ひとにいわれた

ことばが すっと受け入れられなくて、

疑心暗鬼になってる自分に気づく。

おかしいなぁ、わたしこんなにがんこだったっけ。

いや、案外そうだったか。


あなたがわたしの何をしってるの、って

口をついて出そうになるけど

その実、わたしはそのひとの、何もしらない。


何をみて、何を感じ、どんなふうに生きてきたのか。

わたしの話すことばを、いつもどんな思いで聞いてくれているのか。


しらない、というのはこわいことだ。

だから無意識に、妄想で埋め尽くしてしまう。

都合のわるい真実を、みなくて済むように。


そうしている間にも、そのひとは、どんどん傷ついているかもしれないのに。

わたしの不用意なひとことで。


わたしは身勝手で自分本位だ。

ひとに言われて腹たつことほど、そのものずばり、だったりする。

ああいやだ、みたくない。認めたくない。

そうやって、幼い自分を、守ろうとするので精一杯。

はずかしいよな、なさけないよな。


ごめんね、ごめんね、こんなわたしで。

ちゃんと、ちゃんと向き合うから。

すこし、すこしだけ逃げさせて。

そしたらもいちど、戻ってくるから。

すこし 沼に潜らせて。