たらい回し医療と貧困者の苦悩

先日、ゴミ回収の仕事をしている夫が、ゴミ袋をつかんださいに、何かが指に刺さりました。
午前中に刺さったのち、どんどん腫れて指が曲げられなくなってしまったから、帰りに整形外科に寄ると、LINEが来ていました。

仕事終わりですから、時間も夕刻なので、ことの経緯と診てもらえるかを電話連絡したところ、どうぞきてくださいと言われたので受診。

すると、何が刺さったか分からないのであればうちでは見られない、もっと大きい病院に行くか皮膚科に行けと言われたと、仕事が終わり帰宅途中の私に夫が大激怒で電話してきました。

だったら最初に電話で説明してるんだからそのときに皮膚科だと言えばいいじゃないかと怒っていました。

で、どうするの？　と、聞くと、教えてもらった皮膚科は近くで、あと30分以内に行けば診てもらえるから行ってくると言うので、私は帰り自宅で待つことにしました。

2時間以上帰ってこないので、処置でもしてもらってるのかなと思っていましたら、夫は先ほどよりも一層イライラして帰ってきました。

2時間待って診察5分で、皮膚科では処置出来ないからもっと大きい病院の形成外科に行けと言われたと言うのです。

大きい病院って、そのまま行くと初診料がとても高いので、地域医療の流れとしては、大きい病院を薦めるなら紹介状を持たせてもらうものだと思っていました。

わが家は今お金がないので、ソーセージがはち切れそうになった指で、病院には行かない。仕事をしないと今月の返済が間に合わないと言って夫は不貞腐れてしまいました。

以前骨折したときに救急でかかった某大学病院なら、救急だから紹介状なくても良いだろうと夫は言いますが、いやいや、時間外診療も結構搾取されるし、私はあの骨折の時の対応もあんまり信用してなかったのでしぶりました。

ますます不貞腐れる夫……。

その日は皮膚科でもらってきた抗生剤を飲み、軟膏を塗って様子をみることにしました。

私も翌日仕事だったので早めに寝たのですが、ふと深夜に目覚めたら夫の姿がないのでリビングに見に行くと、リビングで寝てしまっている夫。

指がますます腫れてる！
軽く揺さぶっても起きなかったのでとてもびっくりしました。
激しく揺さぶったら目を開けた夫。
普段からそう簡単に起きない夫には毎度ヒヤヒヤさせられるのですが、それよりなにより、やはり病院には行く必要がありそうでした。

何かが刺さって腫れたというワードで調べると、膿が溜まって腫れた場合は切開する必要がある、と。
だから、そういう設備ではなかった町の整形外科や皮膚科では大きな病院を薦めたのでしょう（なら何故紹介状書かないのか疑問は残るが）。

いくつかの病院をリストアップし、夫のLINEに送り、朝になって私のなけなしの一万円をテーブルに置き、仕事に出掛けました。

出掛けるさいに、夫には、放っておかない方がよさそうだから病院に行くように、もし切開など外科的処置がされるなら保険が効くかもしれないからそれも視野に。
夫も、病院に行く前に、昨日のたらい回しの状況から処置が必要みたいだけど場合によって切開などの処置をやってもらえるか聞けば良いかなと言うので、それが良いねと同意し、あとは夫に自分でなんとかしてもらいました。

結局、調べた先の病院の対応に夫は満足して帰ってきました。
切開の準備をして待っていてくれたけれど、切開の必要がないこと、それでも2週間指を動かしてはいけないことなどを説明され、仕事が出来ない場合の診断書も書いてもらえたということで。

前日の受け入れますよって言っておきながら受け入れられなかった整形外科。
うちじゃ対応出来ませんと言った皮膚科。
そういうところにもお金払うのってなんだかすごく残念な気持ちです。

お金がない人は病気や怪我、治せないってことになるんじゃないかなって思います。

人は、なりたくて病気になるものじゃないし、遭いたくて事故に遭うものでもないのだから、病院でお金を払うってなんだか変な気持ちになります。
全額負担じゃないとは言っても、数百円単位をギリギリで生活している者にとっては受診すべきときに受診をためらうということが生じます。
極端な物言いをすれば、払えない者は◯ねと言うことになってしまいます。

受診者が直接お金を払わなくてもいい体制が取れるのが1番なんですけどね。
そうするには税金を引き上げなきゃダメでしょう？
むむむぅ…‥としか言えない。

お金って本当に大事です。
景気、本当に良くなってるの？
全然報われないんですけど。