愛する人に、一生分の力を与える
旅がしたい。
非日常の世界に浸りたい。
私には、感動することが必要…
最近、よく思っていること。
いますぐ私を非日常の世界に誘ってくれる何か、と思って、久しぶりに映画を観よう、と思い立つ。
できれば芸術家の生涯に迫った作品がいい…
そう思ってnetflixやAmazonプライムをのぞくも観たいものがなく、目に留まったタイタニックを再生してみることに。
有名すぎて逆に観たことがなく、「豪華客船が沈没して恋人たちも沈む話」という情報が私にとってのタイタニックのすべて。
レオナルドディカプリオが主演を務めたことすら知らなかったほどだったのだが、みるみる引き込まれた。
世界に20年以上遅れてレオナルドディカプリオのかっこよさを今更知る。
彼が演じるジャック、なんっっていい男なの…!!!
たとえ過酷な環境に置かれ人生の残酷さを思い知らされるようなことに遭っても、それを恨むことなくいつもこの世界に心ときめかし、まだ年若い青年ながら成熟した精神、人の本質を見抜く目をもち、そしてとってもチャーミング……
ジャックの人物造形の素晴らしさにきちんと納得感を持たせるディカプリオの演技に、ヒロインのローズだけでなく、私の心の中にもすっかりジャックが住み着いた。
死の間際、ナイフのように全身を刺す極寒の海に身を浸しながら彼がローズに伝えたのは、沈没する運命にある船に乗り合わせたことへの後悔や恨みではなく、この船のチケットが人生最高の贈り物だったということ…
そうやって最後まで彼女を励まし続けた姿には胸が詰まった。
若い二人がタイタニック号で出会ってから船が沈むまでは、時間にしてほんの一瞬。
その一瞬の邂逅が、その後ローズが長い人生を生き抜く支えとなり、勇気となったのだ。
愛する人に一生分の力を与えるのに必要なのは時間ではない。
昔ほど事故や病気で無造作に人が死ぬ時代ではなくとも…愛し合う同士が離れ離れになってしまうことは昔も今もある。
彼とぼうやと今一緒に生きていること、への感謝が湧いた。
セリーヌディオンのmy heart will go onを聞くと、映画を観終わったあとも、いま愛する人たちとともにいられることへの感謝が呼び起こされるようになって、映像と音楽というのは力があるものだな、とあらためて感じる。
ジュリアス師匠の言う通り、映画から学べることは多い。
すっかりタイタニックに魅了されてあの世界から離れがたく、1週間のうちにあの長編映画を2回観た。
お気に入りのシーンはその限りでなく何度も再生したし、YouTubeで撮影の裏側や未公開シーンも漁り、my heart will go onの歌詞も覚え、間違いなくタイタニックは私のもっとも好きな映画の一つとなった。