わたしの立ち位置

仕事の話を聞かれるのが苦手だ。

当たり障りなく済ませられそうなら、それでいいけど、嘘をついているような気がしたり、このざわざわした気持ちがばれているのではないかと思うと落ち着かなくて、一人になるとどっと疲れてしまう。

それが、癒しを得るために受けているサービスであってもだ。

時々、マジで寝落ちしてることもあるけど、そんなことは稀で、たいていは会話に矛盾が生じていないか、変に思われてないかとか気にし続けている。
頭は全然休めてない。

家でくらい心から安心したいのだけど、ひとりでいると色々やること見つけだして(なんなら作り出してまで)やり始めるから、困りものだ。

だから、本当に頭が疲れ果てて、強制シャットダウンをかける(=突然倒れる)までは止まれない。
その止まったときでさえ、身体は微塵も動かないのに、頭はずっと忙しなくて、何かサボっているような罪悪感とか、約束の時間に行けそうにない言い訳とかずっと考えてる。
でも結局何もできないまま意識を失う。

寝て起きたあと思うのは、あーまたやっちゃったなぁ、これだからペース配分気をつけないとなのに。
でもなまじねむり倒してスッキリしてるもんだから、倒れてる間にできなかったことを片っ端から片付け始め、また振り出しに戻る。

これを片っ端からこなしてるうちは、楽しくて、気分良いんだけど。結局また倒れる。倒れてるときは言葉がうまくでてこない。

相変わらずページングがへたっぴ。
これでも前よりは大分ましなんだけどね。
これでも。

私の周りのパワフルな人達は、そういうのわかんないみたいで、朝型にすれば良いよ、とかサラッと言われてモヤっとして終わることが多い。
だから伝わらなさそうな人には最初から話さない。
それが一番安全策。

だがしかし、だ。
身体を触られるサービスは誤魔化しが効かない。
私の緊張や身体のこわばり、疲労が筒抜けになる。
寝落ちしてタイムアウトならまだ良い。
意識が残ってると、ほぼ間違いなく仕事の話になる。
セラピストさんからしたら、それが雑談の種にもなるし、時に大事な情報を含むからだろう。
だって私もそうだから。
相手に支障がなければ、可能な限りどんな社会背景があるのか、触れておきたい。
どんな性格で、何が楽しみで、何を負担に感じる可能性があるか、そこから推測できるからだ。

だから、文句を言える立場では全然ないのだけど、ただひとえに私のスルースキルが残念であるばっかりに、毎度このやりとりに頭を抱えることになる。
それですごい疲れている。

医者です、と言って、わーすごいですね、そんなことないです、とかいう空虚なやりとりをするのも居た堪れないし、
正直に言ってしまったらもう、そこからはあくまで「先生」としての自分で話さないといけなくなってしまう。というかそうしてしまう。
友達からも、身内からもそんな役割を求められてる気がするし、
かと言って初めての場所で自分の仕事を偽ったとして、私は医者以外の生き方を知らないのだから、話すうちに矛盾が生じてしまうのだ。
そんなことを色々考えていると、途中からもう全部嫌になって、めんどうになって、その場限りの関わりで良い人以外と個人的に関わるのが嫌になってしまう。

そして、これも医者だからって意識しすぎる私が傲慢
なのかな、と自罰し始める。

理想は、今ある肩書きとかなーんも関係ないところで、私が私のままで楽に居られる場所や物ごとがあって、そこを中心に人のつながりが広がって、なおかつそこから新たな生業が得られること。

そしてみんな忘れた頃に、
「あれ?あの人の仕事ってもともとなんだっけ?」
って笑い合えるくらい、そんな生き方が自然な私になること。 

何をするとか、具体的なことはなーーんもわからんけど、イメージはそんな感じ。
都合良すぎやろって、突っ込まれるかもしれんけど、夢を描くのは自由だから。

少し前まで危うく、生きることすら放棄しそうだったのだから、ちょっとでもこうなるといいな、が浮かぶなら、もれなく掬い取ってあげたい。

そうやっていつか、気づいたら、なんもないのに笑ってる方が幸せな世界にシフトしていれば良い。

偉い人じゃなくてもいいの。
立派な業績もいらない。
ただ私がいちばん私らしく、生きていけますように。

一粒万倍日に願う!!笑