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バックワーデーション時の投資戦略

現在の原油先物市場を見てみると、決済期日が先(つまり期先)になればなるほど価格が低下している状況となっています。一般的にこのような状況を「バックワーデーション」と呼びます。

具体的に現在の WTI 原油先物を見てみると下グラフの様になっており、期近(21年5月限)の価格が $59.77 に対して、6ヶ月先(21年11月限)は $58.48、1年先(22年5月限)は $56.69 となっており、期先になるほど価格が低下しているのが分かります。

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これが意味するところは、現在 $60 近い原油価格が将来低下すると市場が見ており、それが価格に織り込まれている状態であるという事です。

この様に「バックワーデーション」の状況で原油投資をする場合、仮に自分の今後のビューが「現状とあまり変わらない」(もしくはもっとアグレッシブに「もっと価格が上昇する」)という見方であれば、期先の先物をロングする戦略も面白い選択肢かもしれないです。
その理由としては、”現在の先物価格が均衡点” であり ”もし今後様々な条件が変わらない” のであれば、期先の先物を期近よりも低い価格でロングすると時間が経過すれば自然と上昇する効果が見込まれるからです。

具体例として、例えば22年5月限を $56.69 でロングしたと仮定します。(勿論このような事はあり得ませんが →)その後様々な環境 / 条件が変わらず1年経過したとします。すると価格の均衡点である期近先物価格は $59.77 になると考えられるので、結果としてポジションとして +5.4%( ← $59.77 ÷ $56.69)の含み益となります。

マーケットが織り込んでいる見方(今後原油価格が低下)と自分が考えている見方(現状維持もしくは原油価格が上昇)が違う状況 かつ バックワーデーションの状況のもとでは、この様に期先のポジションを取る事で「時間を味方につける」戦略も一考の余地があるのかなと考えています。

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