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たとえサクラが咲かなくても

今日は息子の24回目の誕生日
そして私も24回目の母親記念日

これまでの息子との道程を振り返ってみた時に一番切なかったことは…

高校受験で志望校の掲示板に息子の受験番号が無かったこと

私たちの暮らす地域では、高校は公立高校が優位で、私立高校は滑り止めという認識があります。もちろん、スポーツなど何かしら特化したコースのある学校やその後を見越して大学の推薦枠の多い私立高校へ進学する方もいます。

息子は、公立の進学校を目指していました。模試の判定もよく、塾の先生からも太鼓判を押されて私も安心していました。

合格発表の日
2人で地下鉄に乗り、高校へと向かいました。アクセスのよい高校で、地下鉄からのエスカレーターを上ると校門があり、合格者の番号が貼られた掲示板も直ぐに目に付きました。

先についていた同じ中学校の友だちは茶封筒を抱えています。
が、私たちに対する雰囲気が???
直ぐに察しました。
息子は掲示板の前まで見に行きました。何度か往復していましたが、やはり息子の受験番号は見つかりませんでした…
模試で息子より判定が良くなかった子も茶封筒を抱えていました。

絶望しました。

周りの友だちや親御さんの腫れ物に触るかのような気遣いにも絶望しました。この先どうしたらよいのだろうと途方にくれながら帰途に着きました。

翌日は合格した子たちだけが中学校への登校日。不合格の子は学校へも行けず、長くお世話になってきた塾にも行けず。学校も塾も電話でのさらりとした会話のみ。
もはや深い沼に突き落とされた気分で、玄関から出ることすら人目が気になるように…

滑り止めは私立高校2校、特待生で保留にしてありました。
私立に進むことなど微塵も考えずにきましたが覚悟を決めなければなりません。
数日後…絶望の沼から抜け出し、息子は私立の高校へ進学を決め、長距離の夜行バスに乗って一人旅に出ました。

その間、私はあることを思い出しました。息子と2人で受験直前にご縁のある神社に合格祈願に行った際に、〇〇高校に合格できますように…ではなく、息子にベストな選択になりますようにお守りください!!と祈っていたことです。

無事に一人旅から帰宅し、不本意ながらの私立高校へ進学。私たちの気持ちを表すかのような雨の入学式。

でも…
進学してから、息子は世界が広がりイキイキと登校し始めました。当初の志望校に進学した友だちが不登校になってしまい親御さんが悩んでいたことを後に知りましたが、息子は自分はこの学校に進学して正解だったと3年間休むことなく登校し、大学進学も自分の得意分野に優位な条件で進学しました。時に悪友たちとヤンチャする時期もありましたが、今にして思えば後にコロナ禍を1人都会で生き抜く逞しさにも繋がったのではないかと思います。

絶望は人生の終わりではない
新たな選択肢が広がったのだと感じました。

こんな経験が私が今、趣味が高じて講師の資格を取得したゼンタングルに繋がっていきます。

ゼンタングルでは『ノーミステイク』というフィロソフィーがあり、間違いはない、むしろ新しい機会を見つけ受け入れる…ということをアートを通じて日常生活にも人生にも応用できることを教えてくれます。

目指した志望校に合格できるのはもちろん有り難くうれしいこと。
でも、ご縁が無かったとしても必ず新たな世界が開けてきます。

社会人になった息子は、苦手だと行っていた英語も臆することなく仕事の合間に海外へ1人旅する大人になりました。

様々な春を迎える受験生のみなさん、受験生の親御さんへわが家の想い出が少しでもエールになれば幸いです。
 






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