小3息子の一人飛行機デビュー・一回り大人になって帰ってきた2024夏
小3の息子が、自分だけで飛行機に乗って、義実家(九州)に行ってみたいと言い出したのは1ヶ月ほど前。
ちょうど、旦那の親戚が仕事で東京に来ており、帰るタイミングだったので一緒に乗せてもらい、1週間超、父も母もいない【一年に1、2回だけ会うババジジ】の家で過ごした。
旦那の実家はまさに異文化。良くも悪くも、同じ日本で同じ時代に生きているとは思えない環境で、若干8歳にしてたった1人で乗り込んでいく我が息子の逞しさに、親ながら脱帽である。
大人だって、異文化での生活は結構辛いのだ(爆)。
行きの飛行機は親戚と一緒だったが、帰りの飛行機は1人。
羽田まで迎えに行き、無事に合流し、先ほど帰宅した。
帰りの飛行機はCAの方々に良くしてもらったのか、すっかり楽しかった様子である。機内Wi-Fiなるものを自分で発見して説明書を読んで、快適に過ごしたそうで、驚きである(既に母を超えている、爆)。
一回り大人になり、成長して帰ってきた息子を迎え、思うことを忘れないうちに書いておきたい。
心を鬼にして送り出す、心を鬼にして何もしない
実は最初は渋っていた。義実家といえば、クーラーはつい数年前にやっと買った、みたいな家である。自然と共に生活しており、虫は家族である。
いつも家族全員で帰省する時は、私がそれとなくクーラーの温度を調節したり、「いや、さすがにつけようよ、、死ぬよ、、」と思う時はそれとなく旦那にお願いしたり、していた。
寝る時にお腹を出しているようならタオルケットをかけてあげたし、温度調節はこまめにしていた。
夜中にトイレに起きた時は、怖くて行けないので(義実家は昔ながらの家屋で、トイレに行くまでの廊下が長い&暗いのである。私でも怖い)私を起こして一緒に行っていた。
それなのに、いきなり1人で?!大丈夫?!と。
日焼け止めを塗ったり、皮膚科の薬を塗ったり、自分で届かない所はできないだろう。
毎日義母にお願いするのも気が引けるので、自分で塗れる所は塗る練習をしたり、した(肌が弱くて小さい頃から皮膚科通いの息子は、日焼けと乾燥が大敵と言われており、真夏の炎天下での活動は日焼け止め、お風呂上りは皮膚科の薬や保湿剤を塗るのが日課、まぁサボリがちな日も結構あるが)。
え、過保護?
過保護かもしれない。でも、今まで当たり前のようにやっていた。
あとは、いくら自然豊かとはいえ、親のいない中、川遊びなどに連れていってもらうのも、例年これだけ水の事故が起きている中不安であった。
そんなこんなで【不安しかない】のであったが。
結局は、息子の【行きたい!】【挑戦してみたい】気持ちを尊重し、送り出すことにした。
いろんな懸念事項に対して、こういう時はこうしなよ。と言いたい気持ちをぐっとこらえて、あえて【何もしない】ことにした。それはほんとに心を鬼にして。
例えばー
寝る部屋に蚊とかがいっぱい入ってきたらどうする?!?!
→おばあちゃんに蚊取り線香を置いてもらいな。とか、夜は部屋を暗くして、廊下だけ電気をつけて、電気の方にいくようにしな(虫は明るい所にいくはず)。とか言わない。夜中にトイレに起きて怖くて行けなかったら?!?!
→予めおばあちゃんか、おじいちゃんか、兄弟の誰かと一緒に寝てもらうように頼みな。とか、ママに電話してきな。とか言わない。家で暇を持て余したら?!?!
→この本持って行ったら。とか、お手伝いすることない?っておばあちゃんに聞いてみたら。とか言わない。途中でどうしようもなく寂しくなったら?!?!
