見出し画像

日記2/22-24 OFFLINE LOVE感想、京都イタリアンなど

2/22 (土)

13時からまつ毛パーマ。

わたしが一人で出かけるとき、置いていかれることをいつも不思議なくらい早々に察知するぼうや。
大泣きを背に切ない気持ちで家を出るのが常だけど、今日は、きっとさみしい気持ちはあっただろうに泣かずに「いてらっしゃーい」「パピとごはんたべる」とお見送りしてくれて、そのけなげさに胸打たれる。

うつらうつらしているあいだにまつ毛、ぱっちり上がる。
まつ毛はわたしの顔のなかで手をかけることで一番変化が感じられるパーツで、扇のように目のカーブに沿ったまつ毛がくるんと上を向いていること、マスカラでそれを強調してあげることで顔の印象がぱっと変わると自分では思っている。

とくに右目のまつ毛の生え替わりがあったこともあり、今日までしばらくのあいだ、理想とは遠い目元で過ごしていた。

まつ毛はばらばらの方向を向き、抜けたところにあらたに生えてきたカールしていない短いまつ毛部分は、歯抜けの櫛のようで落ち着かなかった。

顔の華やぎにもっとも影響するまつ毛がやる気なく下がっていると、最近それでなくとも低いお化粧への意欲がますます低下してしまう。
直近の1週間はほぼお化粧らしいお化粧もせず過ごしてしまった。

まつ毛を上げたければビューラーをすればいいのだけど、持っていない。
わたしがお化粧をするようになってすぐに普及しだしたまつ毛エクステやまつ毛パーマのおかげで、ビューラーでまつ毛を自分で上げるということをほとんどしたことがないのだ。


サロンを出たあと、引きつづき彼にぼうやをみてもらいながらカフェに行った。
向坂くじらさんのエッセイがおもしろく、カフェでnoteも読む。
性被害の告発にまつわる記事。

2/23(日)

彼とNetflixの恋愛リアリティ番組「OFFLINE LOVE」を5話の途中から9話まで一気見する。
前日まではお夕飯を食べながら毎日1話ずつ観ていた。

舞台はフランスのニースで半分は映像美を楽しむ旅番組、それもデートコースに特化した旅番組といってもいい。
ロマンチックな絶景のオンパレードに「うわあ綺麗!」「いいなあ行きたーい」と口々に言いながら楽しんでいる。 

恋愛リアリティショーにありがちな、意図的に焚き付けられた同性同士のバチバチした争いだとか、「選ばれない」ことで出演者が脱落していく殺伐とした空気がないのもいい。

焦点が「旅先での運命チックな出会い」にしぼってあって恋愛の深いところにどんどん踏み込んでいくという感じではなく、出演者をへんにけしかける仕掛けもないので、よっぽど変な振る舞いをしない限りは登場人物のネガティブな側面は見えにくい。炎上リスクも低そう。
この番組ならわたしも出たい。
夫ですら「すごく暇だったら出てもいいなあ。ネガキャンにもならなそうだし」と言っていた。

なんせ舞台がよすぎる。
ニースにとどまらず周辺のさまざまな風光明媚な街に出かけては趣向を凝らしたデートが繰り広げられるのだ。
魅力的で豪勢なフランスでのアクティビティ、さすがはNetflix。


「恋愛どうこうよりテレビに出て有名になりたい」という出演者の気持ちがありありと見てとれる番組だと、こちらもそれを了承の上で”リアリティ”番組を視聴しなければならなくてなんだかややこしいし没頭できないことになりがちだけど、この番組はあまり不自然なルール設定がなく、したがって出演者もわりと自然体。
見る側としても入り込みやすい感じがする。

容姿端麗で恋愛したいお年頃の男女をロマンチックな街に放りこめば、そりゃあスイートな展開も期待できる、でも恋愛することはマストじゃない。
ドラマみたいなことが旅先で起こらない、それもまたリアル。
ただ、普通よりは”運命”を信じられるような仕掛けを用意していますよ……という。

夜は近所のオッティモというイタリアンへはじめていく。
パルミジャーノとハムのサラダと生ハムの盛り合わせ、剣先イカときのこのフリット、イカ墨のリングイネとボロネーゼ。(パスタは2皿とも大盛り)
彼は赤ワインのボトル。

パスタ好きの彼は前々からこのお店に目をつけていたらしく、わたしもオッティモのすぐ近くでネイルサロンをしているお姉さんから「ここのお店美味しいですよ」と聞いていた。

ここが大当たりで、パスタには少々うるさい彼が大喜び。
帰り道、おいしかったなあ、また行こうねえ、と何度も言いあう。


この満足度の高さはおいしかったからなのだが、それだけではない。
接客のお姉さんがぼうやを可愛がってくれて、シェフも厨房からやさしい視線をくれて、ものすごく子連れフレンドリーなお店だった。

