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京都でこんな“夜遊び”はいかが
京都に越してきて、もうすぐ丸3年。
京都も立派な都会であり、東京から越してきても不便さを感じたことはとくにありません。
飲食店のレベルの高さは東京に引けをとらないし、美術館や博物館など文化施設も充実しています。京都に店舗がないショップの品物はオンラインで取り寄せればいい。
というわけで引越し当初「東京にあって京都にないものってなんだろう」と考えたとき、一番に頭に浮かんだのはナチュラルローソンくらいなものでした。
ちょっとリッチな気持ちでお買い物できるコンビニこそないけれど、それを補ってあまりある、質のいいものを取り扱っている小さなお店がたくさんあるからいいのです。
そんなようなことをぼんやり考えていたとき、もうひとつ「京都にないもの」を思い出しました。
……そういえば、京都には都会の夜景もないなあ、と。
建物に高さ制限があって高層ビルが建たない京都には、「高層階から夜景を一望する」という機会がないのです。
眼下にきらめく宝石箱をひっくり返したような都会の夜景を楽しみながら、薄暗いレストランやバーで乾杯……というイベントは、こちらに越してきてなくなりました。
だけど京都を高いところから一望できるチャンスはないのかというと、そんなことはありません。
もし京都の夜景を眺めたければ、山に登ればいいのです。
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京都市東部にある、夏の「五山の送り火」で有名な大文字山。
夕暮れ時にあわせてその大文字山に登る「ナイトトレッキング」は、私の京都でのいちおしの遊びです。
夕方に銀閣寺近くの山道入り口から歩き始め、てくてく登ること3,40分。
ちょうど日が沈もうとするころ、送り火の舞台である火床にたどりつきます。
一気に視界がひらけて、空が近くなったことを感じる瞬間です。
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はじめて大文字山に登ったとき、あらためて「京都ってほんとうに山に囲まれた盆地なんだなあ」と感心したことを覚えています。
まるで古都を抱き守るように、周りをくるりと囲う山々。
そしてそこから眺める黄昏どきの京都の美しいこと。
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空が茜色から薄青、濃紺へと色合いを深めてゆくにしたがい、星々のようにじんわりと街のあかりが浮かび上がってくるさまにうっとりします。
そう、「じんわり」といった表現が合うような、高層ビルが林立する都市のギラギラとは趣の違う夜景なのです。
大好きな京都の街の1日がやさしく、ロマンチックに閉じられてゆく瞬間に立ち会うと、なんだか胸がいっぱいに……
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山頂に腰かけ、あたたかいドリンクを飲みながらこの夜景を眺めれば疲れもすぐに癒やされるというもの。
全身にうっすらかいた汗も、すぐに心地よい夜風が冷ましてくれてひんやりしてきます。
大文字山は決してハードではなく、ハイキング気分で登ることができる山。
「山に登る」といっても初心者でも歩けるやさしい山道です。
ですが夕暮れを目指して向かうと降りる頃にはあたりは真っ暗なので、道に慣れていない限りはガイドさんと一緒に登ることをおすすめします。
私が何度か参加したことのある「ナイトトレイル」は四条にあるGOOD NATURE HOTELが主催しているアクティビティで、ガイドさんに導いてもらいながら楽しむことができます。
宿泊客でなくても、誰でも予約可能です。
京都に住んでいる人も旅行で来た人も、スケジュールとお天気が許せばぜひ、「京都の夜景を見下ろす体験」はいかがでしょう。
街や人と、山との距離が近いこと。
これは私が京都を愛する理由のひとつです。
街だけでは息がつまる、かといって山だけでもきっと退屈。
都会的な洗練や文化のある街と、険しくなく人間を受け入れてくれる山、そのどちらもがあるこのバランスが私にとってはちょうどよいのだと、京都に暮らし始めてから実感しています。
いまは赤ちゃんがいるのでナイトトレッキングはしばらくお預けになりそうですが、
夕方買い物をしようとベビーカー押して外に出て、ラベンダー色に霞む山が視界に入ると、それだけでふっと心は憩うのです。
心身の調律がとれるこの場所で暮らせていること、幸せだなあと毎日思います。
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