→いつでもママやパパに連絡しておいで。とか、言わない。
油断すると色々言ってしまいそうになるのをぐっと堪えて、困った時にどうするか、彼なりに考えて、行動してみて、思うことがあるだろう、それで色々と学ぶだろうと。
一緒に暮らす人や生活スタイル、文化が全く異なる環境で過ごすことは、生きる力をつける貴重な機会である。
心を鬼にして、気の利かない母を演じ通した(笑)。
寂しさを乗り越えた先
夜寝る前に電話をした日が何日かある。最初はなかなか電話を切らなくて、名残惜しそうだった。
「少し寂しいけど、こっちは楽しいこともある」とか言っていた。
田舎で子供はいない、大人やお年寄りばかりで、100%楽しいばかりの環境ではない。
勿論、普段こちらで使っているiPadとかPCとかは持っていっていないし、Switchなどもってのほかである。
義父はまた昔ながらの昭和の厳格な人で、クーラーの効いた所でダラダラしていると厳しく言うタイプ。
いや、全然楽しくないよね、と書いていて思ったが。
畑仕事を手伝う中で、きゅうりの花の鮮やかな黄色とか、一生懸命汲んできた山の湧き水の格別さとか、こちらでは見かけない虫の不思議とか。自分で収穫した野菜の美味しさや、掃除や洗濯などの手伝い(こちらではほとんど手伝いをやらせていない。。忙しいのと、自分でやる方が早いのと、言ってもやってくれないから。爆)、そして100歳近いひいおばあちゃんとの触れ合い。
そんな、こちらでは経験できない沢山のことから、楽しみを見つけ、自分の役割を見つけ、体を沢山使うので早く眠くなり、途中からは寝る前の電話も「じゃ!ねるから!」とあっさり切り上げるようになった(かけてくるのは息子の方からなのだが、笑)。
我が子ながら、逞しいの一言である。こうやって親の心配をよそに、知らない所で成長していくんだなとしみじみした。
空港の到着ロビーで待つ気持ち
なんだかんだあっという間に帰ってくる日。ついこの前まで幼児だった息子を、空港で迎える日がこんなに早く来るなんて。思いもしなかった。私の予想より軽く5,6年は早い。
スーツケースをピックアップしてゲートを出てきた息子の顔は、どこか誇らしげだった。
CAさんが着いてきてくれたので、同意書にサインをしてピックアップ完了(なんか、、荷物みたいだけど、、笑)。
1週間ぶりに会った息子はすっかり日焼けして、背も伸びていたように感じた。
たった1週間離れていただけだというのに、なんとなくソワソワした。携帯も持たせているし、それほど心配ではない。息子との再会が楽しみ?楽しみじゃない訳でもないが、それだけではない、変な気持ち。
どこから出てくるかな?なんて声を掛けようかな?そんな妙なソワソワを抱えながら、自分が母親であることを改めて感じた。
母ってこんな気持ちなのか。
こんな気持ちを味わうのは息子が中学生や高校生になってからだろうと思っていたが、思いの外早く来た。
これから先何度かは、同じような場面がやってくるだろう。その時々の、様々な思いを抱えながら、私はこの日のことを決まって思い出すに違いない。
小学3年生。好きなサッカーのクラブチームのロゴが入ったリュックサックに、ドジャースの帽子(サッカーが好きだけど大谷も好き、笑)。首から下げた携帯。
ゲートから出てきたこの姿を、何度かは蘇らすだろう。
どこかの大学生になって帰省してくる未来の息子をなんとなく想像して、なんだか胸がキュっと締め付けられるのであった。
◇◇
バタバタしており2週間以上も温めていた記事である。これは7月の終わりの出来事。もうお盆がやってきて、また帰省どうする問題が勃発している。
一人旅に味を占めた息子はまた一人でどこかに行きたいと言い出し、嬉しいやら、困るやら、な日々である。
共働き家庭の小学生達はこの長い夏休みをどう過ごしているのだろうか。