持参したおにぎりを早々に食べ終え「もとごはんたべる!」と高らかに宣言するぼうやに、しかしイタリアンレストランでは頼めるメニューがなく(ぼうやは卵や小麦、乳製品などのアレルギー)、
夫が事情を話して「この子でもなにか食べられるものってありますか……?」と聞いたところ、お姉さんとシェフが相談し、色よく茹でたとりどりのお野菜と、フライドポテトを出してくださった。

ポテト大好きなぼうや、出てくるなり「ぽてといただきまーす!」と言っていて、かわいかった。

子連れのお客にあれこれ気を遣いすぎることなく適度な距離感で、でもすごく歓迎の意は伝えてくれる接し方をしてくれたことがありがたかった。
小さい子どもと入店すると、お店のひとの「接客」と「人としての自然な接し方」のバランスのようなものがよく見える。

おいしいパスタが食べられて、ぼうや連れでも気兼ねなく行けるお店。
近くにそんな場所を見つけられた彼がすごくうれしそうで、わたしもうれしい。

「あ~~パスタうまかったなあ。あの味って自分じゃ作れないから外で食べるしかないんだよなあ。ぼくがパスタを好きな理由がぜんぶ詰まったパスタって感じだった」
シェフが聞いたらきっとうれしいだろうな。


2/24(月・祝)

OFFLINE LOVEの最終回を見て、彼とぼうやは公園、わたしはカヌレのカフェへ。
もう何回も来ているけれどカヌレはまだ食べたことがない。

近くの席からちゅぱちゅぱと音が聞こえるので目をやったら、おじいさんがマグカップの底や側面を人差し指でぬぐっては舐めていて目をうたがった。ミルキーなみどり色だったのでたぶん抹茶ラテ。

気にしなければいいのだけど一旦見てしまうと気になる。連れの女性が指摘したりやめさせるかと思いきや、何も言わない。
おじいさんの手は止まらない。
ちゅぱちゅぱ音が気になってわたしもつい見てしまう。カップの内側がぴかぴかになるまでやめないのかもしれない。

たまにこのおじいさんのような、自意識のかけらもなさそうなお年寄りがいる。

そのたびに意識にのぼるのは、
こういう人は年をとってから周りの視線を気にしたり「こういうことをしたらみっともない」と自制することがなくなったのか、それとも若い頃からこういうタイプの人だったのか、という疑問。

年をとると若いころは過剰だった自意識もうすれ、恥ずかしいといった感覚がなくなるんだろうか。
それとも老化で視力が下がり視野も狭まり、物理的にほかの人の存在が視界に入らなくなってなんでもできてしまうんだろうか。
もしくは、いまほどモノが豊かにない時代に生まれ育った記憶で、カップについたミルクの泡さえも無駄にできないのかもしれないとか?
謎は謎のままだ。

お夕飯は彼が作ったチャーハンとナムル。
彼がこのあいだデリバリーしたラーメンの汁をとっておいたのがあって、それを煮詰めてチャーシューを作り、チャーハンの味付けにも使っていた。
わたしでは思いつかない再利用法。ジャンキーですごくおいしかった。
ラーメン屋さんのチャーハンという感じ。
あんまりラーメン屋さんのチャーハン、食べたことないけれど。

OFFLINE LOVEを見終わったので、ABEMAの「ラブパワーキングダム〜恋愛強者選挙〜」という恋愛リアリティの1話を観る。

「恋愛強者」たちによるNo.1モテ男&モテ女を決める恋愛サバイバル、というコンセプトで普段だったらぜったいに見ないのだけど、この番組に出ている一人に、一度だけだがわたしたちは会ったことがあって気になっていた。

配信前にYouTubeで出演者の紹介動画をチェックした際には「わたしよりモテる人見たことないです」など異性に好かれることを自信満々に話す男女たちの、とくに男性陣の歯の浮くようなキザなセリフがもうぞわぞわ鳥肌が立つ感じで、その動画すらほとんど見られないくらいだったわたし、もちろん本編もきつかったのだった。

出演者がわるいのではない。
ただ番組のコンセプトに沿って、繁殖期の野生動物のような言動をしている(させられている)のであって、だからリアリティショーというよりフィクションに近いのかもしれない。
でもまあきつかった。。

ABEMAの恋愛リアリティの視聴者って青少年がメインですよね?
この番組を見て「なるほど、異性にモテるにはこういう行動をすればいいのか」なんておバカな勘違いを10代の子がしないか心配になった。
彼が苦笑していても、番組へのわたしのつっこみは止まらない。

OFFLINE LOVEが洗練された上質なフレンチのフルコースだとしたら、「ラブパワー」はなんだろう、二郎系ラーメンとか日清焼そばU.F.O.?(←食べたことないけど)
OFFLINE LOVEの世界に帰りたいよう。

「どう?どう?こんな刺激的なことされたら好きになっちゃうでしょ?」なんてことじゃなくて、相手のおはなしを一生懸命聞いて、いっしょにきれいなものを見て心動かされる時間を共有して、そうやって誰かのことを好きになったり好かれたりするひとになってね、とぼうやに言い聞かせる。

いいなと思ったら応援しよう!

anna
最後までお読みいただきありがとうございます。♡いただいたチップはエッセイ集の作成に使わせていただきます🕊️