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子供のためのオルセー美術館(38)ベルナール・畑にある三角のはなあに?/収穫のとき

かきの エミール・ベルナールは 
モン・サン・ミシェルのちかくブルターニュの小さなむらに行きました。
村のはたけはたらく人をきたかったのです。

そこは うみなみおとこえて


浜辺はまべこうには 四角しかくはこのようなピンクのいえがいくつもえます。


おもしろいかたちをした三角さんかくみたいなのは
くさの わらのやま


はたけはたらひとたちは いま大忙おおいそがし!
みんななにをしているのでしょう。

大きなカマでたくさんの わらをかりっていた
くろ帽子ぼうしのおじさんは ほっとひとやす
ザッザッザッザッ…
かられたばかりのくさをかきあつめてすばやくたばにしていく人たち
したいててかおえません。

あっという間に 大きいたばになってきた!


つみきのような三角や四角いかたちの みわらやむらいえ
そこではたらく ブルターニュの人たち
ベルナールのはたけは、こんな絵になりました。


エミール・ベルナール
海辺の収穫 1891
Émile Bernard
Moisson au bord de la mer 1891

1886 年から 1893 年の間、エミール ベルナールは定期的に家族を休暇に連れて、モン サン ミシェル湾とサン ブリュー湾の間にあるブルターニュの小さな村、サンブリュアックに行った。彼がゴーギャンに初めて会ったのは 1886年、その後1888年に再会そこで2人は、伝統的な遠近法を捨て、ステンドグラスの鉛細工を思わせる暗い輪郭で縁取られた平坦な色の領域を使い、形を根本的に単純化する技法を共有した。
ブルターニュ滞在中、ベルナールは、高名な農民画家ミレーのように、農民の日々の仕事に目を向けた。風景、つみ藁の山、家々、そして働く男たちはキャンバスを彩る色彩の形だけを残すために、細部を削ぎ落とし大らかに描かれている。その仕草の美しさと風景の美しさは、1892年に出版されたイギリスの作家ヘンリー・ブラックバーンの著書『芸術旅行』で表現されたブルターニュの描写をよく表している。ここで私たちはジュール・ブルトン、ミレー、トロワイヨン、ローサ・ボヌールといった牧歌的な情景を描いた画家たちのことを思い出す。
1891年春、ベルナールは、ゴーギャンと対立した。ゴーギャンが幾つもの展覧会に出品したことによりポン-タヴァン派が考えた新しい美学の功績をすべてゴーギャンだけで独占していると非難したためである。
この絵は、1892年のサロン・デ・ザン・アンデパンダンで批評家ギュスターヴ・ジェフロワが「荒々しい人間性」と評価したように、この非常に力強く幾何学的な絵画で、彼はセザンヌにさらに近づいていった。

Musée d’Orsay 

お読みいただきありがとうございました。
ベルナールは、ゴーギャンとの決別の後、1893年エジプトにも移住しそれ以降イタリア絵画のラファエロやプッサン、ベラスケスなどの昔の巨匠に触発され画風も変わっていきます。
この絵に登場する人物は顔もなく単純化されていますが、地面に這いつくばり厳しい作業をする農民たちが、ブルターニュの村の風景の優しさに救われるかのように描かれています。

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