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志麻子の全身タイツは畳めますか?

総務とか人事とかそれ系の部署にいると、いわゆる代表電話というものをとる機会が多く、さまざまな人からの電話を取るという経験をしてきました。

本日は、私がさまざまな会社を転々としてきた中で最も印象に残っている電話の話をさせてください。


「5時に夢中」を知っているか?

ところで『5時に夢中!』通称「5時む」というテレビ番組を知っているかい?

地方(関東県外)にお住まいの方や、昼間フルタイムで真っ当に働いている人間はまず観ることのない番組です。

「5時む好きなんだよね〜」って気軽に口にすることは、大人として、一社会人としての沽券に関わります。

ましてや初デートの相手なんかに

「好きなテレビ番組とかある?」

「んー、5時むとか好きでよく見るよ〜」

などとは決して言ってはなりません。
それは2人の関係性の終わりを意味するかもしれないし、

「え?俺も5時む好き!毎日観てる!」

って返されても、それはそれで嫌なんだよ。

そのため視聴していることをなかなか口外することは難しい、それが『5時に夢中!』という番組です。

7年ほど前になるのか、育休中だった私は、なんか観るものないかな〜とチャンネルをいじっていたところ、はじめて「5時む」を視聴しました。

大好きになりました。


そのときの内容はたしか
ドレスコードのあるレストランにシースルーの服はどれくらい透けてても行けるのか?という検証をしていました。
最終的に番組ADさんが網タイツ並にざっくり編みのピッチピチのトップスを着て、シースルーを通り越してB地区丸見え状態でレストランに入店してみるという、アホを極めたVTRが流れていて、それをスタジオメンバー一同腹を抱えて爆笑していました。そしてそれをテレビ越しにみている私も腹を抱えて爆笑しました。


何この番組!?バカすぎるでしょ!!

この日以降、赤子を寝かしつけた後のしばしのブレイクタイムに5時むを視聴するのが育休中のルーティーンとなりました。


なお、5時むは月曜〜金曜日に放送していて、日替わりでコメンテーターが変わるのですが、私が1番好きだったのは、例の透けB地区検証をしていた木曜日で、コメンテーターは

  • 中瀬ゆかりさん(新潮社 出版部 部長)

  • 岩井志麻子さん(作家・よくヒョウ柄の全身タイツを着ている)

の仲良しコンビ。

そして木曜日が最も下ネタ率が高い。


育休が終わり、日中働く生活に戻っても
木曜日の5時むだけはしばらく録画して観ていたものです。

ただ、娘の心象風景に「5時むを観ていた母」が刻まれるのは母としての沽券に関わるので、娘が物心つく前に5時むを観るのは卒業しました。


5時む、アゲイン


5時むを卒業してしばらく経った頃のこと。
育休明け、私は「とある機械」を開発している会社に勤めておりました。
ある日私は1本の電話に出ました。

「突然のお電話で失礼します、TOKYO MXの5時に夢中!なのですが、」

ご じ む か ら で ん わ き た


やばいでしょ、、
育休中お世話になった5時むから電話がかかってくるなんて、そしてそれに出るなんて、、

で!!ご用件は!?!?


「御社の開発している◯◯という機械で、うちの番組出演者の岩井志麻子のヒョウ柄全身タイツが畳めるのか検証する企画をさせていただけないでしょうか?」


やっっっっばい!!!!
超観たい超面白いその企画!!!


その、開発中のとある機械というのは、とてもハイテクで時代の最先端をいくような、今までにない機械だったんだよね。デザイン性もすごくこだわっていて、見た目もめっちゃカッコよくて・・

その機械で志麻子の全身タイツを畳めるのか検証するっていうの!?!?

バカなの!?


やっぱり5時む、大好きだわ。


そのとき広報担当者が離席中だったから、要件をプルプル震える手でメモしたよね。
表面上冷静を装いながら笑いを堪えるのに必死でした。
こんなにエキサイトした電話対応は後にも先にもございませんよ。


あの5時むから
そしてあの木曜日メンバー企画から
電話がかかって来るなんて。


結果、その企画が実現することはなかったし、その機械も世に出ることはなかったのだけど(色々察して…)

私はいつか絶対、このことをネタにひと記事書こうと、数年間温め続けていたのでした。


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