家を買いたいが
数年前から分譲マンションを探している。が、近年のマンション価格はバブル期を越えたとかなんとかで、信じられないほど高騰している。
私たち家族は、都心ではないが都内に程近い比較的アクセスの良いエリアに賃貸マンションで住んでいる。都内ではないものの人気路線のメジャー駅であるため、賃貸も分譲もとにかく高いのだが、必死に働いてなんとか暮らしている。
本当は、長男が小学生に上がる前までになんとか家を購入したかったのだが、沢山見学に行った割には、これ!という物件に出会えず今に至る。
周りは持ち家の人が多くて、特に保育園の同級生なんかはこの3月にゴソっと皆引っ越したりしていた。やれマンションの内覧会やら、戸建が完成したやら、とても羨ましかった。
未だに賃貸でフワフワしてるのってうちくらい?と、言いようもない焦燥感に襲われたりもした。
あれから数ヶ月ー血眼で勤しんでいた物件探しだが、息子が小学校に入学し、一旦落ち着いてしまったことでモチベーションが落ちた。
両親は色々と急かしてくる。30代半ばで2人も子どもがいて、まだ賃貸住まいだなんて。35年ローン組んだら、70歳だぞ?早くしないと、みたいな。
分かっている、分かっているが、買いたい!住みたい!と思える物件に出会えないのだから仕方がない。
全く魅力を感じないマンションに7000万も8000万も払える訳ないのだ。
そこでふと考えた。
家って何だろう。
なぜ皆、家を買うのだろう。
勿論、家賃がもったいないというのはあろう。
家を買えば自分たちの財産になる。
自分たちの城に住める。
それだけ?
最近、風水や占いの世界では、200年ぶりだかの「風の時代」とやらに突入したそうで、何かを所有することが価値とみなされた時代は終わったという。
物は持たず、必要に応じてシェアしあったり、住む場所を変えたりする。そもそも場所や時間に縛られない。自分にとって、その時々の最適な選択をしていく時代の到来。
そんなときに何千万ものローンを抱えて、その地にどっしり根を張る、この先ひたすらローンの支払いに追われるなんて、時代と逆行していやしないか。
とはいえ、子ども達がいる。子ども達は保育園や学校があるので、そんな簡単に転々と住まいを変えられない。そして子どもはどんどん大きくなり、今の賃貸では限界が来ているのも事実。
はてさて、買うのが正解なのか、買わないのが正解なのか、全く分からない。
しかし快適な家で、家族全員が気持ちよく、元気に楽しく暮らしていければいいなと常々思っている。
家で、子どもが育つ。
家で、家族が育つ。
自分と家族がハッピーでいられる家。
それってどんな家なんだろうと思いながら、コーヒーを淹れて一息つく。
ちなみに現在住んでいる賃貸マンションの一番のお気に入りは、南向きの明るくて広いバルコニーと、そこに置いたハンモックで過ごすひとときである。
こういう些細な幸せを大事にしたい。
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