わたしはオーナーと話してくる、
その間に考えといて、と
慌ただしい。
メッセージは母国語で書いている人が多く
いろんな言語で書いてあるのが
素敵だなぁ、と思うのと同時に、
そんなに話さなかった人からも
適当にメッセージをもらい、
すごくいい出会いで
思い出が詰まっている風のものが、
なんだか少し違和感を感じたりもした。
キラキラして見えたり
インスタのようなものって、
やっぱり実際はこんなもんだよなぁ、と。
インスタもほぼ話さず名前も
覚えていないような人が
交換しよう、と言ってくるのに
すごく違和感を覚えていたが
その感覚に似ていた。
もちろんそのTシャツを
否定する気は全くないし
すごく素敵なものだと思った前提で。
イタリアンの反応が悪かったのを
察したのか、そのあと彼女は
何か別の考えてた?と聞いてくれ、
ローカルの何かがいいかなぁ、と言ったら
あっさりOKでよかった。
そして彼女はすぐオーナーに
オススメを聞きそこに行くことに。
テンポが早過ぎて目が回る。
彼女は昨日の夜1時すぎまで話して、
寝過ごさないためにイカゲームを観て、
4時起きでサンライズバルーンに行き、
そのまま別のツアーに行って、
あまりよくなくて途中でツアーを抜け
自分で街歩きをして、
帰ってきて昨日もらったマンゴー食べて、
中国人の友達と落ち合って、
宿に帰ってきてTシャツに書いてもらい
わたしを見つけてご飯を誘い、
レストランで充電をし
タクシーを予約しながら食べて、
慌ただしくバス停に向かった。
次はバスで4.5時間かけて
早朝に次の街に着き、
カフェで過ごし
気合いで一泊宿泊費を浮かせて
朝には予約したイルカツアーに
参加する予定だそう。
書いているだけでも目が回る。
なんという忙しさだ。
わたしは起きて朝ごはんを食べて
テスト勉強をしてテストを受けただけである。
同じ一日とは思えない。
中国人とはマックで会って話したそうで、
それを聞いて、なるほど、
わたしとはいろんな感覚が
違うんだなぁ、と実感した。
ちなみにコフタは美味しいが、
ここで食べたことで
フルダガのあのレストランが
やっぱりカンストして美味しかったのだと
再認識させてくれた。
昨日も実は寿司に誘われやんわり断り、
今日はイタリアンと、
地元のご飯ではなく
いろんなツアーに参加して、
なんだか旅のスタイルも興味も
全然違って面白い。いろんな人がいる、
21歳ダンサーで
すでに独立して仕事を持ち、
自分の国やホテルで休めばいいから
旅中はめいいっぱい詰め込んで
全部楽しみたいそう。
若さとエネルギーと体力に満ちていて、
これはすごいと思った。
羨ましかったり真似したいとは思わないが、
純粋にすごいと思った。
わたしの好きな旅は
慌ただしく観光客向けの
ツアーをこなすことではなく、
マックやスタバといったチェーン店や
寿司やハンバーガーやパスタといった
ローカル感のないことをするのではなく、
のんびりできるだけローカルに近く
その街を見ることだ、と再認識した。
こんな何もしていないような日々でも
自分に合っていて、
それでいいのだ、と思った。
そしてテラスでゆっくりしていると
なんと彼女が帰ってきた。
バスを逃したらしい。
いつも遅延するから
少しくらい遅れて大丈夫だろうと
思っていたら、今回は遅延しなかったらしい。
おまけに急いでいたので
タクシーの運転手に多めに言われて
戦わずにそのまま払い、
バスを逃して落ち込んでいるのに
ニーハオニーハオ、と
ガンガン絡んでくる客引きにも疲れ
早く行動しておかなかった自分を
責めて悔やみ、と
とにかく元気がなかった。
わかる、こういうときって
そうなのだ。自分が悪かったり
誰も責められないことと、
明らかに面倒くさい人に
無駄に絡まれたり、お金を無駄にしたりと
行き場のないストレスが降りかかってくる。
こういうときは
何か幸せなことがちょっとでも起こると
負のスパイラルから抜け出して
ポジティブな気持ちを取り戻し
前を向き直せるものだ。
元気付けたいなぁ、と
クッキーをあげようと
部屋からとってこようと思ったが、
せっかくなので気になっていた
エジプトのスイーツを買ってくることにした。
適当に見かけた店に行くと
地元のおじさんが買いに来ていて
わたしがショーケースをのぞいていると
英語が少し話せて
エジプトのスイーツだよ、と
話しかけてくれる。
オススメを教えてくれたり
このサイズがいくらだよ、と
教えてくれたり、
自分が買ったのを味見させてくれたりと
なんだかとても優しいのだ。
こういう人との出会いって
たった五分だとしても
心に何かを残してくれる。
帰ってきたらオーナーもいて
エジプトのスイーツにしたよ、
一緒に食べよう、という。
最初、彼女にはクッキーをとってくるね、
と言って出て行ったので、
彼女は、「わー、何これ??
買ってきてくれたの?ありがとう」
と少し泣き出しそうになって
よろこんでくれたが、
オーナーはすぐに値段を聞き、
地元のおじさんが買うのを手伝ってくれた
と話すも、それでもまだ観光客価格だね、
といい、
開口一番に値段聞いてそういうのは
ナンセンスだな、と思ったが
まあ、彼女が元気になったのなら
それでいい。
わたしもこういう落ち込んだときに
そのあとの人の優しさに触れて
立ち直った経験は何度もあり、
それは仲のいい友達じゃなく
ときには出会ったばかりの人が
くれる優しさもあったので
気持ちはすごくわかる気がしたし、
わたしも、恩流しがしたいし、
自然とそういう行動に出れるのも
旅をしていろんな優しさと出会ったから
だと思うと、こういう一つひとつが
旅をする価値であり、
経験がわたしをつくってくれている、と
実感してうれしく思った。
あまーいバクラヴァ系の
アラブやイスラム圏でよく見るスイーツで、
何種類か混ぜて買ってきたのだが、
オーナーはこのうちの2つは
とくに定番でスペシャルなんだよ、
と教えてくれる。
その理由は、奥さんが作ったら
今日はいい夜を過ごしたい、という
意味になる、だからこのスイーツは
エジプト人にとってスペシャルなんだ、と
役に立つような立たないような
知っておいてまあ面白い情報をもらう。
わぁお、ん〜〜、ははは、と
一通り含みのある感じで
適当だが笑いもあるリアクションをして
2人で笑ったあと、
彼女は充電をして予定を立て直すために
部屋に戻った。
オーナーも今日は忙しそうに
電話をしていて、どこかへ行く。
1人でゆっくり残ったスイーツと
紅茶を飲みながら、
航海日誌を書いていた。
なんだかこの1人になった
穏やかで静かになった時間が
好きだった。
しばらくして眠気が強くなり
部屋に戻ることにした。
新しい同居人がいて、
リトアニア出身だという。
地方や田舎や自然が好きで
彼女の表現する自然が、
ラトビアだがミトンの本のように、
ロシアの友達のように、
同じ美しさを感じた。
彼女は街や国の人口を把握して
ロジカルに感覚だけでなく
大きな街の話をしていて、
以前あったリトアニア人も
同じようだったことを思い出す。
リトアニアの人口は287万人で
エジプトはカイロだけで1000万人を
超えている。全然違う、と話してくれた。
6年前にポーランドに留学し
そのときにバルト三国も旅をしたと話すと
リトアニアに来たことがあるのね、と
すごくよろこんでくれた。
きっと6年前は安かったでしょ?
今は北欧の国とどっこいの値段で
なんでも高いんだよ、とのこと。
時が過ぎていき、移ろいを感じた。
たしかに同時から北欧は高かったが、
バルト三国は高かった印象はない。
日本は本当に失われた30年という
経済が全く発展しない、
物価は少しずつ内容量が減り、
5個が4個になり、巧みに容器の形を変え、
牛乳は1リットルから900ミリになったりと
見えないように気付かれないように上がり、
給料は全く上がらないという
不思議なときを過ごしたのだろう、と
実感する。
ヨーロッパを旅してどう思う?と聞かれ、
街並みはキレイで感動して記憶に残っているけど
地元の人と交流した、そういう思い出はなく、
モロッコやエジプトやヨーロッパ以外だと、
そういう地元の人との出会いの思い出が
濃くたくさんある気がする、と答えると、
彼女もとても共感していた。
ヨーロッパはキレイだけど
coldだよね。他の地域やこうして
エジプトを旅すると、
たしかに詐欺とかうざい人もいるけど
たくさんの人との繋がりや
優しさや温かさと出会うよね、と。
ポルトガルとスイスは
わたしの中でちょっと違い、
人との出会いも思い出に残っている
素敵な国だった。
そして彼女は朝早かったのと
明日は日の出が見たいから早く寝るね、と
就寝した。
わたしも日の出を見に散歩に行きたいけど
6時半とそんなに早く起きれないのは
確定で分かっていつつ、
眠かったのでわたしも早めに眠りについた。
ぼーっと、日本のことも考えた。
旅をしていて、日本のすごさを
ひしひしと感じる。
日本という国、日本人、と聞くだけで
これほどまでに信頼されて
いい人、いい国、と思われる国は
日本しかないだろう。
キレイ、安全、テクノロジー、
というだけでなく、
財布が戻ってくる、
人に迷惑をかけない、
思いやりがある、という人間性、
世界に愛される漫画とアニメ文化
というのは、特出している。
なんだが日本は
ものすごいポテンシャルがあるから、
沈みゆくだけでなく
ブラック企業で働くだけでなく
日本人がもっと豊かになれる何かが、
そして日本人だけでなく
世界の人も幸せに、豊かに
なる一助を、日本や日本人なら
できる気もした。
それは金銭的に豊か、という話ではなく、
別の意味でも。
漫画やアニメなんてまさにそうで
世界中の人を虜に、心を豊かにしていて、
それはアイドルや映画やバラエティや、
何とも違った、特別なものに思える。
エジプトの歴史のYouTubeを
耳だけで聞いていたが、
何も入ってこず、声だけが心地よく
気がつくとすぐに眠りについていた。
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